Rachael Tilly, Team USA / Photo: Pablo Jimenez
極上の波が舞台となった2025年ISAワールド・ロングボード・チャンピオンシップ(WLC)の5日目。エルサルバドルの名ポイント「エルスンサル」には、クリーンな4~6フィートのライトブレイクが押し寄せ、男女ともにメインラウンド3およびリパチャージ(敗者復活戦)が行われた。
米国・ティリーが女子ハイポイントを記録
アメリカ代表のレイチェル・ティリーは、女子最高となるヒートスコア16.33を記録し、シングルウェーブでも今大会最高タイの8.50をマーク。これまで銀メダルを2度獲得してきたティリーだが、今大会では念願の金メダルを狙う。
「こんなに素晴らしいコンディションでサーフィンできて本当に嬉しい。冷静に、楽しむことを第一に心がけました。今回は“エクセレントレンジ”を出すことを目標にしていたので、達成できて嬉しいです」(ティリー)
ブラジルが4人全員メインラウンド残留でチーム優位に
現時点で唯一、4名全員がメインラウンドに残っているのはブラジル。チーム順位争いで大きなアドバンテージを持つ。フランス、アメリカ、フィリピン、ペルー、アルゼンチンもフルメンバーを維持して上位をキープ中だ。
元世界王者のロドリゴ・スファイア(BRA)は「15年前の金メダル以来、次の金をブラジルにもたらすために努力している。戦略的に、冷静に挑んでいく」と語り、4度目のISA挑戦へ意気込みを見せた。
若き才能の活躍も
14歳のマラ・ロペス(PHI)は、ブラジルのルアナ・ソアレスらを破り堂々の進出。ロングノーズライドでベテラン勢に引けを取らないパフォーマンスを見せた。
一方、ディフェンディングチャンピオンのカイ・サラス(HAW)は、わずか2本のライディングでヒートを制し、試合時間8分を残してビーチに戻る余裕を見せた。2本目のライディングでは8.40を記録。
「いいハングテンをして、思い通りのサーフィンができればそれで満足。2本の波で納得できたし、暑いからもう上がっちゃいました(笑)」(サラス)
男子ではエスキベルJr.と井上鷹が魅せる
2023年銅メダリストのロヘリオ・エスキベルJr.(PHI)は、バックハンドでの鋭いノーズライドを連発し、17.20のハイスコアでラウンド通過。これを上回るシングルウェーブ9.33を出したのは、日本代表の井上鷹。2024年銀メダリストの井上は、ロングノーズライドとインサイドでのターンを組み合わせた洗練されたライディングを披露した。
また、フィリピンのクリサント・ビリャヌエバは、残り15秒で波に乗り、4.50を叩き出して劇的にメインラウンド進出を決めた。
リパチャージはサバイバル戦に
女子リパチャージ3では、プエルトリコと韓国の両代表が姿を消した一方で、Sive Jarrard(ASA)、Liv Stokes(CAN)、Margarita Conde(COL)が好スコアで勝ち上がった。
男子は2・3・4ラウンドが進行し、34名が脱落。トム・ブリーン(IRL)とクリントン・ゲスト(AUS)が1日で3ラウンド突破という快挙を達成。また、前日2ラウンドから出場していたスティーブン・ニュートン(USA)とサーフィエル・ギル(ARG)もラウンド5へ駒を進めた。