「WQS・WLQS浜松OPEN」優勝は渡辺壱孔・中塩佳那・井上鷹・田岡なつみ

Men’s & Women’s「ISumatranSurfariis Hamamatsu Open QS 2000」および「SumatranSurfariis Hamamatsu Open LQS 1000

静岡県浜松市・中田島海岸(凧場ポイント)で開催された、Men’s & Women’s「SumatranSurfariis Hamamatsu Open QS 2000」「SumatranSurfariis Hamamatsu Open LQS 1000」。

大会最終日は、サイドオンショアの強風が吹き付け、ジャンクでハードなコンディションに。波のサイズも徐々に上がり、頭〜頭半サイズに達する中、セミファイナルから競技が再開されました。

アウトに出るだけでも苦戦を強いられる状況ながら、選手たちは果敢にチャレンジ。その中でも、井上鷹や田岡なつみといった世界を舞台に活躍するトップ選手たちは、厳しい波にもかかわらず華麗なテクニックを披露し、観客を魅了しました。

すべての参加選手がプロサーファーとしての実力を存分に発揮し、熱い戦いを繰り広げた大会となりました。

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LQS男子ファイナル

井上鷹、Jomarie Ebueza(フィリピン)、塚本将也、秋本祥平の4名で争われたファイナル。

序盤は井上がリードする展開。しかし中盤からは他の選手たちも次々とスコアを伸ばし、順位が目まぐるしく入れ替わる激しい戦いに。

1本乗るとアウトに戻るのが困難なハードコンディションの中、それぞれが体力と戦略を駆使して勝負をかけた。

終盤、Jomarie Ebuezaが安定したライディングでスコアをそろえ、優勝が近づいたかに見えたが――

試合終了間際、井上がアウトから1本をキャッチ。

見事にメイクしたラストライディングは8.33ポイント!
3位から一気にトップへと浮上し、劇的な大逆転で優勝をもぎ取った!

左ひざにはしっかりとテーピング、陸では足を引きずりながら歩いていた井上だったが、海に入ればその痛みをまったく感じさせない華麗なパフォーマンスで会場を沸かせた。

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「WSLにはショートボードの大会も含めて約9年間出場してきましたが、これまで一度も優勝したことがありませんでした。ようやく優勝できて、さらに今後のワールド・ロングボード・ツアーの出場権も獲得できたこと、本当に最高の気分です。」




LQS女子 ファイナル

ファイナルに進出したのは、田岡なつみ、吉川広夏、井上桜、井上楓の4名。

先に優勝を決めた兄、井上鷹の勢いを受けて、兄妹優勝の期待が高まる中でのヒート。だが、序盤からリズムをつかんだのは吉川広夏。ハードなコンディションの中で次々とスコアを重ね、リードを広げていく。

井上姉妹は戦略をインサイドに切り替え得点を狙うが、思うようにスコアが伸びない。田岡なつみもバックアップスコアを伸ばせずに苦戦が続いた。

しかし、必要なスコアは6.17ポイント――
残り時間わずか、誰もがこのまま終了かと思ったラストセットで、田岡がアウトからチャージ。

ラスト1本で見事なライディングを決め、6.50ポイントを叩き出して男子に続く大逆転優勝を果たした!

海から上がり、スコアの発表を待つ間、田岡の表情には疲労と苦しさがにじみ出ていた。いかに過酷なコンディションで、激しいヒートだったかがその姿から伝わってくる。

しかし、逆転優勝の速報が届いた瞬間――
田岡は一転、心からの笑顔を浮かべ、思わず飛び上がって喜びを爆発させた。
その姿には、限界まで戦い抜いた者だけが味わえる歓喜があふれていた。

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「今日はとにかく我慢比べの展開でした。インサイドの波を選ぶこともできましたが、あえてアウトを狙って、エクセレントスコアを狙いにいくと決めていました。最後のあの波がちょうど自分のタイミングで来てくれて、本当に感謝しています。」




