唐澤予報士のウラナミ『今年の夏!!』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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こんにちは!!

まずは、この度の新型コロナウィルス感染症で亡くなられた方々のご冥福と、罹患されました方々の一日も早い回復をお祈りいたします。また、事態が終息に向かうことを切に願います。

さて、暖冬だったとはいえ、冬の海は当然寒く、海から遠ざかっていた方も多かったとは思いますが、日ごとに暖かさを感じるようになり、海へと戻ってきた方が増えつつあるなと感じます。

そこで、気は早いのですが、今年の夏の波はどうなるかを考察してみます。(写真は2018年7月10日の湘南辻堂の波!)
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予想のベースとなるのは、気象庁が発表している季節予報です。気象庁の季節予報では、毎週木曜日に更新される「1か月予報」と、毎月25日に更新される「3か月予報」、そしてそれぞれ年に一度だけ発表される「暖候期予報」「寒候期予報」があります。今回は、2月25日に発表された、6~8月の天候の見通しである「暖候期予報」をもとに考えます。

まず、波の前に通常の天気ですが、どうやら今年は「暑夏」となりそうです。全国的に暖かい空気に覆われやすく、気温は平年並か高くなる予想となっています。また、降水量は、梅雨時は沖縄・奄美を除いてはほぼ平年並、梅雨明け後は全国的にほぼ平年並とのことです。気温が高い理由の一つは、地球温暖化の影響。また、太平洋高気圧の張り出しが平年よりも強いことも理由の一つとなります。
natu(気象庁HPより)

この強い太平洋高気圧の張り出しの影響も含めて、波のことを考えてみます。

まずは、気になるのは台風。台風に発達するのは熱帯域での発生する積乱雲です。この積乱雲の発生ですが、フィリピン周辺において、前半は少なくて後半は多くなる予想です。ざっくりと述べると、梅雨時の熱帯低気圧の発生数は少なく、梅雨明け後は多くなる、といったところでしょうか。発生数がこのようになる原因は、フィリピン周辺の海水温が夏の後半にかけて高くなる予想となっているためです。

なので、基本的にあまり良い波が立つことが少ない梅雨時は、「平年通りにあまり期待はできない」となります。

では、台風の発生数が多くなりそうな梅雨明け後というと、「それなりに良い波は立つものの、例年と立つ場所が変わる可能性がある」となります。台風は太平洋高気圧の縁に沿って北上していくという性質があります。上記にあるように、今年の夏は太平洋高気圧の張り出しが強くなり、例年よりに西へと張り出す見込みです。なので、台風が北上するコースも例年よりも西寄りとなる可能性があります。この数年は、台風は関東付近に接近・上陸することが多かったのですが、今年は西日本に接近・上陸することが多くなるかもしれません。(なので、今年も西日本を中心に台風による被害が発生する可能性があります。台風期には防災情報等をきちんと確認するようにしてください。)

ということで、今年も、梅雨の時期は物足りないものの、梅雨明け以降は良い波・大きい波に出会える可能性はある、といったところではないでしょうか。それでは皆さん、夏に向けて、そろそろなまった体をリフレッシュしましょう!!

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