波伝説ユーザーリポーターによるトリップコラム「〜1000km先の波を求めて〜」Vol.2

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これは、2020年に実施した波伝説のご愛顧キャンペーン企画『サーフトリップレポーター募集!~一生に一度、乗ってみたい波、サーフィンしたい場所~略してショーイチ』厳選なる審査を経て当選された斉藤有紀様によるサーフトリップの体験記です。

Vol.1はこちらから




DAY.4

いよいよ今日はこの旅のメインイベント!石浦海岸、通称メノウポイントへ行く日!なのだがこの日起こったことはすべてがメインイベント級。

朝8時半、チャッピーさんのボートに乗り込み、忘れられない素晴らしい1日の幕開け☆☆

まずは生まれて初めての“ドルフィンスイム”!!

そもそも私はシュノーケリングすらしたことがない。海=サーフィン、なので今まで目も向けてこなかった。

シュノーケルとフィンを装着し、合図とともに海に潜った。思い出すだけで鳥肌がたつほどイルカがいっぱいいた!いっぱいイルカが泳いでいる。触れそうなほど近くに!(触ってはダメ)そして海が青い。

深い青。海が青い事を体感したのは初めてだ。こんな感じに青いなんて。どこまでも青い。果てが見えず吸い込まれそうだ。きっとこの「青さ」をダイバーさんやシュノーケリング好きはすでに知っていたのだ。うらやましい。いままで知らずに生きてきて人生損した気分(笑)

一緒に潜っていたなみちゃんは、イルカと一緒にイルカのように泳いでいた。シュノーケリング初心者の私はシュノーケルの先が空気中に出ていないと怖いので潜る事ができない、悔しい。私もいつか一緒に泳ぎたい。イルカたちはいっぱい鳴きながらあっという間に泳いで行ってしまった。

もっと見ていたかった。

楽しそうに自由にぐんぐん泳ぐイルカを見ていると幸せな気持ちになる。だからきっと人はイルカが好きなんだと思う。

そして石浦海岸、メノウポイントへ移動中、クジラにも会えた!クジラを見るのも初めてだ!千葉北にスナメリはよくいるけれど。初めてのクジラ。まさにくじら!という感じの尾びれの写真を撮ることができた。イルカとはまた違う迫力だ!

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そしていよいよメノウポイントへ!

本来は岬を上って降りて1時間ほど歩かないとたどり着けないポイントだ。

1時間かけて行って波がなければそのまま1時間かけて帰ってこなければならない。往復2時間。それでも波を求めて山を越える、私たちはリアルサーファーだ!!と言いたいところであるが、今回はほんとうに特別に、山越えなしに、ボートで連れてきてもらう事ができた。

感謝以外なにものでもない。風向きは合っていないものの波はある!あぁついに来た!メノウポイント!夢がかなった瞬間だ。インサイドにリーフ。これは特に気にはならない。ビーチはこじんまりとしている。目の前は緑豊かな断崖絶壁。サンクチュアリだ。固有種の植物やハトを守っている。このメノウポイントもなんだがサンクチュアリの一部のような気がしてきた。

風はあるのになんだか静かに感じた。波はムネカタたまに大きいのが来る。レフトに行きたいところだが2本連続ライトに乗った。インサイドでそっとリーフの上を歩いてアウトに戻る。一人にやけてしまう。夢がかなって幸せだ。みんなも楽しそうでさらに幸せだ。同じ波は二度とない、全てが唯一の波、とはよくいうけれど、そうなるとその瞬間瞬間も唯一無二だ。

この日この瞬間を4人でシェアしたことを絶対に忘れない。

徐々に波数も減りつつあるのでちょっと早めに切り上げ、世界遺産「南島」に向けて移動開始。

南島は東京都認定ガイド同行でないと上陸できない。チャッピーさんの案内でいざ上陸。
上陸ポイントにある「鮫池」にはじまり固有の植物から鳥さんのねぐら、半化石化した無数のかたつむりに亀の卵の抜け殻などなどなど、一度に消化しきれないほどの光景が広がる。

