最近、一宮周辺でも刺された方や目撃情報を耳にする“カツオノエボシ”。
分類的にはミズクラゲやエチゼンクラゲなどとは系統が違く、ヒドロ虫類に属する群体性の生物です。
複数のポリプ(浮袋、消化器官、触手などの役割を持つ個体)が集まって一つの生物のように見えます。
一方、一般的なクラゲ(ミズクラゲやエチゼンクラゲなど)は刺胞動物門の鉢虫綱に属し、単独で生活する単体の生物です。
“カツオノエボシ”と一般的なクラゲは見た目は似ていますが、分類学上も生態学上も異なるみたいで、違うタイプのクラゲみたいなヤツってことですかね!笑
そんな“カツオノエボシ”ですが、初めて刺されたのはオーストラリアのバイロンベイで、着いた初日の最初のパドルアウトで、すぐ足に違和感がありました。
もちろんまだ波にも乗ってなかったので、そのまま我慢して入ってましたが、足もどんどん痛くなり気分も悪くなり、早々に海から上がりました。
波が良かったにも関わらず、厳しい洗礼を受けました。笑
その後も滞在中に合計3回も刺されてしまいました。
特に2回目は、パドルしていた腕に絡んでしまい、腕が取れたかと思うくらいの衝撃と“バチンッ”という音がしました。実際は聞こえてないと思いますが。
まさに“電気クラゲ”です。オーストリアでは“ブルーボトル”と呼ばれていました。
このウラナミを書いてる7月18日もサンライズでカツオノエボシに刺された方がいらっしゃいました。
幸い大事には至らなかったみたいで良かったです。
海に入ったりビーチを見てもソレらしい物はいなかったですが、数日前にも東浪見で目撃情報があったり、刺されたという話を又聞きしたりするので、まったくいないワケではなさそうです。オンショアが吹いた後は注意が必要ですね!
実は、自分は去年サンライズで刺されてしまいました。笑
もう4回目となれば応急処置も慣れたものです。
まずはサーフィンしたい気持ちを抑えて、すぐに海から上がります
放っておくと毒がリンパに回り腕に刺された場合はパドルが困難になるかもしれません。
刺された箇所が広範囲な場合は、痛くてサーフィンどころではないかもしれませんが。
触手が残っていたら取り除く
触手が残っていたら取り除いた方がいいですが、不用意に刺激を与えてしまうと刺胞から毒が入った刺糸が発射されてしまうので、注意が必要です。
タオルを使ってそっと取り除きましょう。
熱いお湯で温める
カツオノエボシの毒はタンパク性なので、熱で不活性化できます。
毒の完全失活には72℃の熱が必要らしいですが、可能な環境であれば火傷しない程度の熱いシャワーを20〜30分くらいかけましょう。
難しい状況であればサーフショップや飲食店の方にご協力をお願いしてもよいかもしれません。
炎症を抑えるステロイド成分とかゆみを抑える抗ヒスタミン成分が入った薬を塗る
腫れが酷いようであれば冷やして良いですが、ドラッグストアで買える市販薬を車に置いておくと安心です。
長年車に積んでいて、使用期限が2015年と、とっくに切れていました。
とりあえず効果はありましたが、さすがに買い替えました。笑
自分の場合は、上記の応急処置をすれば大丈夫でしたが、症状が酷いようでしたら病院の診察をおすすめします。
ただ、怖いのがアナフィラキシーショックです。
最初に刺されると抗体が作られて、2回目に刺されるとその抗体がアレルギー反応を起こします。
症状は個人差がありますが、呼吸困難になったり、意識を失ってしまったり、海の上ですので最悪の場合死亡事故につながってしまう可能性もあります。
1度刺されたことがある方は注意がさらに必要ですね。
対策としては、刺されなければ良いのでカツオノエボシの目撃の情報があるときはウェットスーツ着用が良さそうです。
海の中では浮袋に注意し見かけた場合は離れましょう。
ビーチに打ち上がって死んでいるものでも、刺激があると刺胞から刺糸が発射されてしまうので、触らないようにしましょう。
死んでいても刺激があると自動的に刺胞から刺糸が発射されてしまうのを考えると、
クラゲ避けローションはカツオノエボシには効果がなさそうな気がしますね。
また、夏になるとエイの大量発生することがありますが、エイの毒もタンパク性なので熱いお湯が有効です。
梅雨が明けて夏本番がスタートしました!
今年の夏も安全にサーフィンを楽しみましょう!