パイプラインで若いサーファーの命が救われる

6ca5d504f0da816b8e778775c8b97aef

(スレーターのトリプルクラウン受賞の間に、ノースショアのライフガードが13歳のヘイデン・ロジャースを救出していた)

※WSL公式サイトニュースより引用
https://www.worldsurfleague.com/posts/441898/young-surfer-saved-at-pipeline-moments-after-world-title-decided
Jake Howard
12月20日(金)

ビラボンパイプマスターズの表彰式が行われ、ケリー・スレーターが自身3度目となるトリプルクラウンのトロフィーを受け取る時のことだった。
祝福の空気が一変した。
パイプラインでは、生死に関わる事故が発生していたのだった。
サンクレメンテ在住の13歳、ヘイデン・ロジャースがフリーサーフィン中に酷いワイプアウトを起こしていた。
頭をリーフに打ちつけた後、2度の大波を受けた。

スレーターは、ジョー・ターペルによるインタビュー中に、海の危険な状況を発見。
「誰かがレスキューされています。インタビューの途中ですいません。」と言って観衆にもその状況を知らせた。

彼は、インタビューに戻ろうとしたが、この恐ろしい状況を無視することができず、「皆さん、注意して下さい」と促した。
そして表彰式は中断し、救助活動が続けられた。

全ての観衆は静かにその状況を見守り、全ての目はビーチの救助活動に注がれた。
そして少年の無事が確認された後、表彰式は再開された。

人命救助の当事者となったのは、ハワイアンウォーターパトロールのレジェンドであるテリー・アフエとブライアン・キアウラナであった。
「私たちは、コンテストが終了した後、ブイを撤収しました。大会終了後も、テリーと私はいつも会場をすみずみまで見ているのです。」キアウラナは続けた。
「パイプコンテストの後、同じようなシナリオが今までに何度起こったかは分かりません・・・ショアブレイクからラインナップをすみずみまでパトロールしていました。」

ビラボンパイプマスターズは数分前に終了したばかりで、会場は未だに興奮に包まれていた。
アフエとキアウラナは、まさにその時間、その場所に居たのだった。

数名の若いサーファーたちがビッグウェイブリスクアセスメントグループ(BWRAG)とともにトレーニングを行ってきた。
それは、ケアウラナが設立した救助隊を指導するプログラムで、まさにこのような事故のためのライフガードを養成するものだった。事故の時にもいた数名の若いサーファーは、危険な状況では腕を使って助けを求めるように指導されていたため、ロジャースの事故に気付いてキアウラナを呼び、一度沈んだロジャースを水中から引き上げることができたのであった。

「確か2名の子どもがBWRAGのコースに参加していたと思います。彼らには、片方の腕を垂直に上げ、もう一方の腕でどこに行けば良いかを示すことを教えています。
事故の現場には、女性のボディーボーダーがいました。彼女は水の中にいて、彼を水面まで持ち上げようとしました。そして彼は水の上に顔を出すことができました。」

ビーチまで運ぶと、市や国のライフガードたちがロジャーズへの蘇生を開始した。彼は息を吹き返したものの、顔に大きな傷を負っていた。頸椎(けいつい)の損傷が疑われ、頭部を固定された状態で近くの救急病院へと搬送された。彼は治療中であるものの、完全回復が期待されている。

この出来事で改めてパイプラインでのサーフィンの危険性とライフガードの重要性が認識された。
サーファーとして海に入るならば、命を救う知識と能力を持つことが重要である。
キアラウナとBWRAGにより、次世代にもその技術が伝えられており、ロジャースはまたサーフィンを楽しむことができる。

「今回、皆がそれぞれの役割を果たしました。一つのパーツが大きなものを作るのです。」
「私たちハワイアンは、この分野には長けています。この事故をまた別の機会により良く生かせるようにさらに学んでいくでしょう。」とキアラウナは話した。

最近の記事

関連する記事