砂浜に設置される砂防柵は道路などへの堆砂を防ぐために不可欠なものです。
葦簀(ヨシズ)や竹簀(タケズ)で作られた砂防柵は砂浜の見慣れた景色ですが、問題なのはプラスチックでコーティングされた針金を多用しており、劣化や破損により砂浜に残されているのが目に付くことです。
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マイクロプラスチックなど海洋汚染が世界規模で問題となるなか、2018年鎌倉市由比ヶ浜にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられ、胃の中からプラスチックが発見されました。神奈川県はクジラからのメッセージとして受け止め「かながわプラごみゼロ宣言」を発動し、取組を進めるも県の設置する砂防柵からプラスチックごみを排出していては説得力に欠けます。
「かながわプラごみゼロ宣言、発動」 >>> https://www.surfrider.jp/information/4683/
ビーチクリーン活動でも緑色の針金のゴミは非常に目に付く事もあり、一昨年にはSFJより海岸管理者である県土整備局に対して、プラスチックを使わない砂防柵の設置を提案していました。
「海岸の砂防柵についての要望書を提出」 >>> https://www.surfrider.jp/information/6349/
県土整備局に属する藤沢土木では、提案を受けてプラスチックでなくシュロ縄を使った砂防柵を約50m実験的に設置しており1年が経過したので現場を視察しました。
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残念ながら風雨に耐えられず切れたシュロ縄が散見されましたが、県の姿勢は評価すべきものであり、今後もプラスチックを使わない砂防柵の実験に取組みたいと前向きな話をいただきました。
更にSFJは県に対して、県産木材や孟宗竹などを使用した自然に優しい新たな砂防柵の施工方法を代替え案として提案しました。地元の間伐材を使用することでカーボンオフセットにも貢献出来る可能性があります。また、竹害対策にも一役買える代替え案も提案し、今後、海岸で実証実験を行う予定です。
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サイクリングロードなどに堆積した砂は、行政だけでなくサーファーや地域住民などが積極的に行なっている砂を砂浜に戻す活動により維持されています。
茅ヶ崎市や鎌倉市では砂浜の減少、海岸線の後退により、道路(R134)や下水などの生活インフラが危機に晒されており、人工的に砂浜を増やす養浜事業が進められています。
SFJは市民(NGO/NPO)と行政の協働により海岸線の原風景、ランドスケープの復元を目指します。