筆者は”サーフィン歴”こそ20年以上になりますが、休日とウネリが合わなきゃその都度ブランクが空いてしまう所謂休日サーファーで、残念なことにレベルも中級に産毛が生えた程度です。ピークはやはり時間に余裕があった学生時代で歴2〜3年目の頃だったでしょうか…。
サーフィンをはじめた頃は、ケリーやマチャドなどASP黄金世代と言われるレジェンドがランキングを席巻する時代で、サーファーの多くがそれに憧れて薄くて細いショートボードを愛用していたと思います。
筆者もそのクチで、知人のお下がりのショートボードでサーフィンをはじめ、以来ずっとパフォーマンス系のショートボードを愛用してきました。
転機となったのはそこから遥か先となる2017年。
ロブ・マチャドがFirewireからGo Fishというツインフィッシュを発売し、それが大きな話題となり(同年SIMAアワードを受賞)そのボードに試乗させてもらった時でした。それはもう、何というか目から鱗で青天の霹靂の衝撃的な体験でした。
まず、なにから何まで「全部速いっ!」パドル、テイクオフ、ダウンライン…、全て速い。
ボード全体にボリュームがあるお陰か、力を抜いた時に浮くような疾走感もあって普段では無理そうな白波もシャーーと抜けられます。まさに目から鱗です。
逆に、戸惑ったこともありまして、早いテイクオフからそのままスピードをつけていつものようにボトムでターンしようとしても全く出来ません。
ボトムでテールが流れドリフト状態になったり、そうかと思えばスラッシュバックのように鋭角に曲がったりと、超絶スピードはあるもののボトムからポケットに上がれず大苦戦…、ここで自分が今までいかに『レールを使ったターンができていなかった』かを気付かされ愕然とした訳です。これが晴天の霹靂でしょうか。
すぐさまGo Fishをオーダーしたのは言うまでもなく、そこから約1年かけてオーバー40にして『レールワークの猛特訓』を始めました。
Go Fishを購入した当初は勝手に小波用のセカンドボードと位置づけていましたが、とんでもない。サイズのある良い波の時こそ本領を発揮しました。限られた休日に無理なく多くの波を捉えられるので練習にもなりますし、乗りこなすうちにレールを使ったライディングが自然と身についちゃう訳ですから最高です。
さらに、その恩恵は意外なところでも発揮されました。しばらく乗ってなかったパフォーマンス系のボードに乗った時に「もしかしたら、もう薄い板はキツいかな?」と思っていたのですが、これも逆でした。レールワークと体重(重心)の掛け方が正されたせいか、十数年振りにサーフィンの上達を実感しました。ターンはもちろん、癖になっていた無駄なパンピングもなくなり、雑になりがちだったフィニッシュが安定してバシバシ決まる。頭の中で「なんということでしょう」のBGMが流れます。
それ以降、本当にサーフィンのバリエーションも大きく広がり、今ではパフォーマンス系のボードにもツイン+スタビなどのセッティングをしてサーフィン人生2度目のピークを楽しんでいます! もちろん20代の頃より上達していますよ!
長々と語りましたが…、
という話を先日Firewire Japanの試乗会に伺った際にスタッフの方にお話ししたら、ツインフィンと言えばウチにはツインマスターにしてエアリストの中浦“JET”章プロが所属しているので、話を聞いてみませんか? という貴重な機会をいただきました。大変参考になるお話だったので「ちょっとツインフィンに興味が出て来た!」「正しいレールワークに苦戦中」という方にも是非参考にしていただけたら嬉しいです。
FIREWIRE JAPAN 中浦“JET”章プロインタビュー
Q. テールの広い小波用ボードから一般的なパフォーマンスボードまで、キールフィンを含めたツインフィンや+スタビライザーのセッティングを多くされてると思うのですが、その最大の理由はなんでしょうか?
A.中浦プロ
個人的には小回りが効くルースなのが好きなんです
ツインフィンやツインスタビはスピードも出やすく少ないチカラで軽やかに動いてくれるからですかね!
Q. ワイドなスカッシュテールやスワローテール、フィッシュテールのボード(特にフィン回り)の多くに割と深目のVeeコンケーブが入っていますが、フィンセッティングとの関係性について影響やお考えなどありますか?
A.中浦プロ
テール周りがveeは大好きです
特にトップアクションでのフィンやテール周りの抜けが良い気がしますね。
そこに合わせてそのボードの特徴や良さを最大限に引き出せる様に僕はテール周りの抜け感を重視してセッティングしてますね。
Q. 以前の私もそうだったのですが、小波ボードにツインやツイン+スタビでは、一般的なショートボードやスラスタセッティングと比べてパフォーマンス性が劣ると思っている方も多いと思うのですが、中浦プロを見ていると全くそう感じさせません。ツインでのエアも圧巻です。パフォーマンス性について優越などお考えはありますか?
A.中浦プロ
むしろ僕は基本ツインが多いですね
最近では新しいケリーさんの新しいモデルFRK+でもMサイズのトライフィンにセンターをTWIN+2の大きい方をセンターに装着したらとても良かったです!
それくらいルースな感じが好きなんですよね。
Q. 私は約1年間Go Fishを愛用し、それなりに乗りこなせたと感じた後にパフォーマンス系のボードに乗った時に「むむ! 劇的にサーフィンが上達しとる!?」と40過ぎて大興奮した経験がありまして、、初心者の方はもちろんですが中級から、なんなら上級者の方でもさらなる上達のステップアップのツールとしてツインやツイン+スタビを使用するメリットなどもあるのでしょうか?
A.中浦プロ
そうですね。
サーフィンの上達で少し大きなサイズのボードに乗ってからいつものボードに乗るとすごくよく動く気がしますよね。
基本的には沢山の種類のフィンやサーフボードに乗られた方が上達の近道な気がします。
そのときにフィンの特性やボードのアウトラインやロッカー、コンケーブなどご自身に合ったものを探すのも良いと思います。
特にケリーさんのフィンは様々なサーフボードを最高な乗り物にしてくれる大きな役割を果たしてくれます。
毎回、サーフボードと同じようにフィンにも助けられているとおもいます。
いかがでしたでしょうか。センターフィンって、、いりますか?
というのは大袈裟ですが、、インタビューにもあるとおり、やはりツインフィンや+スタビなどのセッティングはサーフィンの幅を広げられるほか、ボードやフィンの特性を活かして自らをステップアップすることもできるんですね。FIREWIREのシェイパーDan Mannも小波向けグロベラーの殆どにVeeコンケーブを採用していて、その水の流れがセンターフィン的サポートを担うことからツイン+スタビやクアッドを推奨しています。
是非とも、休日に波が当たる”限られたサーフィンデイ”に楽にたくさん乗れて、上達もできる! ゆったりしたボードやツインフィン、ツインスタビのセッティングをお試しあれ。全国で開催されている試乗会なども絶好の機会です。
今回文中に出て来たツインフィッシュのベストセラーGo Fishをはじめ、中浦プロ愛用のニューモデル、そしてケリー・スレーターのフィンブランドENDORFINSのツイン+2などの情報はFIREWIRE JAPAN公式ホームページ、または全国の取扱ディーラーで是非チェックしてみてください。
Firewire Japanの試乗会など最新情報は公式Instagramで。
中浦プロのInstagramでは新モデルのライディングや最新フィンセッティングなどもチェックできます!
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
FIREWIRE JAPAN WEBSITE:https://firewirejapan.com/
FIREWIRE JAPAN 公式Instagram:https://www.instagram.com/firewire_jp/
Akira JET Nakaura 公式Instagram:https://www.instagram.com/jet_akira/