
先日、波伝説オフィスの斜めお向かいの「マーボーロイヤル」さんの、サーフィンスクールに行ってきました。
マーボーロイヤルといえば、湘南・辻堂の言わずと知れた老舗サーフショップ。
いつもは自己流で由比ガ浜や水族館前などのスネ~コシくらいの優しい波を狙って入る私ですが、今回は“しっかり学ぶ日”。
スクールの一部始終をレポートします。
step1 お店に集合!

当日はお店に集合し、軽く挨拶を交わしてからスクールがスタート。
まずは講師の阿久津さんから、今日の流れ・注意点・全体スケジュールについて丁寧な説明を受けます。
店先から海までは徒歩5分程度。
この時の注意点は、絶対に信号は渡らず、歩道橋を歩くこと。
そのまま海へ向かって歩きながら、「今日の目標」について確認。
サーフィン歴4年の私ですが、波のコンディションによってテイクオフの成功率にムラがあるため、今回のメイン目標は“テイクオフの安定”。
そして密かに、姿勢を整えることと、苦手なレフト方向へのターンも克服したい…という欲張りな追加目標も設定しました。
step2 陸で基本動作を練習
海に到着したら、まずは海を見ながらのレクチャーからスタート。
腹ばいになる位置の確認
海に着くと、まずは阿久津さんが私のボードをチェックしながら、丁寧にレクチャーしてくださいました。
「ポイントはおへその位置。ロングはおへそがちょうどボードの真ん中にくると一番安定するよ」と阿久津さん。
ポイントは、ボードに対して“身体の重心をどこに置くか”。
板がもっとも安定するニュートラルポジションを見つけることが大切とのことでした。
さらに、こんなポイントも。
「海に入ると体が動いちゃうから、ボードのマークを基準に位置を覚えておくといいよ」
「手を伸ばした時の位置で覚えておく方法もあるよ」

今回は自分の練習用ボードを持参していたので、その特徴も解説してもらえました。
〈使用ボード:クライム 9ft〉
初心者でも安全に楽しめるボードではあるものの、
実はノーズロッカーが弱めで刺さりやすい + スポンジボード特有の強い浮力があるため、意外と扱いが難しいタイプとのこと。
自分のボードの特徴をしっかり理解していなかったので、
「どんな板に乗っているのか知ることの大切さ」を改めて実感しました。
パドルの仕方
「頑張るパドルじゃなくて、無駄なく進むパドルをしよう」と優しくアドバイス。
まず教わったのは、この基本の動き。
1. 手をしっかり前に伸ばし、ボードの横をなぞるように“腰まで”漕ぐ
2. 腰まで来たら、横に軽く払って、また前に戻して漕ぐ
「腰より下まで水泳のように漕ぐと、身体の軸がぶれて逆にブレーキになるよ」とのこと。
さらに、パドル中の姿勢についても細かく指導が。
下を向かず、顔を上げてパドルをする。
これまでよく耳にはしましたが、よく理解せずにいた部分でしたが、理由を聞いて納得できました。
「顔を下げると背筋を使わなくなるから身体がブレちゃう。顔を上げることで背筋が働いて、ボードをしっかり押さえられるから進みやすくなるよ」
さらに、
「胸を反ると疲れてしまうから、胸ではなくて顔を上げることが大事」
と、姿勢のコツも分かりやすく教えてくれました。
阿久津さんの実演を見ながら、自分でも動きを真似してみると、いつもよりボードが安定するのを実感。
“頑張らないのに進むパドル”の感覚が少し掴めた瞬間でした。
テイクオフのフォーム
基本姿勢
・手は胸の横に置く
・つま先は伸ばしても立ててもOKだけど、親指の付け根が擦れやすいので“立てておく”ほうが無難
テイクオフの基本ステップ
1.胸を反る
まず板が走り出す準備。視線を上げて体を起こす。
2.おしりを持ち上げる
腕でしっかり支えて、足を動かすスペースを確保。
3.前足をお腹に寄せる
“前足を入れる位置”がとても重要!
4.おしりを引きながら中腰に
バランスを取るためのワンクッション。
5.板が滑り出したら立つ
ターンを狙う人向けのステップも!

