
「台風スウェル」と聞くと、多くのサーファーは長周期でパワフルなグランドスウェルを思い浮かべるのではないでしょうか。
今回の台風7号・8号も、進路を見る限りでは湘南に十分なサイズアップをもたらす可能性を秘めていました。しかし、実際に湘南へ届いた波は、The Dayを思わせるようなグランドスウェルではなく、ファンでメローな南〜南西うねりという印象でした。
では、なぜそうなったのでしょうか。5日間の経過を振り返りながら考えてみます。
進路は理想的だった台風7号
今回の主役は、間違いなく台風7号でした。
沖縄の南海上から北上し、奄美付近を経て本州南岸へ向かったコースは、湘南にとって比較的理想的な進路でした。一方の台風8号も日本の南海上まで北上しましたが、勢力や風域は7号ほど発達せず、湘南への吹送距離・吹送時間も限られていました。
結果として、湘南へ届いたスウェルは台風7号によるものがメインとなりました。
前回記事も参考に。
「The Dayの条件に迫る─2026年台風6号は湘南のゴールデンコースだったのか?」
25日(木):夕方から本格的に反応
台風7号は沖縄南海上を北上。
湘南では、じわじわと台風7号によるうねりが反応したものの、コンパクトなサイズ感でした。
しかし、夕方にかけて本格的にサイズアップ。この日一番の波が姿を現し、胸〜肩サイズにまでアップし、△40〜◇70までのコンディションとなりました。
26日(金):サイズキープもオンショアが影響
沖縄の久米島西海上に進んだ台風7号は、奄美大島付近に向けて北~北北東進。
台風8号は日本の南海上を北~北北東進しました。
南〜南西うねりが続いたものの、この日は日本海の低気圧や梅雨前線の影響でオンショアが吹き込み、海面は大荒れのジャンクコンディションでした。
27日(土)〜28日(日):コンディション回復
台風7号が九州南海上を東進し、伊豆大島付近にまで進んだ台風8号は次第に温帯低気圧に変わりました。
前日までのうねりは残り、胸〜肩サイズを維持。
風も比較的弱く、大きなサイズではなかったものの、メローやファンウェーブでトレーニングしやすいコンディションが続きました。
ただし、28日(日)の夕方にかけて徐々にサイズダウンしていきました。
29日(月):うねりは終息
台風スウェルは完全にピークアウト。
湘南では、モモ〜腰サイズにサイズダウン。
全体的に物足りないコンディションとなり、今回の台風スウェルは幕を閉じました。
なぜグランドスウェルにはならなかったのか?
進路だけを見れば、台風7号は湘南にとって比較的期待できるコースでした。
しかし、グランドスウェルにはあと一歩届きませんでした。
理由として考えられるのは、
・日本へ接近する頃には、台風7号・8号ともに勢力が弱まったこと
・湘南への風が吹く距離が長期間維持されず、長周期のスウェルへ十分成熟しなかったこと
・台風8号が7号へ上乗せするほどの勢力を持たなかったこと
波が大きくなる条件(①風が強い、②長距離吹く、③長時間吹く)を考えた時に、台風7号はフィリピン東海上で最盛期になったときには3つの条件を満たしていたものの、日本からの距離が遠かったためにグランドスウェルは届かず、また日本に近づくにつれて温帯低気圧クラスにまで勢力が衰えて風速の低下・強風域の縮小により①と②が中途半端となったため、結局グランドスウェルにはならなかったと推測されます。
今回の台風スウェルを総括すると
サイズは主に胸〜肩で推移し、最終日にはモモ〜腰サイズにまでダウン。
点数で表すなら
25日:△40〜◇70
26日:▼20〜30(ジャンク)
27日:△40〜◇60
28日:△40〜◇60
29日:▼20〜30(物足りないコンディション)
といった印象です。
派手な「The Day」は訪れませんでしたが、25日夕方から28日まで約4日間にわたり、ファンでメローな南〜南西うねりが続き、多くのサーファーが楽しみやすいサイズ感でトレーニングできるコンディションとなりました。
今回の台風7号・8号は、「進路が良ければ必ずグランドスウェルになるわけではない」ということを改めて教えてくれました。
台風の進路だけでなく、勢力(風速)、風の吹く距離、移動速度、風向、そして潮汐。
それらすべての条件が重なったときに、湘南の”The Day”は訪れるのです。
次回の台風スウェルに期待しましょう!
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