S.League 2024-2025シーズン グランドファイナルズ開催レポート
S.League 2024-2025シーズンの集大成となるグランドファイナルズが、千葉北・志田下ポイントにて開催された。
すでに年間グランドチャンピオン(グラチャン)が確定しているカテゴリーもあったが、シーズンを締めくくるにふさわしい舞台とあって、各選手が最後の熱戦に挑んだ。
また、来季よりリーグはS1・S2の2部制に移行。ポイントランキングによる振り分けが行われるため、上位進出を目指す選手たちによる熾烈な戦いが繰り広げられた。



大会初日は、志田下らしいチューブセクションも見られる好コンディションでスタート。しかし、時間の経過とともにサイズは徐々にダウンし、千葉北としては珍しいスモールコンディションへと変化した。
それでもトッププロたちは、その状況に柔軟に対応。精度の高いライディングで観客を魅了し続けた。
会場には大型ビジョンやキッチンカーが設置され、地元選手を応援するファンや来場者で大いに賑わいを見せた。さらに今大会では、特別種目としてボディボード部門も同時開催され、ショート、ロング、マスターズ、ボディボードの4カテゴリーが揃う充実のラインアップとなった。



グランドファイナルズ 各ディビジョン結果
ショートボード メンズ 塚本 勇太
R3で惜しくも敗れた稲葉玲王だったが、塚本勇太が最終ヒートで逆転勝利を収めたことで、ポイントランキングが確定。稲葉玲王が初代グランドチャンピオンの座に輝いた。

その塚本はその後、大原洋人を逆転で下しファイナル進出。
決勝では古川海夕との対戦となった。ロータイドによりコンディションがさらに厳しくなる中、互いに的確な波選びで得点を重ねる接戦に。最終的には塚本が再びの逆転劇を演じ、プロ初優勝を手にした。


ショートボード ウィメンズ 野中 美波
年間チャンピオンを確定させていた中塩佳那を、波伝説ライダーの野中美波がセミファイナルで破りファイナルへ。
決勝では川合美乃里との一騎打ちを制し、積極的な攻めの姿勢が実を結んだ形で、野中が堂々の優勝を飾った。
マスターズ 牛越 峰統
牛越峰統、今村厚、佐藤千尋、山田桂司によるファイナル。
リードしていた今村に対し、牛越がラストライドでエクセレントスコアを叩き出し、劇的な逆転勝利を収めた。本人も「これは現実か」と思わず口にするほどの歓喜に包まれた。
ロングボード メンズ 森 大騎
すでにグランドチャンピオンを確定させていた浜瀬海は、完全優勝を目指すもセミファイナルでインターフェアにより敗退。
決勝は森大騎 vs 西崎公彦のカードとなり、森が今季最高得点となる20点満点を叩き出す圧巻のパフォーマンスで優勝を決めた。


ロングボード ウィメンズ 吉川 広夏
田岡なつみと吉川広夏による一騎打ちは、互いにエクセレントを出し合うハイレベルな戦いに。
吉川がわずかにリードを保ち続け、田岡のラストアタックも実らず、吉川広夏が接戦を制した。




ボディボード メンズ 粂 総一郎
大接戦の末、粂総一郎がラストライドで見事な逆転に成功。勝負強さを発揮し、劇的な勝利を飾った。

ボディボード ウィメンズ 我孫子 咲良
4名による混戦となったファイナルを制したのは、我孫子咲良。プロデビュー後、JPBA初優勝という大きな結果をこの舞台で手にした。


初代グランドチャンピオン 一覧
ショートボード メンズ
ショートボード ウィメンズ
ロングボード メンズ
浜瀬 海
ロングボード ウィメンズ
田岡 なつみ
マスターズ
牛越 峰統
澤上 龍氏
表彰式の壇上には、大会メインスポンサーであるさわかみ投信株式会社 代表取締役社長 澤上 龍氏が登壇。
そこで語られたのは、来期に向けたインパクトのある提言だった。

澤上氏は、「チャレンジ無くしては成功なし」という信念のもと、賞金の重要性に言及。「大会の魅力を高めるには、挑戦する選手たちが正当に評価されるべきであり、そのために賞金制度の見直しが必要」と強調した。
さらに、男女やカテゴリー間における賞金格差についても触れ、「さわかみグループとして、特別賞の設置や、賞金の均等化に向けて支援を検討していく」と明言。
この発言には、選手はもちろん、関係者や観客からも大きな拍手が湧き上がった。
スポーツの未来とフェアネスを見据えた力強いメッセージに、会場の空気が一変する瞬間だった。
大野チェアマン

「プロとアマチュアが共に競い合う場がS.Leagueで実現していくことを期待している」と語り、国内ツアーがある国はブラジルと日本2つだけしかない。そんな中にオリンピアンや世界で活躍する選手たちがいる。と未来への展望を語った。
S.League 2025-2026シーズンは、いよいよ2部制(S1・S2)が本格始動する。
S1リーグは、7月・北海道 浜厚真を皮切りに開幕。
S2リーグは、6月・千葉北 井戸野浜で開幕が予定されている。
次なるシーズンに向けて、より進化を遂げるSリーグ。全国のファンとともに、選手たちのチャレンジを引き続き応援していきたい。