角 勇海(すみ いさむ)選手は和歌山県南紀出身のプロサーファーで、日本を代表するビッグウェイバーです。
2024-2025年のシーズンに開催される世界的なビッグウェーブコンテスト「エディー・アイカウ・インビテーショナル」に、日本人としてオルタネート(補欠)招待される快挙を成し遂げました。
角選手は自身のInstagramで、小学生の頃から憧れていた大会に招待された喜びとともに、「この機会を無駄にせず全力を尽くしたい」とコメントしています。
彼の実力と努力が評価され、世界のトップサーファーと肩を並べる機会を得たことは、日本のサーフィン界にとっても大きな成果といえるでしょう。
今回は角選手に波伝説が独占でインタビューをさせていただき、大会に懸ける思いや、ビッグウェーバーとしての彼の素顔をお聞きしました。
簡単に自己紹介をお願いします。
和歌山県南紀出身
角 勇海(すみ いさむ)22歳です!
普段は地元南紀を拠点に、地元の様々なポイントや国内遠征、海外遠征などをしてサーフィン練習をしています!
サーフィンを本格的に始めたのは小学2、3年生ごろなんですが、父親の影響が大きく、海に浸かったりしだしたのが一歳とかで、大きなロングボードに乗った父と一緒にタンデム(2人乗り)をし出したのが3歳ごろでした。
恐怖心はありましたけど、乗れると楽しいので、波に乗ることには興味津々でした。笑
サーフボードは、父がシェイパーで僕のほとんどのボードを作ってくれています。
普段乗っているボードはとても幅広く、ロングボード、グライダー、ミッドレングス、オルタナティブ、スポンジ、ショート、ガン、アライアなど、長さ、幅、厚さ、部類、のボードにこだわらずに様々な種類のサーフボードを乗っています。
小さい時に様々なボードに乗れ!と言う父からの教えで、色々なタイプのサーフボードに乗ってます!
今回、エディ・アイカウ(The Eddie Aikau Invitational)に選ばれたお気持ちは?
まだ信じられない気持ちです!
僕はまだ若いし、もし招待されたとしてももっと先の話だろうなと思ってましたが、こんなに早く招待されたのがものすごく驚きです。
どんな意気込みで臨みますか?
やるからには全力を尽くすのみです。
自信はありますか?
それなりにはありますが、やはり他の選手たちはすごい方ばかりです。
同じ舞台に立つ以上、自分の全力を発揮することに集中したいと思います。
招待はどのように知らされましたか?
突然でした。
Instagramで大会の公式アカウントからフォローされ、その2日後くらいに「おめでとうございます」とのメッセージが届きました。
文章には「あなたはオルタネート(補欠)選手として選ばれました」と書かれていました。
最終的に目指すところは?
世界中を旅して回るビッグウェーバーになることです。
世界の大会に招待されるまで、何が一番大変でしたか?
やっぱり続けることが一番大切でしたね。
見えない目標に向かって、ただひたむきに取り組む。
それが、今の自分を支えていると思います。
ビッグウェーブって、音を聞くだけでも恐怖を感じますよね。どうやってその恐怖に打ち勝っているんですか?
正直、怖いですよ。
地元でも大きな波が立つんで、それで慣れてきた部分もありますけど、やっぱりトレーニングが欠かせません。
走ったり泳いだり、潜水もします。で、「ここまでやったから大丈夫だ」と自分に言い聞かせて挑むんです。
それでも怖さは完全には消えないですけど、それがまたチャレンジの楽しさでもありますね。
サーフィンにはいろいろな道がありますよね。なぜビッグウェーブを選んだのですか?
僕自身、技術面でコンペティションに向いているわけではなかったんです。
それよりも、父の背中を追いかけたのが大きかったですね。
父がシェーパーで、自分に合ったボードを作ってくれた。その影響で、自然とビッグウェーブの道に進むようになりました。
周囲の影響も大きいんですね。
そうです。
父だけじゃなく、地元のサーファー仲間や先輩方の存在も大きかったです。
みんなすごい世界で戦っている姿を見て、自分もその中に入りたいと思いました。
メンタルトレーニングはどのように行っていますか?
自信をつけることが一番大事ですね。
ランニング、水泳、潜水、息止めトレーニングで「これくらいじゃ死なない」と思えるようにしておく。
それが波と向き合うときの心の支えになります。
ライバルや目標にしている人はいますか?
ライバルというよりも、自分との戦いですね。
「あいつはあそこまで行ったから自分も行かなきゃ」というよりは、「あの波に乗りたい、自分も挑戦したい」という気持ちが原動力になっています。
日本のサーフィン文化についてどう思いますか?
今はコンペティションにフォーカスされていますが、もっと多様な道があってもいいと思うんです。
僕のようにビッグウェーブを目指す人や、無人のブレイクを探す人、チューブライドだけを追求する人。
そういう多様性が増えると、もっと面白い文化になるんじゃないかな。
将来的にはどんな挑戦をしたいですか?
ポルトガルのナザレ、カルフォルニアのマーベリックスみたいな場所で挑戦してみたいですね。
今、少し挑戦し始めているマウイ島のピアヒもそうですが、ただ、そこに至るまでの準備や知識や経験が必要なので、今はその途中段階です。
最終的には、そういうビッグウェーブの舞台で、日本の新しいサーフィンの世界を切り開けたらと思っています。
日本のサーファーに向けてメッセージをお願いします。
サーフィンにはさまざまなスタイルがあります。
それぞれの得意分野を磨いていけば、きっと成果につながると思います。
とても気さくに話をしてくれる勇海選手でしたが芯がしっかりしていて、若いながらもとても尊敬できる人だと思いました。
角勇海選手の活躍に期待がかかります!
インタビューワー:wanda