特に外洋とつながる扇池、時間帯にもよるのかもしれないが水面がキラキラと輝いてとにかくきれいだった。水の色も青というより水色寄りで輝き的にはサファイアというよりアクアマリン。とにかく美しい水色だ!おもわず動画撮影。きらめきがはんぱない。砂も白くて柔らかい。時が止まったような静かな島だった。私たちしかいないという特別な瞬間だったからかもしれない。

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そしてここで過ごす最後の夜がやってきた。いつでも時間はあっというまにすぎてゆく。皆で夕飯をともに。旅はいつでも出会いと別れ。寂しいけれど出会えた喜びの方がおおきい。



DAY.5

ついに最終日の朝。

あっという間に最終日。思いっきり波乗りして帰るぞ!と言いたいところだけど波は無い!!(笑)

これぞ島トリップ。

なので、もう一度各ポイントをこの目に焼き付けよう!とさっそく出発。波がないとは分かっていても、ポイントチェックはやっぱり楽しい。他の何にも似ていない楽しさだ。道中ブタジョンポイント、小湊海岸の近くにある、コーヒーショップ、USKさんに立ち寄った。

なんでも国産のコーヒーを飲めるという話だ。日本のコーヒー豆は99%が輸入で、国産のコーヒー豆は超希少!

その上ここ小笠原にて、日本初のコーヒーの試験的栽培は始まったらしい(私調べ)。国産コーヒー、かなり貴重なようだ。

飲むのは生まれて初めて。さっそくオーダー。コーヒーの味を伝えるのはかなり難しいと思う。ワインの味を説明するぐらい難しいと思う。

が、あえて頑張って書いてみると、フレッシュでフルーティーで透き通った味わい、だった。雑味がなく、ティーという感じもする。コーヒー好きの方、ぜひ飲んでみてほしい。

各所ポイントを巡り中心地に戻りそのままお土産購入タイム。お塩やパッションフルーツなどを買い込む。他にも特産品は、島唐辛子やレモン製品、ラム酒や島トマトなどもある。お土産物屋さんは充実している印象だ。

残り時間もあと僅か。寂しい気持ちがいっぱいの中、お世話になったチャッピーさんに最後のご挨拶だ。

なんとお昼ご飯にと島寿司をいただけた!!

一緒にレイも!

なんでもおがさわら丸出港後、湾を出る前にレイを海に投げこめばまた島に戻って来ることが出来るそうだ。こんな嬉しい贈り物他には無いと思う。また来てねと言ってもらえた気がする。この時点で感涙。編みたてのレイは青臭く、重たかった。それがまたなんとも嬉しい。
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いよいよ出港の時、デッキの外で最後の景色を眺める。本当に多くの人がお見送りに来てくれている。絶対にまた来られるよう、思いっきりレイを投げようと思った。

そしておがさわら丸の出港と同時に多くの小型船がいっせいに動き出した。なんと、ずーっと手を振りながら並走してくれている。何隻もの船が。ずーっと大きな声でまたねーと叫んでくれている。

なにやら涙が止まらない。

何の涙かもわからないけど。悲しいのかうれしいのか寂しいのか。とにかく皆が涙ぐんでいた。思いを込めてレイを海へ投げ入れた。きっとまた来る!最後の1隻が見えなくなるとそこはもう大海原。東京竹芝に向かって、また24時間の船旅の始まりだ。



DAY.6

この旅を通じてやっぱり海っていいな、サーフィン最高だなと思った。思えば初日、竹芝桟橋にて“初めまして”をして始まった2人旅。たくさんの出会いがあった。皆サーファー同士、という事もあり、不思議と初対面を感じることはなかった。もともと知り合いだったかのように話し出せる。

例えば普段、買い物をしていてそのあたりにいる初対面の人に「何買ったの?」と聞くことは多分ないと思う。

でもサーファー同士なら、「今日どこにはいったの?」「どんな波だった?」と自然と話せる。サーフィンという共通言語がある限り、世界中どこへ行っても。サーフィンって素晴らしい。これからも出会いを大切にしながら生きていきたい。

この旅で出会えたみんなに出会えて本当によかったと思う。本当に全て、ありがとうございました。

最後に。。。お気づきかもしれないが今回、波の写真が1枚もない。ぜひ小笠原へ行って波をその目で確かめてきてほしい!

きっと最高の時間をすごせるはず。

斉藤有紀

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