緊急提言『台風スウェルを甘くみない!!!』

☆加藤

☆加藤
会社代表であり、波乗りと海が大好きなサーファーです。子どもたちに安全安心な海を残すことと、島国などへ高精細な気象情報を提供することを残る人生のライフワークにしました。サーフトリップネタが多くなりますがお付き合いいただければ幸いです。よろしくお願いします。

2021.8.1(日)12時の予想天気図

昨日(25日)・今日(26日)と、私のホームである鎌倉七里ガ浜正面ポイント周辺では、それまで届いていた台風6号からの南西スウェルに加えて、台風8号からの南東スウェルが加わり、たまのセットはワイドで危険なオーバーヘッドサイズとなりました。

ベテランサーファーがサーフボードを2ピース(真っ二つ)にしたり、リーシュコードが切れたロングボーダーがへの字との間にある駐車場の危険な凹地に流されて他のサーファーに救助されたり、ビギナーがインサイドの腰~腹サイズの波に揉まれて溺れかかってベテランサーファーに救助されたりと、重大なアクシデントにはならなかったものの危険因子が徐々に増してきているのをひしひしと感じていました。

そのような事故にならなければと心配していた矢先、友人サーファーから後輩が某エリアのポイントの頭半オーバーサイズの時に、自分の板を頭部にヒットさせて意識を失って溺れて亡くなってしまったとの悲しい知らせが届きました。

事故は、事前に予想できないからこそ事故になります。また海で意識を失えば、どんなストロングスイマーでも重大な事故につながってしまいます。
今年はコロナ禍によって自宅で過ごす時間が増えて、体力が衰えているのに気が付いていなかったり、また波に揉まれて20秒以上海面に出れない状況に慣れていないサーファーが多いのではないでしょうか。

さらには、昨日から始まった東京五輪のサーフィン競技の熱きネット中継に触発されて、数年ぶりにサーフィンする方も少なくないかもしれません。
同じ波でも台風からのグランドスウェルは、波のパワーがとても強く、さらに台風8号のように接近してくるケースでは、サイズ・波数が増して一気に危険なクローズアウトになることが多々あります。

過去のオリンピック開催年を調べると、ほぼ台風スウェルの“当たり年”でした。
今年の台風の発生数は、7月26日現在8号と例年に比べて少なめですが、日本の南海上の海水温は高く、エネルギーが溢れている模様です。添付の予想天気図は8月1日正午のもので、まだ不確定要素が多いのですが、台風8号の次に同地域で次の台風が次々と発生するかもしれないことを示唆しています。

『チャレンジと無謀は天と地ほどの差がある!!!』
かつて、実力のないサーファーが台風スウェルにチャレンジするという無謀な挑戦を戒めるために、私が注意喚起した言葉です。絶対に無謀なパドルアウトは戒めてもらいたいし、海に入る前に自分の力量をよく見極めて欲しいものです。事故防止のためにサーフィンを諦めることは、救命につながるとても大切な判断です。
サーフィンの神さまジェリー・ロペス氏が、かつてサーフィンワールドに書いてあった格言を思い出します。
『サーファーは、必ず海から家に帰ってこなければならない!!!』
 
結びとして、海や波のことを良く知るベテランサーファーの皆さまへお願いがあります。
もしも無謀なチャレンジをしようとしているサーファーを見かけたら、ぜひ注意してあげてください。あとで悲しい事故の知らせを聞くのもつらいですし、後悔するのも避けたいですからね。
遠慮なく“優しい声掛け”をどうぞよろしくお願いいたします。
2021年後期において、少しでも早くコロナが収束し、東京五輪・パラリンピックが無事に終了し、海の事故が出来る限り少なく終えられることを心からお祈り申し上げます。(文責 ; ☆加藤)

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