唐澤予報士のウラナミ『ザクとは違うのだよ、ザクとは!』

唐澤予報士

唐澤予報士
唐澤予報士:1991年、沖縄でサーフィンを始める。(スノーボードも開始)  1993年、初めてフルマラソンを完走。1999年、気象予報士資格を取得し登録。現在に至り、一児(娘)の父です。

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40歳代男性なら5割以上の方はわかると思いますが、タイトルはランバ・ラル大尉の有名なセリフ。(わからない人はグーグルやウィキペディアで、グフやランバ・ラルで検索してみてください。ちなみに設定ではランバ・ラルは宇宙世紀0079年では35歳。今の自分よりも約10歳も年下……。) 初見から40年近くが経ちますが、あの青いモビルスーツにはまさにしびれさせられました。あれ以来、青いものは特別だという40歳代の男性も多いのではないでしょうか。(当然、赤や黒が特別だという方もいるでしょう。何のことかわからない方は、とりあえず「赤い彗星」「青い巨星」「黒い三連星」で検索してください)

そして、青くてしびれるといえば、「カツオノエボシ」。今年もついにあの「青い巨星」が浜辺に現れました。5月に入ってからは、例年よりも太平洋高気圧の勢力が強くて南風が吹きやすい状態が続き、この南風に乗って相模湾の浜辺にもカツオノエボシが運ばれてきました。写真は、5月17日(木)に湘南辻堂海岸に打ち上げられていたものです。ちなみに、「エボシ」は烏帽子に形が似ていることに由来していますが、「カツオ」は相模湾周辺で初ガツオが揚がる時期に重なることからきているそうです。(なお、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは、江戸中期の俳人・山口素堂が、江戸の人々が春から夏にかけて最も好んだものを詠んだ句です。ここでいう初鰹とは鎌倉周辺で採れるカツオで、「まな板に 小判一枚 初鰹」・「初鰹は女房子供を質に置いてでも食え」と言われるほどの人気でした。)

このカツオノエボシですが、触手から刺胞という微小な毒針が発射されます。これに含まれる毒が炎症や痛みを引き起こします(まさにヒートロッド!!)。なお、この毒針の発射は物理的な刺激によっておこるので、砂浜に打ち上げられて乾燥・死んだものからも発射されることがあります。また、カツオノエボシで一番怖いのは、刺されたことによってパニックに陥り溺れること。なので、カツオノエボシに刺された際には、まずは落ち着いて岸に戻り、海水で洗い流すか、手袋をするか棒切れなどの素手以外で体に絡み付いている触手を取り除いてください。その後は皮膚科などの医療機関で診察することをおススメします。

そして、気を付けなければいけないこと。「クラゲに刺されたら酢をかける」と思っている人もいるかもしれませんが、実は酢が聞くのはアンドンクラゲやハブクラゲです。カツオノエボシに酢をかけると、その刺激でさらに毒が出てしまい、症状を悪化させてしまいます。決して酢をかけてはいけません。なので、次の言葉で締めさせていただきます。「アンドンとは違うのだよ、アンドンとは!」

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