米山予報士のウラナミ『台風5号日曜日の後悔~前線ブロック~』

米山予報士

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米山予報士/大学を8年で卒業。その間、勉強などせず、山と海で遊ぶか家に引きこもっていました。当然、就職などまともにできるはずがなく、社会人経験もゼロ。なのに30歳になってしまいました。ただ、山のおかげで天気図に興味をもち、サーフィンをやっていたから気象予報士になれたと思います。サーフィンと気象、波情報の業務を精一杯頑張りたいです。

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こんにちは!夏のような強い日差しになる日が増え、日中に波チェックをするだけでも日焼けをするようになりました。それに伴い、海水温が上昇中。6月8日に気象庁地球環境・海洋部が発表した資料によると、沖縄の南、北緯28度以南、父島近海、南鳥島近海の北緯25度の広い範囲で海面水温が平年よりかなり高くなっているとのことです。(図F)

6月15日現在、全国で梅雨入りとなり(北海道除く)雨の季節となっていますが、あと一ヶ月もすれば台風の発生数が多くなる夏の到来です。

6月10日(日)、台風5号は北緯20度線を越え、南大東島に接近。太平洋側では台風5号のうねりが反応し始め、6月9日(土)に沖縄、10日(日)は宮崎~和歌山でじわじわとアップしてきました。
ただし、数値予報では波高が3mを越えていたものの、南岸の前線周辺では北~北東~東風が強く、波長の長い南うねりをブロック。沖縄以外でクローズしている所はありませんでした。そして、伊豆・湘南では反応が鈍く、日曜日に残念な思いをされた方もいらっしゃると思います。

 

6月10日日曜日の天気図

6月10日日曜日の天気図


 

6月9日(土)の予想では、伊豆・湘南は日曜日の午後に反応し始めるかどうか、確率は50%くらいでしたので、夕方の概況は「大きな期待はできませんが、情報の確認はしてください」という表現での内容にしました。
結果での判断にはなりますが、もっとマイナスのイメージが伝われば期待をさせずに済んだかもしれません。この日、僕が夕方に海に入った時はサーファーの方が多く、サイズはヒザ~腰。台風スウェルというにはほど遠いコンディションでした。
土日など休日に台風の波が当たれば最高ですが、期待して波がない時のショックも大きいと思います。言葉の表現方法を後悔した日曜日でした。

月曜日からは台風5号のうねりがしっかりと反応し、夕方~火曜日にかけて湘南は頭~頭半、十分遊べていました。これは、前線が北上したこと、台風が南海上を通過して東海上に抜けるコースが良かったことが要因でした。もう少し上を通ればハード、下を通ればこれほどサイズはなかったと思うので、ギリギリの絶妙なラインでした。波と同じで台風や前線も過去と同じものはないですね~。セット間隔が長かったのでハードではなく、南西うねりで頭半くらいのセットも綺麗に割れていました。久々にアウトから乗れる波はテンションが上がります。

 

6月11日月曜日の天気図

6月11日月曜日の天気図


 
そして、水曜日も午前中はセット頭くらいのパワーのある形の良い波が続き、オフショアで面はツルツル。鎌倉~西湘まで△が付いて遊べていました。

「終わり良ければ全て良し」と言いたいところですが、言葉の表現方法は大切なことだと身に染みました。

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