5/24 Review of 2020~2021 Hawaii Winter vol-4

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

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Amuro Tsuzuki @ Sunset Beach

 

今冬コロナ禍の中にあってノースを訪れる日本人サーファーは激減した。

そんな中でも撫子ジャパンの活躍が目立った。

CTオーストラリアレッグで大活躍したツヅキアムロをはじめ、

オリンピック候補選手であるマツダシノ、

同じくオリンピック候補選手の一人であり、ノースショアローカルのマエダマヒナ等、

総計12名の日本人女子プロによるノースアタックの記事です。

 

 

 

A63I9198 A63I2521 A63I4581Amuro Tsuzuki

 

2019年のQSツアーで後一歩の所でクォリファイを逃したアムちゃんだったが、

カリッサが2020年のCTを休むと宣言し、アムちゃんは繰り上げのCT入りを果たした。

しかし世界中未曾有のコロナ禍によって、2020年のCTは全てキャンセルされ、

アムちゃんは一度もCTの舞台に立つことなく2020年が過ぎ去った。

そしてようやく2021年度のCTがマウイプロからスタートされたが、

当然カリッサが一年の休養を経て戦線復帰してきたので、

アムちゃんはCTから繰り下がり、オートネ一番という立場でツアーをフォローしていった。

初戦マウイプロでは枠が無く出番なし、その後2戦目のサンセットプロに望むべく、

12月中旬マウイからオアフ入りし、本格的なノースアタックに取り組んできた。

昨冬初めてのノースを経験し、今季はクイリマコンドを拠点とし、

お母さんと共に約一ヶ月半に及んでのプラクティスとなった。

アムちゃんにはコーチがいず、お母さんもサーフィン・波・海に関しては素人なので、

ポイントの選択、板の選択等は全てアムちゃん自身が行い、

常にCTを意識した行動で、次に行われる予定のサンセットはもちろん、

ビッグハレイワ、オフザのチューブ、ロッキーでのアクションセッションを滞在中毎日こなしていた。

アムちゃんのサーフィンは他のレディースにはないパワーで、

ターン、トラックが深く、日本人離れしているところが特徴だ。

そして何よりも真面目に取り組む姿勢、更に女の子とは思えないガッツを秘めている。

サンセット、スティーマーレーンの試合がキャンセルになり、

1月下旬に一旦帰国し、今度はCT・オーストラリアンレッグのオートネで、

3月頭に他のCT選手達と共にロスからWSLチャーター機でシドニーへ飛び、

2週間の強制隔離を終えてニューキャッスル戦に臨んだが、ここでは出番なし、、、

そして2戦目のナラビーンでも当初出番はなかったが、

まさかのレイキーピーターソンの欠場によって、試合開始1時間前にコールされ、

ついにアムちゃんが夢にまで見たCTにヒートインすることとなった。

その後ナラビーンに続きマーガ戦でもR-3へ、

そしてロットネスト戦ではクォーターファイナルまで進出するという快挙を成し遂げた。

現在アムちゃんはWAからシドニーへ移動し、

今度はロスからエルサルバドルで5月29日から行われる

ISAワールドサーフィンゲームスへと向かっているようだ。

このISAの試合で好成績を得れば、オリンピック日本代表のチケットを獲得する。

エルサルバドルにはすでに候補選手であるマツダシノ、マエダマヒナも調整に入っている。

シドニーからロサンゼルス、そしてエルサルバドルへ、アムちゃんの戦いの旅はまだ終わらない。

 

 

 

 

GS6A3416 GS6A2357Shino Matsuda

 

11月23日にハワイ入りし、まだ日本人サーファーを誰も見かけなかった11月末、

いつもようにロッキーポイントへ行くと、

どこかで見覚えのあるレディースサーファーがロッキーレフトを駆け抜けていった。

誰だ?と思ってよくよく見るとYUの板にビラボン、あっ!シノちゃんだ〜〜

しばらく撮影し、シノちゃんが上がってきたのでよくよく聞いてみると、

日本に居ても波が良くないのでハワイに来ちゃいました〜と、、、

俺はなんだか嬉しくなって、このコロナ禍の中よくぞ思い切って来たね〜偉い!

