【WSLニュース】ファッションから世界観まで異彩を放つ五十嵐カノア

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6月12日WSLニュースより
Bryan Benattou

「カリフォルニアクール」と親しまれ、日本のポップアイコンという地位を確立した五十嵐カノアは、独自の世界観をCTツアーに持ち込んでいる。
家族と長年のスポンサーであるクイックシルバーによる全力のサポートを受けてハンティントンビーチで実力をつけ、五十嵐はサーフィン界のスターダムへと上り詰めた。

ここにクイックシルバーの裏話がある。
まだ彼が少年だった頃、アマチュアでもかなり早い段階でトップランクに位置し、18歳になって2016年のCTツアー入りを決めた。
その年、彼は全イベントでラウンド3進出を果たし、最終戦のパイプラインではGOATに勝ったのち、準優勝という結果を残した。
この間、五十嵐はハイグレードなQSイベントでもいくつかの勝利を手にしていた。

五十嵐は、全力で波に乗る。彼はNSSA時代からハンティントンビーチピアで戦ってきた。流れ、速さ、正確なサーフィンが特徴だが、彼にはプロサーファー以上のものがある。

複数の言語を話す能力

プロサーフィンに身を置くことは、コンテスト、スポンサー関係の仕事、その他にも様々なことで世界各国を飛び回ることを意味する。
五十嵐の場合は、カリフォルニアで生まれたが、日本語を完璧に話すバイリンガルとしてスタートしていた。

そこからは、ポルトガルで多くの時間を費やし、ポルトガル語を流ちょうに話せるようになり、エリセイラとカスケイスに家を買ったほどである。
波の豊富なコーストラインが広がるポルトガルは、五十嵐がトレーニングに明け暮れるには最適の場所であった。

 MEO Rip Curl Proでの五十嵐カノア/ WSL / Damien Poullenot

MEO Rip Curl Proでの五十嵐カノア/
WSL / Damien Poullenot

ファッションと世界観
親友の一人であり、クイックシルバーのチームメイトでもあるレオナルド・フィオラバンティのように、五十嵐はその着こなしにもこだわっている。
2019年GQメンオブザイヤーの「アスリートオブザイヤー」を受賞し、ここ数年はいくつかのファッションショーにも参加し、いつもデュオールを着飾っている。
もしもまだカノアのインスタグラムを見たことがないならば、フォローしてみる価値があるだろう。強烈なサーフィンはもちろんのこと、トレーニング、旅でのストーリー、ジョークを交えたコメントなどを楽しむことができる。

TVスターとして
五十嵐カノアは、11歳の時に日本のテレビ局から取材を受けていた。様々なカメラクルーやテレビ番組が彼のCTでの成長を追い、アジアのセレブリティの仲間入りを果たした。
それ以来、カメラに映えるサーファーとしていくつもの映像や最近始まったレッドブルのALL Inシリーズ・シーズン2を含むテレビ番組に出演している。
「初めてテレビに出たのは日本でした。僕は日本人としてアメリカで育ち、コンテストでも結果を残した時に、日本には僕のことを応援してくれるたくさんのファンがいることを感じ始めました。それから僕の中にある日本人としての自覚が強くなりました。」五十嵐はWhat Youth誌に話した。

オリンピアンであり、世界タイトルを争う男
2019年のCorona Bali Protectedにて五十嵐カノアは日本人として初優勝を果たした。この歴史的な優勝は彼のキャリアを大きく変えた。
「しっかりと準備していたし、クラマスの波は自分にマッチしていると思っていました。優勝することはとても大きなもので、今はタイトル争いができる位置にいるんだとわかりました。今までは全く感じたことの無いことでした。あの優勝は完全に自分の考えやトレーニングの方法を変え、鏡に映る自分の見え方さえも変わっていました。」

このシーズンの後半に、五十嵐は2021年の東京オリンピックに日本代表としての出場資格を得た。
これは、CTツアーの中で最もユニークな選手の一人で、観る者を楽しませ、多才なサーファーである五十嵐にとってふさわしい栄誉となった。

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