
湘南・鎌倉エリアの七里ガ浜から稲村ケ崎にかけて、海岸浸食の現状や災害時の避難経路、海沿いを走る134号線の安全面の課題を確認するため、鎌倉の海を守る会と地元の七里ガ浜・稲村ケ崎の自治会が合同で現地調査を行いました。
波伝説も今回の現地調査に同行させていただき、海岸線の浸食状況や護岸・擁壁の損傷、災害時の避難動線などを確認しました。
七里ガ浜・稲村ケ崎周辺は、日常的にサーファーや観光客、散歩を楽しむ方が多く訪れるエリアです。近年はインバウンド観光客も増えており、海岸沿いの安全確保は、地域住民だけでなく、来訪者にとっても重要な課題となっています。
七里ガ浜駐車場周辺ではフェンスや出口の少なさ、災害時の避難動線に課題
現地調査では、七里ガ浜周辺に多くの観光客が訪れている一方で、災害時に安全に避難するための出口や導線が十分とは言えない箇所があることが確認されました。
特に、七里ガ浜駐車場周辺にはフェンスが設置されている箇所も多く、地震や津波などの緊急時に、どこから安全に避難できるのかを事前に把握しておく必要があります。
普段は何気なく通っている海岸でも、いざという時には出口の少なさや段差、フェンス、混雑が大きなリスクになる可能性があります。
岸壁や擁壁の浸食、コンクリート破損も確認
調査では、岸壁部分の浸食やコンクリートの破損、134号線の海岸線沿いにある擁壁の浸食、地下水の漏れ、岩盤の亀裂なども確認されました。
稲村ケ崎周辺では、かつて川が流れていた可能性がある場所もあり、地下水が流れ出すことで浸食が進んでいる箇所が確認されているとのことです。
また、134号線沿いの岩盤の上には、砂岩や泥岩など複数の地層が重なっており、一部では空洞のように見える箇所も確認されました。現地を実際に見ると、地盤や擁壁内部の劣化が進んでいる可能性を感じさせる状況であり、早急な確認と継続的な点検の必要性を強く感じました。
一部では、すでに危険性が高いと考えられる箇所もあり、今後の台風や高潮、高波によってさらに状態が悪化することも懸念されます。
134号線は、日々の波や潮、風雨の影響を受け続けています。
目に見える破損だけでなく、地盤や岩盤、擁壁内部の劣化が進んでいる可能性もあり、継続的な調査と早めの対策が求められます。
管轄が分かれることで、改善が進みにくい現状も
今回の調査を通じて、課題のひとつとして挙がったのが、海岸や道路、擁壁などの管理管轄が、市・県・国など複数に分かれている点です。
そのため、現場では危険な兆候が確認されていても、どこが主体となって対応するのかが複雑になり、改善に向けた動きが進みにくい状況があります。
また、現状では台風や高潮などによって破損した箇所を修繕する対応が中心となっており、事故や大きな被害が起きる前に予防的な対策を講じることが難しい面もあります。
しかし、海岸沿いは日常的に多くの人が利用する場所です。
「壊れてから直す」だけではなく、「危険が見えているうちに備える」ことが重要です。
地元自治会として状況を把握し、陳情書提出へ
今回の合同調査を受け、地元自治会では現状の危険箇所や課題を整理し、市など関係機関へ連名で陳情書を提出していく方針です。
七里ガ浜から稲村ケ崎にかけての海岸線は、湘南を代表する景観であり、サーフカルチャーや地域の暮らしにとっても大切な場所です。
一方で、海岸浸食や老朽化、災害時の避難経路の問題は、見過ごすことのできない地域課題でもあります。
今後も、地域住民、海を利用する人、行政が現状を共有しながら、安全で持続可能な海岸環境を守っていくことが求められます。
海を利用する皆さまへ
七里ガ浜・稲村ケ崎周辺を訪れる際は、海岸線の足元や護岸、崖・岩盤周辺の状態に十分注意してください。
台風接近時や高波、高潮、強風時には、海岸や護岸沿いに近づかないことが大切です。
また、地震や津波などの災害時に備え、普段から近くの避難経路や高台へのルートを確認しておきましょう。
海は私たちに多くの恵みを与えてくれる場所ですが、自然の力と隣り合わせの場所でもあります。
地域の大切な海を未来につなげるためにも、現状を知り、安全への意識を高めていくことが必要です。
サーファーにとっても他人事ではない海岸浸食
海をフィールドとしている私たちサーファーにとって、海岸浸食は決して他人事ではありません。
波が立つ場所、海に入るための浜、地域の景観や安全なアクセスが失われていくことは、サーフポイントそのものを守ることにも直結する大きな問題です。
七里ガ浜〜稲村ケ崎の海岸線で起きている現状を知ることは、これからの海との向き合い方を考えるうえでも非常に大切です。
ぜひ多くの方に、このような課題が身近な海で起きていることを知っていただければと思います。





















































