さらば、ネオプレン。 パタゴニアからネオプレンを使用しない世界初のウエットスーツを発表【特集】

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パタゴニアは今シーズンより、レインフォレスト・アライアンスによるFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)認証を受けた農園からの天然ラバーを原料とし、再生不可能な石油由来のネオプレンを使用しない世界初のウエットスーツを発売している。これにより、メンズ、ウィメンズ、キッズを含む米国モデルのフルスーツの全コレクション21製品がユーレックス天然ラバー製になった。

ウェットスーツの素材を再生可能な天然ラバーに置き換えることにより、工場で大量のエネルギーを消費する従来製法に比べ、製造工程において二酸化炭素の排出量が80%削減される。
また、耐久性、弾力性、伸縮性といった天然ラバーの機能的特性はウェットスーツに理想的で、これまでのネオプレン製のウェットスーツと同等かそれ以上の機能を発揮する。
さらに、価格は従来のウェットスーツとほぼ変わらない。今までの常識を覆す、クリーンで機能的なウェットスーツが登場した。

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【ネオプレンとは?】
「ネオプレン不使用」その響きは新鮮だが、果たしてネオプレンとはいったい何なのか?
1930年にデュポン社によって開発され、現在ではネオプレンとして知られているこの物質は、原油由来の石油化学製品ブタジエンを塩素処理して重合することによりはじめて製造された。この加工の産物がポリクロロプレンと呼ばれる素材だ。この新たな発明が商業的成功を収めるであろうことを正しく予知したデュポン社は、1936年にその商品名「デュプレン」をより華やかな「ネオプレン」に改名。その後何年かにわたって製法には二次的な調整が加えられたものの、同社によれば今日のネオプレンは「1950年以来基本的に不変」であると表明されてる。

それからまもない1951〜52年には、ネオプレンをベースとしたフォームがはじめてサーフィンやダイビング用のウェットスーツに縫い込まれた。その保温効果によりサーフィンは世界で最も寒い海岸にまで拡大し、ポリクロロプレンはそれ以来ウェットスーツの主要素となってきた。しかしそこには2つの問題が内在する。それは、石油または石灰岩からネオプレンを生産するためにはエネルギーを大量に消費するということと、その材料は再生不可能であるということだ。
そういった意味でウェットスーツは、日常生活で使われている製品がどのように作られているかという事を人々はほとんど知らない、ということの一例である。

【天然ラバー】
それでは、パタゴニアが新たにウェットスーツに使用している天然ラバーはどのようなものか?
それは、グアテマラの高地で栽培される「へベア」という木から採取される樹液が原料となっている。
へベアの木は長らく世界中の自動車や飛行機のタイヤを含むラバー製品の原料となっていた。しかし、へベア農園のほとんどは森林伐採によって切り開かれ、有毒な枯葉剤を使用し、環境悪化の一因になっている。世界のラバー製品の需要はますます高まっており、今後10年間でさらに850万エーカー(約344万ヘクタール)にものぼる土地が新たにゴム農園化される必要があるとも予測されている。

F16_Yulex / Photo Rights Expire December 31, 2017.

パタゴニアの使用している天然ラバーは、レインフォレスト・アライアンスによるFSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)認証によって多くのへベア農園のように環境悪化の一旦を担うものではない事が保証され、さらに未来への資源確保に貢献している。

具体的にはどうようなことなのか?
次回、パタゴニアの天然ラバーはどこから来るのか?

波伝説ではユーレックス天然ラバーについて3回の特集で掲載をいたします。
次回は8/24掲載予定!こうご期待!

 

ユーレックス天然ラバー製ウェットスーツ
http://www.patagonia.jp/yulex-natural-rubber-wetsuits?waad=Z9aRNglU

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