【WSLニュース】北極圏で起こったかつてない油の流出

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6月11日The Inertiaの記事を基にしたWSLニュースより
ALEXANDER HARO

6月の始め、ある災害が発生していた。
大量の軽油が北極圏にあたるロシアのノリリスカヤの川で流出した。
この川があるクラスノヤルスク地方は、とても美しく、厳しい天気として知られる人里離れたエリアであり、「グラグ」と呼ばれるソ連の強制収容所があった場所でもある。

この流出は、21,000トンにも及び、環境保護の団体からは史上最悪な出来事だと言われている。
広大に拡がる北極圏の水路はこの油によって汚染され赤く染められているのが確認できている。
専門家は、北極圏においてかつてない最悪の流出が起こったと危機を強めている。

流出は、軽油の貯蔵タンクが崩れ落ちたことで発生した。

アムダルナヤ川はピャシノ湖につながり、ピャシノ湖からピャシナ川にかけて大きなダメージを受けている。
川に流れた軽油は、20kmに及ぶ前に180,000平方メートルの陸地を汚染させ、タイミール半島全体に及ぶ生活に必要な河川が毒と化した。

環境監視員のスベトラナ・ラディオノバ氏は、「前例のない範囲」だと述べている。

プーチン大統領は、災害の規模を考慮し、すぐに州規模の緊急事態宣言を発令。
この流出は、特にロシア北部の気候変動に影響を及ぼす危険性がある。
このエリアでは、数百年の間、永久凍土層に覆われていたものの、急激な融解が始まっている。
ロシアのメディアTassによると、ロシアの気温上昇は、世界平均の2.5倍も速く進んでいるそうだ。
当局は永久凍土の融解が原因であるとし、検事総長は不安定な土地に建てられた建造物の点検を命じている。

ニュースによると、タンクは火力発電所内にあったそうだ。
緊急事態を取り仕切る機関は、「流出が明らかになったとき、発電所の労働者たちは油をタンクに戻すことを試み、そのことは2日間も公に伝えられていなかった。その影響でダメージがさらに拡がった。」
と述べた。
「これはロシアの北極圏で最も大きな油の流出となった。そして、辺鄙(へんぴ)な北極圏では安全の保証がなくなり、燃料を貯めるものもないことは誰もが知ることになるだろう。」

これは、ノリリスクが災害の中心地となったのは初めてのことではない。2018年にNASAの研究により、年間2,000,000トンの二酸化硫黄が放出され、汚染リストのトップになっていたのだ。

当局は永久凍土の融解が原因であるとし、検事総長は不安定な土地に建てられた建造物の点検を命じている。
除染作業には、約100億ルーブル(約160億円)の出費となる。
プーチン大統領は「私たちは日常を取り戻すために必要な手段をとるつもりだ。」と話している。

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