4/15 Five Weeks in Tahiti vol-5

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

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Vetea “POTO” David & Tahina @ Teahupoo

 

Five Weeks in Tahiti  vol-5 はジェットスキーアシストを担当してくれたポト編。

Vol-1でも書いたが、今回の合宿で重要なミッション、チョポにおけるジェットアシストは必須。

ワイプアウトをしてインパクトゾーンで喰らい、インサイドシャローリーフに持って行かれ、

遂にはラグーンにまで押し出されてしまったサーファーのレスキュー。

怪我をしたサーファーをいち早くセーフティゾーンに運び、岸に連れて行き、病院の手配。

更にはトウインセッションにおける牽引など、

海の、いや、チョポのスペシャリストでしか成し遂げれない任務を買って出てくれたのが

タヒチアン・レジェンドのポト事ベテアデビットだった。

ポトはタヒチ島のパペーテ出身で、1968年生まれ、現在55歳になる。

タヒチから出た初めてのワールドワイドサーファーで、

WSLの前身であるASP時代には何年もワールドツアーを回りその名を知らしめた。

コンペシーンから離れても生粋のウォーターマンであるポトは、

消防士の仕事に従事しながら多くの人命救助を行い続け、

サーフィンでもトウイン、SUPなどで

チョポを初めタヒチの歴史的なビッグウェイブを乗りこなしてきたマスターと言える。

そんな頼もしい、ナンバーワンのスキルを持ったポトが、

3週間の休みを取って日本チームのためにジェットアシストを行なってくれた。

また奥さんのタヒナさんもライセンスを持つほどのウォーターレディで、

今回はペアでこのミッションに参加してくれた。

初日、波が小さかったのでサーフィンを始める前に

シェレッドへの乗り方、リーシュが切れた時、切れてない時の助けられ方など、

事細かくレスキューのレクチャーを受けた。

これは第1週目から第3週目までメンバーが変わる度に行われた。

チョポの危険度を一番知っているだけに、教えている時の表情は真剣そのものだった。

そして実際セッションが始まると、厳しい眼差しで動向を見据え、機敏な対応をしてくれた。

特にレディースはパドル力が弱く、どうしてもリーフに引き摺られていってしまうので、

その前に助け上げる、最悪ラグーンに入ったら、リーフを乗り越え、ラグーンを迂回し、

ラインアップにまで運ぶといった手順となる。

波がメローな時はまだ良いが、一度チョポが牙を剥くと、一瞬の判断ミスが命取りになりかねない。

それをここまでの修羅場で一番理解しているポトだけに、一人一人に厳しく指導していた。

やはりチョポセッションには母船があり、更にジェットアシストがいればどれだけ安心か、

今回の合宿で痛感した。

そんな中、度肝を抜く出来事があった。合宿第2週目の3月6日のことだ。

波は危険なウエストリーで6〜8プラスはあった。

結果で言うとこの日が合宿中で一番デカくハードだった。

風もウエストリーのデビルウインドが吹き荒れる予報だったが、

前日からポトは長年のナレッジから朝一なら風が緩いのでチャンスがあると言っていたので、

この日は特別に早く、まだ暗い午前5時に桟橋を出て、

まだまだよく見えないラグーンを懐中電灯で照らしながら恐る恐るチョポに向かった。

沖に着くがまだ暗くてラインアップも正確に見えなかったが、

先に着いていたポトが、今日はトゥインをしようと言い出した。

世界的にはもうすっかり普及しているトゥインだが、

日本人にはまだまだ馴染みがないというか、ほとんど無経験状態だった。

それでも今日のようなウエストが強くて、風もバンピーな時はパドルでやるより

トゥインの方が安全に乗れると言うので、まずはやったことのあるマーとレオが先陣を切った。

ロープに引っ張られ、パドルポジションとは全く違う沖で待機。

セットが来るとジェットが動き出し、サーファーを波間に引っ張っていく。

この波の見切り方、ロープを離すタイミングこそが重要で、

先走りすぎてもダメだし、遅すぎても捕まってしまうので、

ドライバーとサーファーの息が合わなければ成り立たないセッションとなる。

安全面からリーシュも付けないので、ワイプアウトしたら板は流れていってしまうが、

まずはダッシュで泳ぎサーフティゾーンを目指さなければならない。

流れた板は後でジェットで拾いに行けばいいとのことだった。

マーとレオが2本ずつ乗ったあたりでサイドオンショアが猛烈に吹き出し一旦ラグーンに撤退。

港で風が落ち着くのを待ちながら、再びトゥイン時のレクチャーを各自受けていると、

再び風が緩まり、すぐさま沖に向かった。

すると丁度チョポローカル・ビッグウェイブレジェンドのマテ事マタヒドローレットも、

フォイルのトゥインでバディと共にやってきた。

つまり俺達と2ペアのトゥインセッションが始まった。

ラグーンで講習を受けたイッコウ、タキ、そしてレディースのココナ、アムロも

次々とジェットに引っ張られ異次元のトゥインを経験することになった。

このローテーションで2周行い、途中からはパドルインも始め、

再びオンショアが吹き荒れるまでサイズのあるチョポでのセッションを続けた。

やはりパドルでは成しえれなかったウエストボウルへのプルインはトゥインならではだったし、

パドルのテイクオフポジションだとフリっキンセットが来ると喰らってしまうリスクも無く、

リーシュを付けてない分、波に引っ張られることがないので喰らいまくるという事も無かった。

でもやはり全てはサーファーを引っ張ってくれるポトのスキルが一番重要なんだと認識、

チョポでトゥインという有り得ない経験をさせてもらったことに感激、

そして合宿中ずっとボーイズ&ガールズを見守ってくれたことに感謝!!

 

 

 

 

 

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言葉の障害はあったが、マーの通訳によってわかりやすく説明された。

 

 

 

 

 

 

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まずは波の無いラグーンでのレクチャー

 

 

 

 

 

 

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しかし現場はまさに戦場、、、、

 

 

 

 

 

 

698650008fc58353711e52eea1de366f c65953db2fca716b83f4f25e250ace67Amuro Tsuzuki

 

初めはためらっていたアムロだが、自分の番が来ると意を決して乗り込んで行った。

 

 

 

 

 

 

e04c6ddd5e38c5622cdd8ebda0c4888bKokona Kawase

 

一方、ココナは興味津々でこのトゥインセッションを楽しんでいたようだ。

 

 

 

 

 

 

fd27af5435275810a2f70f7296f868eeTaki Kanazawa

 

イケイケモードのタキはがっつりウエストボウルをメイクして御満悦。

 

 

 

 

 

 

49d60890181bf4609077bf5392503e75Ikkou Watanabe

 

二巡目で最高の一本に巡り会えたイッコウ。

 

 

 

 

 

 

2d53509af8d7de178690fed721882887 052e3254b0b47e0dac5d9f773e8079e3Masatoshi Ohno

 

写真ではチャンキーコンディションとは思えないほどクリーンに見えるが、

実際はバンピー・ランピーのハードコンディションだった。

 

 

 

 

 

 

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このトゥインセッションでは一番の波・バレルを捉えたレオ。

2週間の滞在で終始波にフィットしていたと思う。

 

 

 

 

 

 

 

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Matahi Drollet

 

ビッグチョポで毎年伝説のライディングを築き上げている、若きライオン・マテ。

最近ではフォイルサーフィンにハマっており、

このチョポでのチューブライディングが世界中の注目を集めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2ef2de9720b0872160c238725bae3340Vetea David & Tahina

 

ポトさん、タヒナさん、お疲れ様でした〜そしてありがとうございました〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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