KYのウラナミ『ファーストペンギン』

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防災士。上級救命技能認定。『波伝説カー』と共に海から海へ… 。勤続20年を越え、その移動距離は月迄の380,000kmを2往復目に突入しています!! これからもリアルな海の情報をお届けできるよう、安全運転で頑張ります。

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野生動物のドキュメンタリー番組などでよく目にするシーン。

 

たくさんのペンギンのヒナ達が初めて海に出て行く。

岩肌を波打ち際までヨチヨチ歩き。

そして、初めての波に戸惑い、おそるおそる近づき、意を決して最初の一羽が飛び込む、

すると後に続いてどんどん飛び込んでいく。

そして、どうやら世の中には「ファーストペンギン」というビジネス用語があるらしい……。

 

最初に飛び込むペンギンは、「勇敢である、パイオニアである」というような捉え方らしいです。

 

しかしながら、これには他の解釈もあるようで、実は後ろにいた「セカンドペンギン」に押されてやむなく海に飛び込んだ「おっちょこちょい」という人もいる。

これらを踏まえて、先日訪れたオーストラリアでの出来事。

 

過去に行ったニュージーランドでもそうでしたが、オーストラリアでもエントリーする際に、岩場から海にジャンプをして入るようなポイントが数多くあります。

 

あまりこのような経験をしたことがない私は、パワーのあるオーストラリアの波で、まずはこの「エントリー」が試練となりました。

 

見た目は肩〜頭くらいのコンディションでも、頭半〜ダブルくらいの波がまとまって入ってくる、この南半球の壮大なうねりが早々に私をビビらせました。

1日目、なんとかエントリーできましたが、意を決するまでに20分くらいはかかりました。

傍らには体育座りで見ているサーファーも。

 

その翌日から、この辺り一体は大きくサイズアップし、いよいよどこもかしこもダブルオーバーサイズ。

 

状況を詳しく説明すると

まず自分がどの岩から飛び込むのかを決める。

同時に、セット間隔を気にしておく。(飛び込んだ後もすぐに沖には辿り着くことが難しいためできるだけ猶予が欲しい)

もちろん足場は悪いため、足元に気をつけて波打ち際に近づく。

途中でセットがきてしまえば、安全な所まで引き返す。

リーシュを着けるタイミングも大事。

 

これらを、沖でダブルオーバーの波が来ているような場所で行うのですから、それはそれは心が折れそうになります。

 

後から来た人が、なんなくエントリーしてしまうこともあれば、転んだり波に押し戻されたりする人も。

諦めて引き返す人もいます。

 

「ここからエントリーすればやりやすいよ」なんていう場所はなく、(あるかもしれませんが全てはコンディション次第なので)

皆、それぞれに人を観察しつつも、自分を信じて、最後は自分の決めたタイミングで飛び込むしかありません。

思い出しただけでも、息が苦しくドキドキしてしまいます。

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そして、エントリーに成功しても、そこで止まってはいられません。

強烈なカレントと、沖まで行く間にセットが入るとドルフィン地獄になってしまうので、ひたすらパドルで進み続けます。

 

そんなこんなで必死で沖に辿り着いた時、その場にいる人はみんなこのエントリーを乗り越えて入って来た人達、まずはリスペクトです。

 

そして、少し心が落ち着いた頃に周りを見渡すと、広大な海に大きなうねり、陸は緑と岩肌のなんとも美しいコントラスト。

地球のダイナミックさを感じることのできる、貴重な経験となりました。

 

「ファーストペンギン」の気持ちが少し分かった気がします。

 

そして、今後の自分の人生も一歩前に踏み出す勇気が持てそうです。

 

I ❤️AUS

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