
スーパーエルニーニョとなった2015年の台風21号
気象庁から「エルニーニョ監視速報」が隔月で発表されています。
6月10日付けで
〇2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる
〇今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)
と発表されました。
5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.2℃で、基準値より高い値となっており、上昇傾向が続いています。太平洋赤道域の海面水温は、中部と東部を中心に全域で平年より高く、太平洋赤道域の海洋表層の水温は、中部と東部を中心に全域で平年より高くなっています。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近ではほぼ平年並だったが、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱まっています。このような大気と海洋の状態は、海洋はエルニーニョ現象時の特徴がすでに現れ、大気にもその特徴が現れ始めていることを示しています。このことから、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる、ということです。さらに、9月に関しては基準値との差は+2.0℃~+3.3℃と予想されており、「スーパーエルニーニョ」となる可能性もあります。
実況では、太平洋赤道域の海洋表層で見られる暖水が東進しており、大気海洋結合モデルは、この暖水の東進が太平洋赤道域の中部から東部の海面水温を平年より高い状態で維持するように働くとともに、その後も大気と海洋の相互作用により強化された海洋表層の暖水の東進が継続することに伴い、エルニーニョ監視海域の海面水温が秋にかけて上昇し、基準値より高い値で推移すると予測しています。以上のことから、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)、ということになっています。
5月のエルニーニョの天候への影響ですが、日本付近ではエルニーニョ現象時の特徴は明瞭に見られなかったものの、中米~中部太平洋熱帯域の高温傾向が、エルニーニョ現象時の特徴に一致していた模様です。
では、この秋まで続くエルニーニョ現象がどのような影響を及ぼすか見ていきましょう。
太平洋でエルニーニョ現象が発生すると、インド洋では東風に転じ、東部にやや厚く蓄積されていた暖かい海水は、西部及び熱帯域に広がります。また日射量が増え、海面を暖めるようになります。このため、インド洋熱帯域の海面水温は、エルニーニョ監視海域の海面水温の上昇に対して、3か月程度遅れて高くなります。またエルニーニョ現象終息後も、インド洋の海面水温の高い状態が、3か月程度継続します。

(気象庁HPより)
エルニーニョ現象発生時の天候の特徴は以下となっています。
夏(6~8月)の天候の特徴
平均気温:西日本で低い傾向。北・東日本で並か低い傾向。
降水量:西日本の日本海側で多い傾向。
日照時間:北日本の日本海側で少ない傾向。東日本の日本海側で並か少ない傾向。
秋(9~11月)の天候の特徴
平均気温:西日本で低い傾向。北日本で並か低い傾向。
降水量:なし。
日照時間:北日本太平洋側で多い傾向。西日本の日本海側で並か多い傾向。
簡単にまとめると、夏は冷夏・多雨傾向となります。
しかし、気象庁の長期予報によると2026年の夏は高温が予想されており、現在のところ冷夏になる可能性は低くなっています。これは地球温暖化の影響で大気全体の温度が高いため。また、猛暑をもたらす太平洋高気圧が強まる予想となっているためです。エルニーニョ現象によって大気の流れが大きく変わることで、これまでの経験則が通じない集中豪雨、干ばつといった気象災害が発生する可能性もあります。また、2023年の夏もスーパーエルニーニョとなったのですが、日本は記録的な猛暑となり、各地で35℃以上の猛暑日が続いた年となりました。今年の夏も猛暑となるかもしれません。

では、波はどうなるかを考えてみましょう。
これまでエルニーニョ現象が起きたときには、一般的にフィリピンの東の海面水温が低く、雨雲や台風を生み出す積乱雲の活動が弱いとされていました。台風の発生数は少なくなる傾向でした。しかし、複数の民間気象予報会社から発表されている2026年の台風発生数の予想は、平年よりも多いと予想しているところがあります。実際にスーパーエルニーニョとなった2015年は、台風の発生数は27個と平年を上回りました。

(気象庁HPより)
一方で、一般的に台風の寿命が長くなる傾向があります。普段よりも台風の発生する場所が日本から離れた東の方にずれて、台風が暖かい海上を長く進んでくるために、エネルギーを蓄える時間が長くなり、より強く発達しやすく、中心気圧は低く、寿命が長くなって日本に接近する傾向があります。スーパーエルニーニョとなった2015年は16個が非常に強い勢力にまで発達。台風21号により与那国島では歴代1位となる最大瞬間風速81.1m/sを記録しています。
台風はそれなりに発生して、強い勢力となり、日本に影響を与える期間が長くなる、といった感じでしょうか。波が上がるタイミングは多くなりそうですが、波が大きすぎて危険な場所・日時も多くなるかもしれません。
波情報・台風を始めとした気象情報をしっかりと確認し、良い波を当てつつ、事故のないようにしてください。

