@ Noosa Heads Sunshine Coast QLD Australia 2006
本日のノースショア、ビッグイーストスエルがラップし、
ノースのヒットしているところで1〜2〜3。
風はきつ目のトレードウインド、天気は曇り〜雨〜たまに晴れ、、、
現在、ムラサキスポーツのヨシオカトモフミ君が、
ノナカミナミちゃんとワタナベマナちゃんを引率してノース入りしている。
プアーなコンディションでも、毎日ノースの何処かで練習している姿は清々しい。
そんなトモ君と彼の現役時代にオーストラリアを旅し、
一つのサイクロンで、ヌサヘッズとレノックスヘッズという、
オーストラリア・東海岸を代表する2つのクラシカルスポットで波をスコアしたことがある。
まずはその時のヌサヘッズ編の手記からどうぞ〜〜
@ Noosa Heads
クイーンズランド州、サンシャインコーストにあるヌーサヘッドは、
オーストラリアを代表する、クラシックなポイントブレイクの一つだ。
美しい森の沸く、ナショナルパークの岬の突端から、
5つの異なったポイントブレイク (granite bay, ti-tree, national park, johnsons, first point) が存在する。
サイクロンスエルなどの、メジャースエルが来なければ、
そのパーフェクションを滅多に拝むことができない、伝説のスポットでもある。
確か、2006年の3月、スナッパーロックの近くに家を借り、
オーストラリアに長期滞在していた、ハヤシケンタを頼って、
トモ(ヨシオカトモフミ)と久し振りにオージートリップを敢行したときのことだ。
クーランガッタエアポート近くの安いレンタカー屋で車を借り、
ケンタハウスに泊まらせてもらい、近場のデュランバーや、スナッパーロック、
たまにはトゥイードリバーを超え、ニューサウスウエールズ方面に行ったり、
バーレーヘッズや、サウスストラッドブロークアイランドに足を延ばしたりしながら、
フォトセッションを重ねて行った。
同時期、スナッパーエリアには、マーが住んでいて、
テッペイやショータ、ユージロー達も居、
アーミちゃん(キタガワナルミ)も毎年恒例のサーフィン合宿を行っていたので、
まさにノースショアスタイルの様に、毎日どこかで誰かと出くわし、
取材/撮影できる環境が整っていた。
オーストラリアならではの素晴らしいサーフブレイクを求めて一日中走りまくり、サーフしまくり、
夜になれば、スナッパーを見下ろす抜群のロケーションに住む、アーミハウスに突撃し、
しこたまビールを飲み、夕闇迫るスナッパーを眺め、酔いが回ったら、帰宅し、
ケンタの作ってくれたディナーをいただき、バタンキューの毎日だった。
そんな旅の後半、サイクロンが発生し、オーストラリア東海岸沿いを、
北から南へと移動していく予報が出た。
正直、ゴールドコーストには、ハワイの様なビッグウエイブスポットが無い。
6~8フィートのスエルが来たら、どこも怒濤のカレントが生じるのは必至。
こんな時どこに行けばいいんだろう?と悩んでいたら、
当時サーファーズパラダイスで旅行会社を経営していた、友人のトム君(日本人だよ)が、
ヌーサヘッドに行きませんか?と声を掛けてくれた。
すっかり俺の視野が、ゴールドコーストに狭められていたのが、パーンと弾けて、
そうだよ、こんな時こそヌーサヘッドがゴーインオフするんだぜ~と、
かつての知識、記憶が蘇って来た。
クーランガッタからヌーサまでは、約250キロの道のりなので、車は一台に絞り、
まず、俺、ケンタ、トモ、アーミ等とで、サーファーズパラダイスのトム君宅まで行き、
彼の4駆の車に乗り換え、そこからフリーウエィで一気にヌーサまでぶっ飛ばした。
フリーウエイはかなりインランドを走るので、あまり海の様子はわからなかったが、
ブリスベンを過ぎてから、高台を走るフリーウエイから遠くにサンシャインコーストの海が見えた。
すっかり、サイクロンスエルによって幾重にも連なるラインアップが、眼下に飛び込んで来た~~
普通のビーチブレイクは、軽くクローズアウトしていることは明らかだ。
いよいよ、ヌーサの大パンピングを拝めるのかと思うと、ロングドライブの疲れも何のその、
再びヴォルテージが急激にアップしていった。
やがて、フリーウエイを降り、ヌーサのツーリストタウンを抜け、
ヌーサヘッドのナショナルパークの中にあるパーキングに辿り着いた。
濃い~森の海沿いに歩道があり、そこを奥の方に向かって行くと、波音が激しくなり、
やがて一つ目のポイントブレイクが見えて来る。
ここは、いまいちサイズもないし、ブレイクもトロトロなので、更に奥へ進むと、
