突然ですがみなさん、小学生のころに理科の授業で蚕(かいこ)を学びましたか?
小3の長女が、学校で蚕を育て繭(まゆ)から糸を取り出す実習をしてきたようです。
もうすっかり記億が忘却の彼方へ消え去っていますが、教室の片隅で、ひたすら桑の葉を食べる蚕、繭人形を作ったこと、横浜のシルクセンターに見学に行ったことなどをかすかに思い出します。
学校の蚕は繭になると、冷凍され、熱湯で茹でられ、繭の中のサナギを殺してしまいます。
そんな繭をお湯につけると、繭からきれいな生糸を取り出すことができるようで、長女は缶に糸を巻き付けたものと、繭を一つ持ち帰ってきました。
しばらく家の片隅に、糸が巻き付いた缶と繭が放置されていた、ある日曜の朝・・・
ん・・・?
んん・・・・?
1回前を通り過ぎたあと、思わず二度見しました。
なんと、繭を突き破り、真っ白な蛾が誕生しているではないですか・・・
根本的に虫が嫌いな私と娘は、絶叫。
野に放とうと思いましたが・・・
ググると、
・蚕は野生ではぜったいに生きていけないように改良されている
・蚕蛾は羽根はあるけれど飛べない
・蛾になったら何も食べない
・羽化してから3日~1週間ほどで死んでしまう
糸を取るだけのために改良されて、卵を産ませるか糸を取って繭のうちに死んじゃうかのどちらか・・・
成虫になれるのがごくわずかと。
家族会議の結果、この状況で息抜いてきた蚕を、ほんの少しの日数ならばと、最後まで見届けようと我が家に置いておくことにしました。
なにげに、よく見るとかわいい顔をしていて、少し愛着がわいてきました。
(虫が大丈夫な方、「蚕 成虫 かわいい」で検索してみると、きっとこの気持ちわかるはず)
長くはないと思っていましたが、
寿命と言われた3日を過ぎ、
1週間を過ぎても・・・
ちょこちょこと動いていました。
モスラの「モッシー」「モっくん」と子供と名前もつけて愛着もわいてきたころ・・・
ちょうど2週間後、動かなくなっていました。涙。
繭から成虫になったのは、クラスでも我が家だけのようです。
儚い一生の中でも、生命力を見せてくれたモッシーでした。
ちなみにシルクのネクタイを作るには、蚕の繭が140個必要だそうです。
せつなくも、学びの初秋のことでした。