
太平洋側、北・東日本、九州・沖縄で暮らしている人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、北陸~山陰に住んでいる方には馴染みのある冬の気象現象としてJPCZというものがあります。
JPCZとは「日本海寒帯気団収束帯(にほんかいかんたいきだんしゅうそくたい、Japan sea Polar air mass Convergence Zone)」の略です。冬季に日本海で形成される、長さ1,000km程度にわたる気団の収束帯のことを言います。
冬の日本海では、暖流である対馬海流などの影響で比較的暖かい海水の上を、寒気団の冷たい風が通り抜けることで、背の低い雪雲(乱層雲)ができます。この雪雲は筋状に何十本も平行に並ぶのが普通です。しかし、この筋が平行ではなく、一定のラインで衝突することがあります。このような日本海の雪雲がぶつかっている所をJPCZと呼びます。
このウラナミを書いている2026年1月1日にも隠岐島付近にJPCZが発生しています。


JPZCの発生要因は、最高で2,700mを越える朝鮮半島北部にそびえる白頭山やその周囲の長白山脈の高い山により、寒気の気流が強制的に二分され、再び合流するときに収束するためとなっています。この収束部が、しばしば小さな渦(カルマン渦、擾乱)が発生し、次第に低気圧が発生することもあります。(動画は済州島の南で発生したカルマン渦となります)
このJPCZは大雪をもたらすことが多くあります。通常の日本海側の雪雲+低気圧の雪雲となるためです。北陸西部、山陰に大雪をもたらすことが多く、JPCZが内陸にまで入り込むと東海地方や近畿地方の都市部にも大雪をもたらします。東海道新幹線の運行に影響を及ぼすこともあります。
そんなJPCZですが、日本海側にグッドウェーブをもたらすこともあります。冬期の日本海側は、西高東低の冬型の気圧配置によって北西寄りの風波が強まって大荒れとなり、西高東低の冬型の気圧配置が緩んで風波が落ち着きながらまとまるというのを繰り替えします。冬期の日本海側の良い波を当てる基本は、西高東低の冬型の気圧配置が強まり、西高東低の冬型の気圧配置が緩んで風が弱まって風波が落ち着き始めたころを狙う、というのが基本となります。ただし、このJPCZが発生すると、多くの所は西高東低の冬型の気圧配置によって北西寄りの風波が強いものの、弱い低気圧によって一部では限定的にオフショアとなっていて、波が整っている、なんていうことがあります。冬の日本海側で良い波を当てるなら、「西高東低の冬型の気圧配置が緩む時を狙う」+「JPCZによりオフショアとなっている場所・時間帯を狙う」となります。
ただし、JPCZの正確な予想は難しい上に、上述しているように大雪となるので交通機関が麻痺することがあります。天気予報で「JPCZ」という言葉が聞こえたら、数値予報を細かく確認しつつ、交通情報も確認するようにしましょう。
