上條将美のウラナミ『2020 新種目競技』

上條将美

上條将美
上條 将美:小学生4年から全日本選手権で連続入賞し、ジュニアで優勝、世界選手権に日本代表で2度出場後、19歳でプロになり、20年間にわたってシードをキープし、2012年に引退。最高ランキング5位。2011年サーフレジェンド入社。

皆さん、こんにちは上條将美です。
2020年、こちら湘南ではこの冬は記憶にないくらいの暖冬のようで、例年の2月のこの時期には夜明け前チェックや朝の早いチェック時には、波伝説のチェックマンが目安としている湘南大橋の気温がマイナスになっていることが何回かありますが、今年はまだ経験していません。
また、海水温も比較的に暖かく、ブーツ、グローブをしていない方も多くいるくらいです。そんな、サーファーにとって優しい冬となっている今日この頃、皆さんはどうお過ごしですか。

さて、サーフィンが新種目として加わった「東京オリンピック 2020」の開催が徐々に迫ってきましたね。これによって、サーフィンがよりメジャーに、盛り上がることを期待したいところですよね。

そんな2020年、自分にとっての新競技といえば「スノーボード」です。
サーフィンをされている方でも多くが楽しまれているようで、スキー場に行くと、サーフィン関係のステッカーを貼っている車を見たり、周りから聞こえてくる会話にもサーフィンのことが話題になっていることが多々あります。

アラフィフになってからスノーボードを始めるのは「今さら感」がありますが、プロサーファーとして活動していた時期は、「スノーボードはとにかく怪我をするから控えた方が良い」と言われ、何よりもスキー場に行く手間や時間、交通費がネックに感じて行くことはありませんでした。
ただ、興味がなかった訳ではなかったので、スノーボードにハマっている先輩に連れられて一昨年に初めて行くことになりました。それでも、自分の感覚的にはスノーボードを上手くなる、真剣にやるという感じは全くなく、なかなか会うタイミング、揃うタイミングを作れない30年くらいの付き合いになる高校の先輩との同窓会的な楽しい時間を、ビールを飲みながら過ごせれば最高だなくらいに思っていました。

スキー場に着き、ウェアを着替え、ボードの付け方を教えてもらい、ボードに固定していない片方の足でスケートボードのようにプッシュをして進み、言われるままにすぐにそのままリフトに乗りました。そして、リフトを降りる時はボードを進行方向に真っ過ぐに向けて固定していない足をボードに載せながら降りる。滑り方とターンはサーフィンと同じ、止まる時はエッジを使って「シャッ!!てやれば止まれるから」という説明を残し、先輩たちは颯爽とゲレンデを下って行きます。
いやいや、サーフィンと同じ?!。「シャッ!!」て何?!。典型的な初心者あるあるです。
スノーボードの初日のイメージがあまり良くなかったことは言うまでもありません。

そして、先日、この冬にしては最強の寒波が日本に流入するという日に再度スノーボードに行くことに。
自分としては、この日でスノーボードに対してケリをつける日かなと感じていました。前回同様、スキー場に着き、ウェアを着替え、リフトに向かいます。ただし、自分にはわからないのですが、この日は土曜日にして、今シーズン最強の寒気というグッドコンディションだったのか、けっこうな混雑でリフトはかなり並んでいます。
そこで、先輩の判断で山の一番上まで行けるゴンドラに乗ることになりました。そして、ゴンドラを降りていざ斜面を見ると、ゲレンデ斜面の角度が急で自分には普通に降りれる気が全くしません。そんなコースですから周りのお客さんはもちろんそこそこのレベルで鋭いターンで滑って行きます。コースは幅が狭くなったり横が崖みたいになっている所もあり、自分のレベルでは横向きにエッジを引っかけて下るのが精一杯。四苦八苦というかメチャメチャ怖く、とてもではないですが、ターンを練習する状況ではありません。へたりこんで座ってばかりであまりにも時間がかかるので申し訳なく思い、先輩達には自分は下るのに時間がかかるので、先に行ってまた戻ってきた時に再開しましょうと約束し、先に行ってもらいました。
どうにかして2/3ほど下る頃には体力・精神的にも限界になり、そこにあったレストランに逃げ込むことに。もう、この時点では残りの1/3を下れる自信もなく、二度とスノーボードに来ることはないなと思っていました。
その後、再度下ってきた先輩達と連絡を取ってレストランで再会、一緒に昼食を摂ることに。疲れすぎて食欲もなく、普通に喋ろうと努めていたものの、相当に凹んでいたと思います。
見かねた先輩が、レストランから歩いて行ける初心者用のコースがあるからと提案してくれて、そちらに向かうことに。そこは、斜度も緩く、怖さを感じることがなくターンの練習ができました。「あれ?!、スノーボード楽しいかも?!」。2~3度とそのコースを滑るうちに、まだ少し不安なところはあるものの、「これは楽しい!!」となりました。
間違いなく、初心者用のコースに行けたことがスノーボードを続けるか止めるかのターニングポイントになりました。
そして、今は次にスノーボードに行ける日が楽しみです。

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