上條将美のウラナミ『カツオノエボシ』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

カツオノエボシ

こんにちは、上條将美です。

こちら湘南では、例年に比べて水温の上り方が遅いものの、気温はだいぶ暖かくなり、日差しも強くて、長く海に入っているとかなり日焼けするので日焼け止めが欠かせなくなってきました。また、季節的に干満の差も大きくなって潮回りによる変化も楽しめるようになっています。

 

その一方、この季節ならではと言えば、招かれざる客であるカツオノエボシですよね。5月末のオンショアが吹き続いたあと、同日に湘南の波情報リポーターである米山予報士によって辻堂で、G◎Daによって由比ヶ浜でそれぞれカツオノエボシの漂着が確認されました。

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最近では、テレビでも危険生物として取り上げられることが多くなりましたが、実際に刺された方は少ないかもしれません。

自分は、過去3〜4度刺されたことがありますが、最初に刺された時が一番強烈でした。それは、小学校5〜6年生の頃。時期もちょうど今くらいだったと思います。シーガルで入っている方もいれば、スプリング、または海パンで海水浴をしている方もいました。そこそこ楽しめるサイズのある、特に強くないオンショアコンディションの中、自分はシーガルで入っていたのですが、ゲッティングアウトの途中で腕にこれまで経験したことのないような激痛を感じました。すぐに腕を見ると、デッカいカツオノエボシが腕に丸々乗っかっています。そのあまりの激痛に考える余地はなく、瞬間的にもう一方の手でカツオノエボシをむしり取っていました。ただ、やっかいなのは、カツオノエボシの足は細くて弱く、浮き袋の部分をむしり取っても、刺さった触手はそのまま腕に刺さったまま残ってしまいます。

あまりの激痛に自分では何もできず、一緒にサーフィンをしていた父親に一本一本触手を取ってもらいました。無数の細かい棘が腕に刺さっている感じで、取ってもらうときでもかなり激痛でした。

その時は相当ひどかったようで、少しすると脇の下のリンパ節まで痛くなって1時間くらい寝込んで動けなかったです。

また、瞬間的にむしり取ってしまったことで、腕の肉も少し一緒に持っていかれたようで、刺さった所は少しへこみつつ、まるで濃い青いタトゥーを線状に何本も入れたかのように1ヶ月半ほど痕が消えませんでした。

 

ただその時は、自分のことで必死で気づきませんでしたが、触手を素手で取っている父親も間違いなく刺されていたのですが、それにも関わらず躊躇することなく触手を一本一本抜き、一言も痛いと言わないどころか少しも痛い素振りも見られませんでした。

振り返ると、自分も同じ立場だったらできるかなと改めてこの年になって思います。

 

なお、もしカツオノエボシに刺されてしまったら、『海快晴』に対処法が書かれていますので、ご参照ください。

 
https://www.umikaisei.jp/news/surflegend/47596
 

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