QS男子 ファイナル

渡辺壱孔 vs 西優司による一騎打ちのファイナル。

序盤は西が先行し、積極的なアプローチでスコアを重ねていく。対する渡辺もその勢いに応えるように追い上げを見せ、試合は息をのむ展開に。

頭オーバーのビッグウェーブに果敢にチャージし、鋭いカービングから豪快なスプレーを上げるライディング、さらにはショートボードならではのキレのある当て込み――その一つひとつのアクションに、会場からは歓声が鳴りやまなかった。

そして、試合終盤。渡辺が見せた渾身のライディングが高得点を叩き出し、劇的な逆転に成功。

WSL初優勝という輝かしい栄光を、自らの手でつかみ取った。

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「本当にうれしいです。それに尽きます。あの2本のライディングの間、波がもってくれるように祈ることしかできませんでした。」




QS女子 ファイナル

中塩佳那 vs 野中美波による一騎打ちのファイナル。

Sリーグ初代グランドチャンピオン・中塩と、Sリーグファイナルでの優勝経験を持つ野中の実力者同士による、注目のワンオンワン対決となった。

試合序盤、先に主導権を握ったのは中塩佳那。
野中は厳しいコンディションの中、アウトに出るのに手こずり、やや出遅れる展開に。

中塩は荒れた波にも動じることなく冷静な試合運びを見せ、質の高い2本のスコアを揃えて試合をリード。
一方の野中も意地を見せ、ベストスコアでは中塩を上回るライディングを披露するが、バックアップスコアを伸ばすことができずタイムアップ。

中塩佳那が終始安定した戦略と技術を貫き、見事優勝を勝ち取った。

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「本当にタフな大会でした。大会を通して波のサイズやコンディションが大きく変化し、小さい波から大きくて難しい波までありました。でも、ファイナルの序盤で良いスコアを出すことができたので、試合を落ち着いて運ぶことができました。チャレンジャーシリーズに向けて、大きな自信になりました。」




大会では「スーパーキッズ部門」も開催!

小さな体で大きな波に挑むキッズたちは、まるでトッププロさながらのライディングを披露。とても“キッズ”とは思えないレベルの高いパフォーマンスに、会場からは歓声と驚きの声が上がっていた。

その中には、将来のCT(チャンピオンシップツアー)サーファーを彷彿とさせる逸材も。
まさに、浜松の海から未来の世界チャンピオンが誕生する――そんな期待が高まる熱いヒートとなった。

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会場では「濤祭2025」と題して、サーフィンの大会と並行して多彩なイベントが開催された。

スケートボード、キックボクシング、ビーチサッカー、ダンスパフォーマンス、電動モトクロスのデモンストレーション、ライブステージやトークショー、マーケット、屋台、整体ブース、さらにサーファーズイヤーの無料診断まで――ジャンルを超えたコンテンツが勢ぞろい。

週末の浜松・中田島海岸には、老若男女を問わず多くの来場者が集まり、駐車場は早い段階で満車になるほどの大盛況となった。

まさに「サーフカルチャー×ローカルエネルギー」の融合。
この熱気と多様な表現が、浜松から世界へ向けて力強く発信された一日となったのではないだろうか。

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大会結果 ※敬称略

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男子QS

優勝 :渡辺壱孔(わたなべ・いっこう)

準優勝:西優司(にし・ゆうじ)

第3位 :加藤翔平(かとう・しょうへい)

第3位 :足立海世(あだち・かいせい)

女子QS

優勝 :中塩佳那(なかしお・かな)

準優勝:野中美波(のなか・みなみ)

第3位 :脇田紗良(わきた・さら)

第3位 :松野杏莉(まつの・あんり)

男子LQS

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優勝 :井上鷹(いのうえ・たか)

準優勝:Jomarie Ebueza(じょまりー・えぶえさ)

第3位 :塚本将也(つかもと・まさや)

第3位 :秋本祥平(あきもと・しょうへい)

女子LQS

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優勝 :田岡なつみ(たおか・なつみ)

準優勝:吉川広夏(よしかわ・ひろか)

第3位 :井上桜(いのうえ・さくら)

第3位 :井上楓(いのうえ・かえで)




大会結果の詳細はこちらから

大会 HP

https://hamamatsu-open.surfingjapan-int.com/

QS

https://hamamatsu-open.surfingjapan-int.com/qs-heat/

LQS

https://hamamatsu-open.surfingjapan-int.com/lqs-heat/

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