5/15 Story of The Surf Pilgrim vol-32

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

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Shinpei Horiguchi @ Akamata  Okinawa  2007/7/12

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毎年のアカマタ詣での中でも、

2007年7月12日・台風4号・マンニィのスエルで、

ビゲスト・ライド・エヴァー@アカマタ(トップの写真)を記録した、

以下ホリグチシンペイの手記です。

 
この時は、とにかくサイズが大きくて、僕は親父シェープの8’5”で挑みました。

この時のメンバーはイマムラアツシさん、ハラダマサキ君、

そしてタイゾウさん、ナオゾウさん、サトルさんだったと思います。

明るい海と言うよりは、暗くて迫り来る、と言った感じの海でした。

セットは12-15feet、もしかしたら何本か見た波は18feet位来ていたかもしれません。

この日に体験した波で、次のビッグアカマタの為に、

父親に9’6”のアカマタガンを削ってもらった位です。

現場では、波に乗れずかなり苦戦しました。

波はデカくて浅い、強烈な風とウネリのパワー。

僕の心の中に、乗りたい気持ちももちろんありましたが、

恐ろしさの方が勝ちそうだったのを覚えています。

いつものリーフよりもひとつ沖のリーフで波待ちしていたのですが、

更に奥の方からめちゃくちゃデカくて強烈なブレイクを魅せてくる。

こんなアカマタは初めてであり、ヤバさもマックス、

その中で唯一の1本がこの写真の波だった様に思います。

このライディングのテイクオフの時は、

風と共にそそり立つピークの角から上手く引っ掛けて乗ったという感じで、

そのままボトムに降りていったのですが、

5秒位降りて行ったのでは?と思うくらい降りていくと、

いつものリーフにウネリが当たり、ボッコリほれてきたところで、

ヤバすぎてプルアウトしたと思います。

ヤバすぎてチューブには入れなかったですが、

とにかく強烈にデカかったのを覚えています。

このサイズになるとまた違った顔を魅せるアカマタ、

夢があるリーフだと思います!

 

 

 

 

当時のサーフファーストマガジン誌(2007・10 / 56号)では、

”美ら夏物語”、と言うタイトルで特集され、

このショットはラストの見開きに使用され、

アカマタのビゲストライディングとして話題になったショット。

 

 

 

その時に自分が書いたキャプションはこうだった、、、、

 

シンペイの決死の一本。

7月12日の午後、台風4号・マンニィがもたらした驚異的アカマタ。

この前日に沖縄入りし、ヒザコシでチャポンと海に入り、

当日の朝は3〜5ftでカミングアップしたものの、

潮が足りずノーサーフ。

そして夕方の満潮を狙ってアカマタをチェックすると、

常時10ft、フリッキンセットは15ftプラスにも達し、

もうチョポというより、ヒマラヤと言った分厚さを見せた。

全員、板も気持ちも想定外、全く手付かずの状態。

台風のスピードの速さから、午前中は晴天だったのに、

午後は一転、ストーミー直前状態になってしまった。

重く暗いセッションとなってしまったが、

それでもシンペイはお父さん(ホリグチゲンキ)シェイプの8’5″を駆使し、

誰も手が出せないアウトサイドアカマタを3本捉えた。

とうとうバレルはものにできなかったものの、

過去にこれだけのサイズをトライしたアカマタセッションは無かった。

それだけにとても貴重な一本をライドしたと言えよう。

 

 

 

つまりこの時のアカマタセッションでは、シンペイ以外は板が短すぎ、

ノーライドセッションとなってしまったわけだ。

台風の勢力と速度の関係から、カミングアップが異常に早く、

午前と午後では海の様子がガラリと変わってしまい、

ファーストリーフでブレイクする6〜10ftを軽く越してしまい、

常時12〜15ftクラスのアウトブレイクとなってしまったため、

皆が持参したボードでは太刀打ちできなくなってしまったわけだ。

アカマタでの経験が豊富だったシンペイだけが、

念のために用意していたビッグガンが、

ここにきて役に立ったというわけだ。

ジェットから撮影していたが、風雨が強く、海も大きく揺れ、

まさにストーミーコンディションの中での撮影となり、

酷い時は、台風特有の突発的なジャジャ降りで、

視界がなくなるほどだった。

そんな中でシンペイが捉えたモンスターセットを、

ドンピシャのポジションで撮影できたことは、

本当にラッキーだったと思う。

チューブライディングではないが、過去これだけドデカイ波を、

パドルでテイクオフしたサーファーはいなかった。

色も粒子も荒く、決して綺麗な写真ではないが、

アカマタの歴史においては、間違いなくビゲストライドショットだ。

結果この時の台風セッションでは、

アカマタデイはこの日だけとなってしまったが、、

翌日はまた違った太平洋側にあるアウターリーフを初トライし、

翌々日、台風が抜けた後の北東からのバックスエルで、

今度は東シナ海側のヤマング・サッキーライトが大炸裂した。

このヤマングも、アカマタ同様、

八重山セッションでは欠かせないポイントとして確立されていった。

 

 

 

 

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