OGM SHAPEコラム Vol.2「EPSの長所と短所」

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サーフボードの芯材として使われるフォームには、大きく分けてPU(ポリウレタンフォーム)とEPS(発泡スチロール)の2種類があります。

一般的なサーフボードは、PUフォームを芯材にし、ポリエステル樹脂でラミネートして作られています。一方、EPSフォームを使用する場合は、通常エポキシ樹脂でラミネートされます。

それぞれに特徴がありますが、ここではOGM Surfboardsの考えるEPSの長所と短所についてお話しします。

フォーム(芯材)の強度

かつてのEPSフォームは、ビーズ同士の融着が弱く、そのままでは十分な強度を確保できないものが多くありました。
そのため、表面に硬質ウレタンなどを圧着してからラミネートする製法が一般的でした。

しかし現在のEPSフォームは大きく進化しています。

セル構造が安定し、用途に応じて発泡密度を選択することで、PUフォームとほとんど変わらないレベルの強度を持つフォームを使用できるようになっています。



ラミネートの強度

EPSボードに使用されるエポキシ樹脂は、工業材料として見るとポリエステル樹脂よりも優れた力学特性を持っています。
強度試験では、項目によってはポリエステル樹脂の2倍以上の数値を示すこともあります。

もちろん、これは樹脂単体のデータであり、サーフボード全体が単純に2倍強くなるという意味ではありません。
それでも、同じガラスクロス量でラミネートした場合、EPS+エポキシの組み合わせは非常に丈夫なボードに仕上がる傾向があります。



重量の違い

EPSとPUの重量差は、実はラミネート部分ではほとんどありません。
重量差の大部分は、芯材であるフォームそのものの比重の違いによって生まれます。

EPSはPUに比べて圧倒的に軽いため、ボードの体積が大きくなるほど重量差も大きくなります。

そのため、
・ ショートボード
・ ロングボード
・ SUP

という順に、EPSの軽量化効果は大きくなります。

現在、SUPの多くがEPSを採用しているのも、この軽さが大きな理由です。



コンペティションショートボードの場合

体重65kg前後のサーファー向けコンペティションボードを例にすると、

・ PU:約2.2~2.8kg
・ EPS:約1.8~2.0kg

程度で仕上げることができます。


一見すると軽い方が良さそうですが、実際のライダーからは、

・ ターンが安定しない
・ エアリアルの着水時に波から弾かれやすい

といった意見が少なくありません。


では、ガラスクロスを増やして重量をPU並みにしたらどうなるのでしょうか。

今度は非常に丈夫なボードになりますが、

・ 小波では速い
・ 大きな波ではターンが難しい

という評価が増えてきます。

原因の一つは、エポキシラミネート特有の硬さです。

もちろん好みには個人差がありますが、OGMでは5’8″以下のコンペティションボードでは、現在もPUが主流となっています。

一方で、5’9″以上になるにつれてEPSを選ぶサーファーが増え、全体では約40%程度がEPSとなっています。



大きめのコンペティションボードの場合

体格の大きなサーファー向けのボードや、

・ 30Lを超えるボード
・ 6フィートを超えるボード

になると、PUでは完成重量が3kgを超えてくることも珍しくありません。
こうしたサイズでは、EPSのメリットが非常に大きくなります。

ボード自体が軽いため、

・ テイクオフが速い
・ 取り回しが軽い
・ ボードサイズを感じにくい

といった利点が生まれます。


また、このクラスのボードを使うサーファーは体格が大きい場合が多く、ショートボードでよく聞かれる「硬すぎる」という評価もほとんど聞かれません。
そのためOGMでは、このカテゴリーのコンペティションボードの多くがEPSでオーダーされています。

さらに、サーフィンの頻度が少なく、少し大きめのボードでテイクオフ性能やスピード性能を求めるサーファーにもEPSは有効です。
大きなボードであっても重量が軽いため、実際のサイズ以上に扱いやすく感じられます。



ロングボードの場合

現在のロングボードコンテストでは、クラシックマニューバーが重視される傾向があり、以前ほどEPSの使用率は高くありません。

それでも、PUとEPSでは1.5~2.5kg程度の重量差が生じるため、軽快なパフォーマンスを求めるロングボーダーからは根強い支持があります。

実際にOGMでは、ロングボードオーダーの約30%がEPSです。



ミッドレングス・クラシックロングの場合

ミッドレングスやクラシックロングは、競技性能よりもクルージング性能や乗り味を重視するカテゴリーです。
そのため、軽量化のメリットはそれほど重要ではありません。

また、EPSは素材の特性上、

・ 深みのあるティントカラー
・ マーブル模様
・ 高級感のあるグロス仕上げ

など、美しいラミネート表現ではPUに及ばない場合があります。

サーフボードを性能だけでなく、工芸品としての美しさまで含めて楽しみたいのであれば、PU+ポリエステル樹脂の組み合わせは非常に魅力的です。
OGMでも、このカテゴリーのボードの多くはPU素材で製作されています。



OGMの考えるEPS

EPSは決して「PUより優れている素材」ではありません。
また、PUが「古い素材」というわけでもありません。
それぞれに得意な用途があり、ボードのサイズ、求める性能、体格、サーフィンスタイルによって最適な選択は変わります。

OGMでは、単純に素材を選ぶのではなく、
「どんなサーフィンをしたいのか」
という目的から逆算して、最適な素材とデザインを提案しています。

サーフボードは素材選びから始まるのではなく、目指すサーフィンから始まる。
それがOGMの考えるボードデザインです。



ogm shape 公式サイト

ブログページ:EPSの長所と短所


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Vol.1「EPSの浮力についての考察」

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