上條将美のウラナミ『サーフィンコンテストの勝率アップ?!』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

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こんにちは、上條将美です。
サーフシーズンどストライクの今日この頃、皆さんどうお過ごしですか。

最近、色々なご縁などがあってWSL JAPANの試合を見ることが多かったので、今回のウラナミではコンテストでの勝率が上がるであろう、自分なりの秘訣を紹介したいと思います。
※ただし、これはあくまでも自分流であり、全ての人に当てはまるかどうかはわかりません。
また、この件につき一切の責任・クレームは受け付けませんので、予めご了承ください。

テーマは2つです。
1 とにかく波を見続ける
もちろん、大会当日の朝からしか大会会場にいれない、という方が多いとは思いますが、できるのあれば早いうちから会場入りし、朝から晩まで会場の波を見続けてください。そして、できるだけ多くの情報を頭に入れてください。
例えば、干満によるコンディションの変化。
潮が引いてくると割れやすくなって波数が増える、逆にダンパーが増える、切れた波が入る所が大きく右側に移る、オンショアが入ったほうが切れた波が増える、逆にフェイスが乱れて走りづらくなって速い波は抜けづらくなる、などです。

進藤晃プロがケリー・スレーターとの会話の一部を教えてくれたことがありました。
昨年、ケリーが日本に来た時の話です。その時は、タヒチ・チョプーの試合が2~3日後に迫っていて、進藤プロがタヒチと全く違うサイズ・コンディションの日本に直前までいて大丈夫なの、聞いたそうです。
すると、ケリーの答えは、「チョプーやパイプライン、タバルアのような完璧なリーフブレイクはうねりの向きや風向きによって多少の変化があっても、波のブレイクやクセ、ポジションなどはあまり変わらないから大丈夫。逆にビーチブレイクは砂の付き方などでブレイクが日々変わるので、早く現地入りしてできるだけの情報を頭に入れる必要がある。」
だったそうです。
もちろん、次元の全く違うレベルのケリーのことなので違うと言えば違いますが、波を見続けることがいかに大切かは伝わる話だと思います。

なお、注意点としては、コンテスト開催中は波のブレイクのみに集中し、他のサーファーに気を取られないようにすることが大事です。メンタルが弱い方は、ライバルなどが調子良い場合など、周りが上手く見えて自分のサーフィンに自信がなくなってしまうことがありますので。

2 ジャッジの傾向を覚える
波を見ることで、どこにどんな波が来るかなどが頭に入ったあと、それをふまえて、ジャッジはどこのポジションのどの波に高得点を付けているか、できればどんなライディングかまで、わるかる限り傾向を覚えてください。
もちろん、基本的には良い波の良いライディングに高得点が出ます。
ただし、レベルが上がれば上がるほどジャッジもシビアになりますので、少しの違いが点数に大きく響く場合があります。
例えば、横方向にカレントがある場合、ライトは流れに乗ってブレイクは速いけどスピードに乗りやすく距離が出せる。一方、レフトは流れと逆で内巻きになって形にはなるけど、横への距離はでず、縦につないでくるようなライディングになる、という場合です。

以前の大会でこういうコンディションのときがありましたが、ライトにはエクセレントのポイントが出るのに、レフトには上手く技を入れてもそこまでの高得点は出ていませんでした。
こういうことがわかっていれば、必然的に狙うのはライトの波だと的を絞ることができますよね。もちろん、試合展開などによってはレフトの波に乗る必要があるときもありますが。

そして、自分が乗っていて楽しい波と、ジャッジが高得点の評価を付ける波が違うことがある、というのも頭に入れておいてください。
試合では往々にして、自分的には楽しく乗れたのに試合には負けた、ということがありますので。
以上、もし参考になりそうであれば頭の片隅に入れておいてください。

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