「今の波はキョウイチだったね!」
良い波に乗った時に周りの人からこう言われると、嬉しいですよね。
今日一番の波に乗れた喜び。それを見て共感してくれた人がいる。
ところが、すごく良い波に乗ったにもかかわらず、誰も見ていない事ってありませんか?
結構あるあるだと思います。
セットが何本か入って、皆がそれを目掛けてパドルする。一人ずつ乗り、乗れなかったら次を狙う、そうこうしているうちに、アウトに一本だけ超特大の波が来る。
皆は手前の波に夢中で後ろを見ていない。もしくは、最初の方の波にライディング中なので見ていない。結果、自分が超特大の波に乗ったところを誰も見ていなかった。「キョウイチ」大きい波に乗っているのに…。
海から上がって「今日のあの波はデカかった」と話しても「え〜、今日はせいぜい頭くらいでしょう」と言われて「イヤイヤ全然、余裕で頭半くらいはあったでしょ」となるけれど誰も見ていないし、確かにそのたった一本だけで後はほとんど頭くらいの波だった。
そうすると、何だか自分の記憶を疑ってしまう。…でも、そんなはずはない、確かにテイクオフした。それなのに、皆の反応は鈍い。まるで、自分が大げさに言っているみたいでカッコ悪いので引き下がります。
他にも、チューブを抜けれた!とか、チョットだけかぶった?とか、そんなライディングの時は、乗り終えて誰か知り合いが見ていなかったかとキョロキョロ探してしまうものの、ほとんどの確率で誰も見ていません。それも、あるあるだと思います。
時には知らない誰かが遠くからたまたま見ていて、親指を立てて「good job」的な合図をくれた事もありました。そんな時は「今のは現実だった」と安心して記憶に刻み込めます。
今日一番の「キョウイチ」、明日には明日の「キョウイチ」があり、きっと毎日「キョウイチ」が存在する。
一生で一番の波に乗れたら…『ショウイチ』
今年の8月、自分にとって今までのサーフィン人生の中で『ショウイチ』になるかもしれない波に乗りました。
とにかく難しい波で、サイズもパワーもあって、セットはほぼチューブだし、失敗するとギザギザのリーフに叩きつけられることになるし、3拍子も4拍子も揃った、スーパー緊張するコンディション。 そこで一本だけメイクできた波を奇跡的にビデオに撮ってくれていたのでした。
その日入っていたごくわずかな人しか知らないですし、時が経てば「あれは現実だったのか」と半信半疑になる可能性もある。
しかし、その波は証拠映像がある。テイクオフからプルアウトまでたったの7秒程度の出来事でしたが、確かに乗った事実が記録されている。
危険な場所なので、もうこの時を超える波には今後乗れないかもしれない…。でも、チャレンジはするつもりです。
しかし、そもそも波を当てる事も難しいし、今度は記録に残る保証もない。
なので、私にとっての『ショウイチ』はこの映像になりそうです。
小さな「キョウイチ」の積み重ねで、『ショウイチ』を少しでも塗り替えられたらいいな、と思います。
そして、来年も怪我なく健康にサーフィンができますように!!
皆様も、素敵なサーフィンライフを満喫してくださいね。