1.胸を反る
2.おしりを持ち上げる
3.行きたい方向を向く
4.そのまま立つ(=立った時点でストリンガー中央に足が揃う)
「この立ち方ができれば、立ってから足を組み替える必要がないから、そのままスムーズにターンに入れるよ!」
とのことです!
実際にやってみると難しいけれど、フォームを整えるだけで立ったときの安定感が全然違うのを実感しました。
今日の目標の設定
・まずは沖に出て、並んで波待ちをしながら“波を見る練習”をすること。
「人の動きじゃなく、波そのものを見るのが大切だよ」とアドバイス。
・最初の30分で5本立つこと!
これは私にとってなかなか攻めた目標でした。
でも阿久津さんが「乗る波が来たら教えるから」と背中を押してくれました。
目標を一緒に決めることで、ただ“海に入る”のではなく、課題が明確になった状態で練習がスタートできたのがすごく良かったです。
注意点
テイクオフ時にパーリング(サーフボードのノーズが波に刺さって前のめりに転倒する)が起きると、板が飛んで頭に当たる可能性があります。
阿久津さんからは、万が一刺さったときは「自分の頭にボードが落ちてくる前提で、手で頭をガードする」よう指導を受けました。
なお、フィンが当たるなどの重傷につながる事例は稀で(スクール運営でも年間に1人いるかどうか程度)ですが、起こりうるリスクとして念頭に置いておくことが大切です。
このような安全上の基本事項をひとつずつ確認したうえで、一連の動作を約3回繰り返して練習し、入念に準備体操を行います。
深呼吸で気持ちを整え、いよいよ入水です!
step3 苦戦から、少しずつの成長
辻堂は、私が普段入っているポイントより“掘れやすい波”が特徴的。
足がつく遠浅で、やさしいスネ~コシの波に慣れている私にとって、最初の1時間は正直、失敗の連続でした。
もともとテイクオフが安定しないうえに、今回は重心の位置を変えたことや、波質の違いもあり、なかなか立てず…。
それでも途中から、阿久津さんにボードを押してもらうサポートのおかげで感覚がつかめるように。
そこからは「乗れた波の感覚」をヒントに徐々にテイクオフの回数が増え、少しずつ立った後の姿勢を整える練習へもステップアップできました。

後半は少しサイズも上がり、撮影してくれていたスタッフ3名も入水して一緒にセッション。
気づけば約4時間近く海に入っていました!
step お店で振り返り
技術的なことだけでなく、波の見方やマインドまで含めて学べる、とても濃い時間でした。
今回のスクールを通して感じたこと
・“できない”時間が長くても、続けると急に感覚がつかめる瞬間がある
・波質が変わると、これまでの癖が露わになる
・正しいフォームと重心位置は本当に大事
・できているつもり、が、一番成長を妨げる
・みんなで一緒に入ると一瞬で時間が過ぎる
阿久津さんからのアドバイス
・テイクオフしてから、中腰を意識すること
・パドルはまぁまぁできてたので、自信をもって!
・絶対的に回数をこなすこと。特に、12月にしっかり入っておくと1月2月も耐えられる身体が出来上がる
しっかりと見ていただき、陸に上がってからも丁寧な指導をしてくださいます。
自己流で続けてきた4年間とはまた違う気づきがたくさんあり、改めてスクールの価値を感じた1日でした!
マーボーロイヤルの皆さん、阿久津先生、本当にありがとうございました。
今回のレッスン中の動画は、波伝説instagramの姉妹アカウントにて随時公開します!
マーボーロイヤル
海から上がって着替え、お店に戻り、店長の御堂さんと講師の阿久津さんからお話をお伺いしました。
お店について
先代の小室さん(マーボーさん)が亡くなられたあと、御堂さんがお店を引き継いだとのこと。
お店ではサーフィンスクールだけでなく、SUP(サップ)や海を楽しむさまざまなアクティビティも提供されています。
「サップサーフィン、サップフィッシングもやってるので、気軽に立ち寄ってくださいね!
マゴチもすぐそこで釣れるんですよ〜」と笑顔で話してくれました。
レッスンについて
夏は受講生も多く、一般サーファーも増えるため、インサイド(岸に近いポイント)を中心に、“他のサーファーの邪魔にならない範囲で楽しむ”スタイルのレッスンを行っているそう。
冬は少人数になり、阿久津さんと一緒に沖に出ながら、しっかり練習できるのでおすすめとのこと。
お店ではサーフィンのほかに、脱初心者スクールやSUPスクールも開講しています。
脱初心者スクール
海のルールは1〜2回では覚えきれないため、海に入る前に指示を出し、その1つを約2時間かけて徹底的に身につけてもらうスタイルのスクール。
独り立ちできるまで、注意ポイントや入る場所の選び方までサポートしてくれるのでとても安心です。
女子一人でも安心な理由

店内にあるスクール生のメッセージボードを見ると、なんと書き込みの9割が女性。
彼氏と来る人もいるものの、ほとんどが「一人で来てハマって通う女性」が多いとのこと。
また、YouTubeでスクールの様子も公開していて、自分のライディングを見返せるのも嬉しいポイント。
さらに、月額500円のメンバーシップ向け映像では、ライディングをスローモーションで撮影し、みんなで反省会をしているそう。
“スパルタではなく、ゆるく反省点をいじり合うスタイル”
「怪我なく笑顔で帰ってもらう」がモットーのスクールです。
安全へのこだわり
海までの送迎はなく、徒歩または自転車で移動します。
その理由は「暖かい車内から急に冬の海へ入ると心臓に負担がかかるため」。
海に着くまでにゆっくり心拍数を上げることを大切にしているそうです。
71歳からサーフィンを始めた方や、60代の生徒さんも多く、年代を問わず安心して通えるスクールであることが伝わってきました。
公式HP
予約は電話かwebから
じゃらんネット:MABO ROYAL
マーボーロイヤル電話番号:0466-34-4310
平日: 9:00 AM – 7:00 PM
土日祝: 8:00 AM – 7:00 PM
※定休日:木曜日(祝日を除く)
(7月〜9月は夏期期間は休まず営業)





