毎年、夏になると特に多くの溺水事故が発生しています。
下記は、今年4月26日~8月4日までの間に、日本で発生した溺水者の人数です。
毎日2.5人以上が、溺れている計算になります。
実は、溺水時の約半分はカレント(離岸流)が原因という統計も出ています。
ただしこのカレント、悪いことばかりではありません!
危険な現象ではありますが、理解していればサーフィンをより安全で楽しくするために役立てることもできます。
なぜカレントが発生する?
波が砕けると水が岸に押し寄せて水位が上がります。
上がった水は沿岸に沿って沖へ流れ出します。
これがカレント(離岸流)です。
岸に押し寄せた波で水位は上がりますが、カレントがあることで過度な上昇を防いでいます。
カレントの危険性
下記は、溺れの原因とその比率を表す統計です。
自然要因は先でもお伝えした、カレント(離岸流)。
人による要因は泳力不足、疲労、パニックという結果に。
パドルで泳力を鍛え、体力が十分にあるサーファーでも、いざという時にどうすればいいか分からずパニックになることがあります。
だからこそ、カレントの仕組みと対処法を理解し、いざという時に備えておくことが大切です。
本当に怖いのは、流されることよりも、パニックになり判断力も体力も失ってしまうこと。

流れは速いもので秒速2メートル(水泳のトップ選手が泳ぐ早さと同じぐらい)ほどになりますが、ある程度沖まで流されれば流れは弱まります。
流れにはまっていることに気がついたら、まずは落ち着きましょう。
流されてしまったらどうする?
重ねてお伝えしますが、まずは、落ち着きましょう。
慌てて動くと、体力の消耗にもつながります。
冷静になってから行動しましょう。
泳力がある人は、浜に向かって斜め45度の角度で泳ぎ、カレントの流れから抜け出します。
一方、泳力がない人や疲れている場合は、まず浜と平行に泳いでカレントのない波が砕けている場所まで移動し、そこから浜へ向かって泳ぎます。
なお、助けを求めるサイン(片手を大きく振る)は、海水浴場で世界共通のヘルプシグナルです。
十分な浮力を確保できている状態や、流されて浮いていられる場合、あるいは近くで溺れそうな人を見つけた場合など、ライフセーバーに助けを求める際に効果的です。
ライフセーバーがいない場所や季節に救護が必要な人を見つけた場合には、無理に自分で助けに行かず、海上保安庁へ連絡しましょう!
海の「事件・事故」は118番です!
動画でチェック▽
カレントの見分け方
・海底の砂が巻き上げられ、周囲の色と異なり濁って見えるところ。
・波の白い泡やゴミが集まって沖へ向かって流れているところ
・波の崩れる位置が周囲と異なり、波がなかなか崩れにくいところ。
・岩場や突堤のある付近。


カレントの活用
パドルアウトするときには、この流れに乗ったほうが楽に沖に出られます。
しかも、流れができるところは、波も崩れにくくなっているのでドルフィンスルーも楽になります。
どこにカレントができているか。それを見極める力も、上達への一歩です。
今日から海に入る前に、ぜひカレントを探してみてください。
正しい知識と冷静な判断で、さらなるサーフィン上達を目指しましょう!