ヌーサヘッドのメインブレイクとも言われる、Ti-Tree の全貌が見えだす。
サイズこそ3~4だが、岩横から砂を巻き上げながらのファーストセクションは、
バーレーヘッズの全盛期の様な形と色合いだ。
テイクオフのホローセクションを抜けたら、後は超ロングライディングが待っており、
パーフェクトに伸びるショルダーを、ボトムターン、リップ、カットバックを織り交ぜながら、
次のポイント、National Park にまで乗り継いで行っちゃうほどだ。
そして、Ti-Tree の更に先には、Granite Bay があり、
ここも、岬の突端からレギュラーのポイントブレイクがマシンの様に転がっていた。
結局、色々チェックしてみたが、Ti-Tree が一番ハードコアなので、そこでサーフすることにし、板、
カメラ、荷物全部を海沿いの岩場に運び、そこをベースにサーフ&シュートセッションに入った。
テイクオフエリアの突端まで、岩沿いを歩いて行き、
セットの合間に岩からジャンプインすると、もうそこはディープテイクオフゾーン。
誰もが岩にくっつくくらいの勢いで、奥に奥に入って来る。
もち、波の知っているローカル優先は当たり前だが、
途中からジェットスキーでトウインまでやりだしたのには参ったね、、、
それでも、ケンタ、トモとも、良い波を捕まえては、オールウエイインサイドまでロ~~ングライドし、
一旦上がり、遊歩道を使って、俺等の居るベースにまで戻り、
一言二言だべっては、また岩から飛び込み、
また、一本の波で300m近いライディングをし、上がって来る、というのを繰り返していた。
ファーストのチューブセクションはおもしろいけど、後はダラダラで、
いまいちリップもしにくく、決まりにくい、ローカルもきついね~、、、
なんて贅沢をいいながらも、何周も何周も、遊園地にいるようにグライドしまくっていた。
一方、アーミちゃんは、首の調子が悪く、ほとんど見学、最後の方でちょろっと入った程度で、
もっぱら俺の話し相手。
友人のトム君は、根っからのサーフジャンキーで、仕事の合間を見つけては、
メンタワイに行ったりするくらいなんで、
今回のサイクロンスエルをヌーサヘッドで出来たことは、本当にストークだったようだ。
俺は、岸からのアクションショットを収めた後は、ラインアップショットを撮るべく、
ポイントをず~と奥の方まで歩いて行った。
さすがオーストラリアのナショナルパークの中だけに、色彩豊かな鳥が飛び交い、
サンシャインコーストならではの暑い陽射し、目に優しい森の緑、
脈々と打って来るサイクロンスエルに、ゴージャスな気分に浸っていた。
海に気を取られ、あまり下を見ないで歩いていた自分だったが、
何故か、何かを感じたのか、足を踏み出した前を見ると、、、、
なんと、見たことも無い、カラフルな虹色の様な、細身の蛇が、道を横切っており、
まさに自分の踏み出した足の着地点にいた~~~!!!
ピクンというか、ギクンと神経が反応し、踏み出した足をグイ~~と更に前に延ばし、
間一髪、この猛毒を持った蛇を踏まず、飛び越すことが出来た。
蛇は全く、俺に反応することなく、道を横切り、再びブッシュの中に消えて行った。
もし、踏んでいたら、もし噛まれていたら、と想像すると、血の気が引く思いだった。
ベースに戻って、このことをアーミちゃんに言っても、
まともに聞いてくれなく、軽くあしらわれる始末。
この戦慄の恐怖心は、ヌーサで俺だけの思い出となった。
そんなこんなで、丸一日ヌーサヘッズで過ごし、また長い長い帰路についた。
年に1~2回ブレイクするかしないかと言われる、
幻のヌーサヘッズのパーフェクションに遭遇できたこと、
毒蛇に襲われなかったことに感謝しつつも、
サーフィンとドライブでへとへとに疲れ切った、友人のトム君に、
明日はレノックスヘッズに行くから、朝4時にクーランガッタに迎えに来る様にと、
鬼の様な指示を出していた自分であった。(笑)
@ Noosa Heads
いよいよ2月も終わり、明日から3月。
ノースはすっかり終わっちまい、舞台はオーストラリア、、、
現在、シドニー・マンリービーチで、ヴィスラシドニーサーフプロが行われ、
メンズはラウンドー3でオオハラヒロトが敗れ、
ウーメンズもラウンドー3でオオムラナオ、マヒナマエダが敗れ、日本人は全滅となってしまった。
そして、いよいよ3月11日から、2018年CTツアーの初戦
クィックシルバープロ&ロキシープロ・ゴールコーストが始まる〜〜〜
すでに12年も前の旅手記だが、写真も文も色褪せることなく、
今もあの時のパッションが鮮明に蘇ってくる。