
「純度100%の暗闇」を歩いたことはありますか?
数ヶ月前、私は一切の光が遮断された世界を体験できる施設「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を訪れました。ご存じない方に簡単にご説明すると、ここは暗闇のプロフェッショナルである視覚障害者の方に案内されながら、完全に光を遮断した空間を進み、五感やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテインメントです。
ツアーの前に、スマートフォンや時計など、光を放つものはすべてロッカーへ預けるよう案内されます。理由は徹底した暗闇を作るため、そして万が一落とし物をした際に捜索が不可能だから。そんな緊張感のある説明を受け、いよいよ旅が始まります。
一歩足を踏み入れると、そこは本当に「何も見えない」世界。頼れるのは手にした一本の白杖(はくじょう)だけです。 暗闇の中、私たちは目的地を目指して進みます。詳細は伏せますが、電車に乗ったり、森を歩いたり、建物で休憩したり……視覚が閉ざされた状態で行うすべての日常動作が、新鮮で刺激的な冒険へと変わっていきます。
ツアーの最後、参加者同士で感想を語り合う時間がありました。そこで驚いたのは、全員が同じ空間にいたはずなのに、頭に描いていた景色がまるで違っていたことです。それぞれが心の中で全く異なる情景を見ていたのです。目に見える情報がないからこそ、個々人の想像力や感性の違いがより鮮明に浮き彫りになるのだと、深く実感させられました。
そしてもう一つ、大きな気づきがありました。 何も見えない環境だからこそ、近くにいる人にとても素直に頼ることができたのです。 ただ、それは「全員が同じ暗闇にいる」という共通の前提があったから。もし、自分一人だけが暗闇にいたとしたら、これほど素直に誰かに助けを求められたでしょうか。おそらく、孤立を恐れて難しくなっていたはずです。だからこそ困っていそうな人がいればこちらから声をかけてあげる!が大切ですね!
今回の経験では、誰もが同じ条件で不自由さを共有しているからこそ生まれる、不思議な一体感と安心感がありました。
日常の枠を飛び越え、感覚を研ぎ澄ますサクッとした非日常体験。 いつもと違う視点(あるいは、視点を持たないこと)で世界を見つめ直したい方に、心からおすすめしたい場所です
最後に、皆さんは最初の画像でどんな景色を想像しましたか?
ご家族や友人にも聞いてみてください!
