唐澤予報士のウラナミ『台風予報が進化しました!』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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皆さま、台風情報が進化したのをご存知でしょうか? 

現在、台風の予想ができるのは気象庁のみとなっております。これは、気象業務法という法律で、「台風の進路等に関する情報は、気象庁の情報の解説の範囲に留める」となっているからです。気象庁は、緊急性の高い災害現場で無用な混乱を招く可能性があるとして「防災情報は一元化が重要」という立場をとっているため、弊社のような民間の気象予報会社が独自の予報を発表することはできなくなっています。

すでにご存じのかたもいるかもしれませんが、そんな気象庁の台風予想ですが8年ぶりに進化しています。

まずは今年の3月から、台風の強度予想がこれまでは3日先までだったのが5日先まで延長されています。今までも5日先までの進路予想は発表されていましたが、強度については3日先まででした。しかし、この3月からは強度予想も5日先まで発表されるようになりました。

さらに、6月からは進路予報が改善され、予報円及び暴風警戒域をより絞り込むとともに、予報の信頼度をより的確に表現する形で発表されるようになりました。ざっくりというと、台風の予報円がいままでよりも小さくなることになります。

誤解されている方もいるかもしれませんが、台風の予報円の大きさ=台風の大きさ、ではありません。台風の予報円とは、台風の中心が70%の確率で入ると予想される範囲となります。台風の予報円が小さいということは、それだけ台風の予想進路が絞られているということになり、逆に台風の予報円が大きいということは台風の進路が定まっていないということになります。

この二つの進化は、平成30年に運用を開始した新しいスーパーコンピュータの利用や数値予報モデルの改良及びその利用手法の改善によってもたらされています。

さて、それでは、気になる波の予想は……となりますね。ただし、「サーフィンの波」というのは、デジタルで表現しきれないので、いわゆる「サーフィンの波予想」というのは一朝一夕に発達できるとは思えません。そうはいっても台風の予想が発達した分、波浪の数値予想も進化はしているので、今までよりも良い情報・予想を伝えられると思います!

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