
今夏の話、目的地は伊勢・志摩エリア。
人生初のポイントでした。
駐車場には他県ナンバーの車が並び、いくつかの消波ブロック付近では、うねりがきれいな三角に割れる場所も。
スネ〜ヒザ、モモくらいの小ぶりなサイズでしたが、ポテンシャルを感じる波が割れており、きれいにクルーズしているサーファーの姿もちらほら見られました。
そしてこの日、ついに初対面となったのは、ビッグウェーバー・西世古さん親子です。
国府の浜でサーフショップ「プラヤサーフ」を営まれています。
10年ほど前からやり取りをさせてもらっていたので、お互いに「はじめまして……でしたっけ?」と、少し不思議な感覚でのご挨拶となりました。
息子の篤哉さんは、国府の浜ビーチフロントの「まきの木カフェ」を切り盛りしていました。
ハワイやメキシコのビッグウェーブを攻めるとは思えないほど、穏やかで優しいお二人。


当日の私の仕事も、横からいろいろと手伝ってくださり感謝の気持ちでいっぱいでした。
各地にいらっしゃるビッグウェーブを追う人たちは、海のスケールと同じく人としても大きく感じてしまうのは僕だけでしょうか。
ガツガツしたところがなく、「人類みな友達」的な空気感で接していただき、本当に心が温まりました。
西世古さん、ありがとうございます!
篤哉さんに「メキシカンパイプは怖くないんですか?」と尋ねたところ…
少し間を置いて「いや、怖いですよ」と。
その一言に、篤哉さんが見てきた世界の波の奥深さと、恐怖を超えてきたのであろう、覚悟や根性が見えた気がしました。リスペクトです。
動画はこちら▽
そしてもう一つ、この日の目的がありました。
この「洞窟」が何か分かりますか?

「ここを目的地として尋ねられたのは初めてかも」と笑う西世古さんに行き方を教えてもらい、現地を訪れてみました。
日本最古の書物『古事記』にも登場する、有名な神話の舞台──「天の岩戸」です。

子どものころ、家に漫画版の『古事記』があり、少年漫画と同じくらい夢中で読んでいました。
神々のドラマにロマンを感じ、いつかその舞台を見てみたいとは思っていました。
実際に訪れてみると、明らかにそこだけ空気が違いました。
真夏の暑い日にもかかわらず、ひんやりとした冷気が漂い、思わず「なんか涼しい……空気が違う」と呟くほど。
これは、行った人にしか分からない感覚かもしれません。
伊勢神宮からも近いせいか、神域のような気配が漂っていました。
その後、伊勢神宮、猿田彦神社を足早に見学。
伊勢という土地の雰囲気を十分に味わえたのでした。


そして帰り道、約15年ぶりに御前崎エリアから少し離れた某ポイントでサーフィンをしました。
ここは思い出深い場所です。
当時、御前崎ポイントだと思い込んで通っていたのですが、後日友人に写真を見せたら「ここ御前崎じゃないよ」と言われてビックリしたのを今でも覚えています。
当時、隣でサーフィンしていたカップルが、フィンを二人とも逆向きにセットしていて、気になって仕方なくなり、思わず話しかけて確認したら「間違えてました!」と(笑)。
お互い大笑いしたのが、今では懐かしい“ひと夏の思い出”です。
報告が遅れましたが、伊勢の国府の浜ポイントでは、新しいライブカメラが設置されています。トリップの際や、無理をせず入水を控える決断をされる際など、ご活用いただければ幸いです。
