このウラナミを書いている時点の4月24日の湘南は、個人差はあるかもしれないものの、自分は3mmのジャージのフルスーツでも暖かく感じるくらいに水温が高くなっています。
エリアによってはまだまだ寒い所・水温が低い所もあるかもしれませんが、湘南では気温・水温ともに高くなってきました。
これから気温が上がるとともに、水温も高くなっていくでしょう。
ただし、首都圏のサーファーなら知っている方が多いと思いますが、気にしなければならないのが、「千葉の南西風」です。外房(茨城なども)は南西風が吹き続けると水温が下がるという現象が起きます。
なぜ、このようになるかを説明したいと思います。
この南西風で水温が下がるというのを理解するためには、「転向力(コリオリの力)」というのを理解しなければなりません。
「転向力(コリオリの力)」とは、「慣性系に対して回転する座標系内を運動する物体に作用する慣性力または見かけの力」ということになります。
一体何のことやらと思われるかもしれません。
もっと簡単に説明すると、「回転をしている物体の表面上で発生する見かけの力」となります。
これでもちんぷんかんぷんなので、もっと具体的に説明すると、「地球の北半球では移動するものは右に曲がる」ということになります。
例えば、あなたが北極点にピッチャーとしていて、赤道にいるキャッチャーに向けてボールを真っ直ぐになげたとします。北極点から赤道に届くまでにある程度の時間がかかります。
この間に地球は反時計回りに自転をしています。この自転により、あなたが投げたボールを投げた方向からキャッチャーは徐々に左にずれることになります。
これを別の言い方をすると、キャッチャーに向けて真っ直ぐ投げたボールが徐々に右に曲がる、となります。
なんとなく分かりましたでしょうか!?

この、北半球では右曲がり、南半球では左曲がりを発生する力を転向力・コリオリの力と呼びます。
この転向力を理解すると、南西風が吹くと千葉の水温が下がることが理解できます。
千葉において南西風が吹くと、沿岸付近の海面の水は南西から北東方向に流れます。この流れが転向力(コリオリの力)によって右に曲がり南東方向に流れることになります。
ということは、沿岸付近の海面の水は外洋に向かって流れることになります。
この外洋に向かった海面の水温を補うように海底からの冷たい海水が湧き上がってきます。このために海水温が下がる、となります。


このような現象は、千葉だけに限らず他のエリアでも発生します。
これからの季節も、波情報の水温やウェット指数をきちんと確認するようにしてください!