と、叫んでしまったほどだった。

コロナによりハワイへの旅の敷居が高くなり、ツーリストが激減してしまったハワイ。

それでもハワイ州はPCR検査で陰性であれば、2週間自主隔離を免除すると発表し、

俺もこのタイミングを逃すまいといち早くハワイ入りし、

シノちゃんも他の誰よりもいち早くノース入りして来たのだ。

正直シノちゃん=ハワイという印象がなかったので、

彼女の並並ならぬヤル気を感じ取ることができた。

日本人不在のノースウインターになるのかな?と思いきや、

何気にシノちゃんが日本人トップバッターとしてノースセッションを共有することができた。

そして12月中旬に一旦帰国したが、1月中旬には再度ハワイ入りし、

2月下旬までガッツリノースの海でサーフドアウトしていった。

シノちゃんはオリンピック最有力候補選手として現在エルサルバドルで、

5月29日から始まるワールドサーフィンゲームスに臨んでいる。

スタイリッシュかつバランスの良いレールワークを武器とし、

シノちゃんはオリンピックへのチケットを虎視眈眈と狙っている。

 

 

 

 

 

_KK40353 A63I8155Mahina Meda

 

純日本人の両親を持ちながらもノースショア・サンセットビーチのドローカルでもあるマヒナ。

かつてポルトガルで行われたISAワールサーフィンゲームでは優勝、世界一に輝き、

QSではあと一歩の所でクォリファイを逃したりと、波瀾万丈の10代だったが、

ここに来て見違えるほど大人になり、精神的にも肉体的にも熟し、

ハワイリージョンからジャパンリージョンに移し、

昨年10月千葉で行われたジャパンオープンで優勝し、

今回のラストチャンスであるエルサルバドルへのチケットを手に入れることができた。

サーフィンの他に柔術のマスターでもありコーチング・トレーニングの講師も行い、

頑強な体を駆使してのビッグウエイブアプローチも流石ノースショア育ち、

現在サーフィンコーチにはジョンジョンのコーチングも務めているロスウイリアムスが担当し、

かつてのマヒナではなくなったと、生まれた時からマヒナを知る自分はそう感じる。

CTオーストラリアンレッグはついに終了したが、

今度はエルサルバドルにてオリンピックに向けた決戦が始まろうとしている。

 

 

 

 

 

GS6A5954Sara Wakita

 

言わずと知れたあのワキタタカユキの愛娘・サラちゃんは日本生まれだが、

幼少期からほぼノースショアで育ち、サーフィン言語ともハワイで育まれたと言っても過言ではない。

今冬はコロナ禍ともあり、いつもよりハワイに戻ってくるのが遅れたが、

やはりホーム・ノースで見せるサーフィンには輝きがある。

 

 

 

 

 

 

GS6A3393Minami Nonaka

 

小柄ながら安定かつアグレッシブなビポットをサーフィンを見せるノナカミナミ。

本人曰く、ビッグウエイブは怖い、苦手と言いながら、

自ら望んで一人で2月に入ってからノース入りして来た。

かつてトモ(ヨシオカ)に連れられてハワイに来た時に見た、

ミナミちゃんのロッキーでのバックサイド縦上がりは、

今までの日本人女子になかったほどアグレッシブだと感心したことを思い出した。

あれから数年、ミナミちゃんは押しも押されぬ日本のトップコンペティーに成長し、

今回はアヅチジョー・コーチングの手ほどきを受けながら、

苦手のサンセットをチャレンジすることとなった。

 

 

 

 

 

GS6A0327Nanaho Tsuzuki

 

