2019年台風15号・19号による千葉南地域の海岸浸食について

1

この度の台風15号・19号で被害に遭われた方々に、謹んでお見舞いを申し上げ、哀悼の意を表します。

ニュース等で報道されたように、千葉県では台風15号・19号により甚大な被害がもたらされました。大規模停電や断水、家屋の倒壊や道路の寸断など、過去に経験したことのないような突風に見舞われ、大きな爪痕が残りました。

弊社スタッフ定点観測撮影による台風上陸前後の海岸の様子となります。

鴨川エリア・マルキポイント

2019年7月の様子。(台風15号の前)

2019年7月の様子。(台風15号の前)

遊歩道から砂浜に降りるコンクリートの階段があり、砂浜は広く、海まではなだらかで平らな状態です。

2019年9月の様子。(台風15号の後)

2019年9月の様子。(台風15号の後)

街は電柱が倒れるなどの大きな被害を受け、駐車場や国道128号にも波が押し寄せるという状況でした。砂が駐車場まで入ってきたため、砂浜に降りるコンクリート階段部分が埋もれています。砂が押し上げられ手前は高くなっている模様ですが、波打ち際に向かって緩いスロープになっています。

2019年10月の様子。(台風19号の後)

2019年10月の様子。(台風19号の後)

波打ち際から、海に深く落ち込んだ地形に変わっています。いわゆる『ドン深』です。腹〜胸サイズのうねりがあっても満潮時は割れなくなってしまい、サイズが大きい時のショアブレイクは強烈です。また、波打ち際の土手の部分を乗り越えてきた波は、水たまりのようにとどまり、地形の異様な様子が伺えます。

和田エリア・白渚ポイント

2019年7月の様子。(台風15号の前)

2019年7月の様子。(台風15号の前)

2019年9月の様子。(台風15号の後)

2019年9月の様子。(台風15号の後)

2019年10月の様子。(台風19号の後)

2019年10月の様子。(台風19号の後)

南房総市(和田エリア)では、建物や屋根の被害が特に深刻で、竜巻が通過したのではないかと思われるほどの状態で停電と断水も長期間続きました。

海岸線は、瓦礫こそ多く打ち上げられたものの、写真から砂浜の変化は少なかった様子が伺えます。しかしながら、川から流出した砂が沖にとどまった模様で、台風前と台風後ではアウトのブレイクに変化が見られました。

台風前 : (沖の地形が深いため)ファーストブレイクのみで消えてしまう。
台風後 : (沖に砂がついたため)インサイドまでつなげられる。

千倉エリア・千倉ポイント

2019年7月の様子。(台風15号の前)

2019年7月の様子。(台風15号の前)

川を境界に、右奥の砂浜が平らでビーチが広がっています。

2019年9月の様子。(台風15号の後)

2019年9月の様子。(台風15号の後)

右奥の砂がなくなり、かなり手前まで波が打ち寄せています。

2019年10月の様子。(台風19号の後)

2019年10月の様子。(台風19号の後)

川を境界に右奥ではビーチの部分がさらに少なく、一番奥では護岸に波が直接打ちつけており、周辺は岩の露出も顕著になっています。台風前後では、川の右側と左側で砂のつき方が大きく違っている様子が伺えます。

千葉県だけでなく多くの地域では、現在も復旧に向けての活動が続いています。
今回の台風を機に、お住いの場所のハザードマップも参考にして、ご家庭・職場・学校等の防災・避難計画を策定することをおすすめします。
https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/publicate/index.html?code=1

最近の記事

関連する記事