上條将美のウラナミ『新しいボード、新しいフォーム』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

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こんにちは、上條将美です。
記録的に寒かった2月が終わり、3月に入った途端一気に春めいてきた今日この頃、皆さんはどうお過ごしですか。
本格的なサーフィンシーズン突入も、すぐそこまで来ていますが、最近は日中の気温が上がるので、まだ水温は低いものの1月2月に比べればずいぶんとマシになってきています。前向きに海に向かってみましょう。

さて、シーズン突入前に、今年も相棒をオーダーさせていただき、つい先日出来上がってきました。相棒とはもちろんサーフボードのことで、今回は6’0と5’9のボードを作ってもらいました。
先日、1年に1回の健康診断が終わった油断から体重が少し増えてしまったので、厚さはいつもの 2½ ですが、若干浮力を増してもらいました。
6’0のボードのイメージは、オーバーヘッド~頭半以上のパワーのある波や、台風の時などのリーフブレイク用です。こちらは、ボードの軽さや大きすぎる反発は必要ないので、PU素材、いわゆる通常のフォームを使って削ってもらいました。
サイズは、6’0 × 19 × 2 ½  ラウンドテールです。

そして、5’9の方は、5’9 × 19 ¼  × 2 ½ ラウンドスカッシュテール。
腹~頭オーバーくらいまでをイメージしました。こちらは、そこまでのサイズや波のパワーを想定していないので、ある程度のボードの軽さや反発を必要とします。そこで、最近は5’9以下のボードでは必ずEPSフォームを使用しています。
ただし、これまでは、なるべくPUのボードに近いようにストリンガーは木のものを選んでいましたが、今回のボードはフォームを硬くしたような新しいストリンガーのものを試してみました。フォーム、ストリンガーの素材で大きく変わるのが、ボードの”しなり”です。
条件や好みなどによって一長一短ですが、ライディングには大きく影響します。
今回の新しいストリンガーは木ほどの硬さはないので、それを補うためにデッキとボトムにカーボンを入れることによって”しなり”を調整してみました。
自分のザックリとした感じ的には、”しなり”が硬いと反発力は大きくなるものの、”しなり”を生かしたターンの伸びは悪くなる。柔らかいと、反発力は弱まるものの、”しなり”でターンの伸びを生かしやすいイメージです。こちらは、波のサイズやパワー、ボードへの力のかけかたなどによっても好みや、その人に合う合わないが変わりますので、あくまでもイメージとなります。

5’9のボードはまだ一度しか乗れていないのですが、今までのEPSのボードとまた違う”しなり”、乗り味でターンも軽く、良い感じでした。
最近は短い幅広の浮力のあるボードや、EPSのフォームのボードに乗る方も多いと思いますので、よろしければボード選びの参考として頭にインプットしておいてください。

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