中学3年・15歳でセンセーショナルなプロデビューを果たしたツヅキナナホも、

今は18歳のお姉様に成長し、今冬ソリッド3ヶ月間のノース修行に揉まれた。

小さい体ながらもビッグサンセットにも臆することなくチャージし、

ついにはオフザバレルにもプルインしていったほどのガッツを持ち合わせている。

それもそのはずナナホちゃんのお母様はウインドサーファーのレジェンドで、

全盛期はずっとマウイの大波・強風と戯れていたというスーパーウーマン。

ナナホちゃんにもきっとそんな熱いブロッドが流れているんだろうね〜

 

 

 

 

 

GS6A1515Hinako Kurokawa

 

大阪出身の両親だが、父母ともサーファーで大阪から種子島に移住、

そして今度は四国移り住むといったサーフィンファミリーの中で育ったクロカワヒナコ。

そんなヒナコちゃんも高校を卒業するやオーストラリアへ留学し、

更に独自のサーフィンを磨いていった。

俺はチューブライディングならヒナコちゃんが日本女子の中では一番上手いと思っている。

それもそのはず彼女のチューブライディングを育んだのはあの海部川なのだ。

四国の河口の波をハントする術も長けており、

単なるコンペティターとは違った側面を持ち合わせたユニークなサーファーでもある。

今冬は前半タウンに住むニシモトファミリーに身を寄せ、

後半サンセットのユキノハウスにステイしながら、

コーチのカイサと共にノースショアセッションを展開していった。

 

 

 

 

 

 

A63I0862Rina Matsunaga

 

千葉・御宿に住むマツナガ・サーフィンファミリーの長女・リナちゃん。

兄にサイコパイプチャージャーのダイキ、弟にアップカマーのケンシンを持ち、

3兄弟でシノちゃんの次、12月頭にはノース入りし、2月下旬までひたすら

自身のサーフィンと兄弟のご飯作りに精を出していた。

リナちゃんもJPSA仙台戦でセンセーショナルなプロデビューを果たした。

アマチュアエントリーながらファイナルまで勝ち上がり、

更に地元仙台のタカハシミナトとの決勝戦、

更に更に新港ローカルスポットの根っ子というシチュエーションながらも、

なんとそのまま優勝してしまい、プロに認定されることとなったのだ。

そしてノースではサンセットの一念でサーフし続け、

ほぼほぼサンセットかロッキーでリナちゃんの姿を見かけることができた。

あのむさ苦しい男所帯の中紅一点(本当は3点・リナ、ナナホ、ヒナコ)

よくぞ長きに渡って耐え忍び??頑張ったと思う。

俺は勝手にリナちゃんのことを”おしん”と呼んでいるが、

今の世代の子には”おしん”さえもわからないようだ、、、、笑

 

 

 

 

 

GS6A8677Cocona Kawase

 

三重・伊勢出身のコンペティター・カワセココナ。

今冬はキアヌやロイ等・四国ボーイズとサンセットのマエダ宅にステイしながら、

レイトシーズンのハワイ入りとなった。

まだまだパンチ不足だが、激しい波にも臆することなく

ボーイズとチャージし続けていたのには驚かされた。

伊勢のビーチブレイクに留まらず、和歌山のリーフブレイクや四国の河口にも現れるなど、

何気にウエイブハンターの一面も備えている。

 

 

 

 

 

A63I4391Emily Nishimoto

 

 

A63I5574Julie Nishimoto

 

ハワイ生まれホノルル育ちの100%ジャパニーズブロッドであるニシモトシスターズ。

バリ・クラマス戦でセンセーショナルなデビューを果たし、

JPSAで大活躍した後積極的にQSツアーにも参戦していった二人。

今もダイアモンドヘッズをホームグランドとし、

オアフ島の波をハントするライフを送っている。

 

 

 

 

このように例年よりもノースで躍進した撫子ジャパン。

ぼやぼやしてるとボーイズもやられちゃうよ〜〜〜笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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