Japan Open 2nd Adaptive Surfing Championship 初代チャンピオンが決定!

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2028年ロスパラリンピックからサーフィン種目が追加競技として検討され注目される「アダプティブサーフィン(パラサーフィン)」。

第2回の開催となっているが、第1回目は残念ながら中止となってしまい、実質の1回目の開催となり、日本選手のみならず海外からの選手も参加し、世界大会として海外からも注目された大会となった。

大会の前日にはパラサーフィンフェスタとしてイベントも開催
https://www.namidensetsu.com/news/namidensetsu/474276

大会前夜にはレセプションパーティーも開催され、選手関係者など多くの人でにぎわった。

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牧之原市長

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乾杯の音頭は右足下腿義足の伊藤建史郎氏

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邦楽2.0

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東田トモヒロ氏

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車椅子レゲエミュージシャンJAHLI(じゃり)氏

会場ではみんなが和気あいあいと久しぶりに会う仲間、海外からの選手たちとの交流などを楽しんでいた。
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大会は2日間にわたり開催

朝のうちは曇りであったが次第に晴れ間が出てきて最高の天気となりまさに大会日和となった!
水温は少し冷たい感じがしたが皆さんのパワーで水温も上がったことでしょう。

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まずは競技について少し説明をしましょう


パラサーフィンとは?

サーフボードの上に立つことがサーフィンではなく、波に乗ることがサーフィン。
障がいを持ってからサーフィンを始めた人も沢山いるんです。
生まれつきや事故などによって、身体に障がいを持っている方が行うパラサーフィンは、さまざまな身体的個性やチャレンジを持ったサーファーが9つのクラスに別れ、オリジナルのスタイルでサーフィンを演技して得点を競い合います。立って乗るクラス、膝立ちで乗るクラス、座って乗るクラス、うつ伏せで乗るクラス、視覚障害クラス。それぞれの身体の機能に合わせたボードやライディングを見れることが魅力です。

Para Surfing Stand 1(スタンド 1)

上肢切断、先天性もしくはそれに相当する障害、低身長で立った状態で波に乗るサーファー。

Para Surfing Stand 2(スタンド 2)

膝下の切断、先天性もしくはそれに相当する障害、または脚長差があり、立った状態で波に乗るサーファー。

Para Surfing Stand 3(スタンド 3)

膝上切断、両下肢切断、先天性もしくは障害同等の状態で、立った状態で波に乗るサーファー。

Para Surfing Kneel(ニール)

膝上切断、または両下肢切断、または先天性もしくはそれに相当する障害を持つ、膝をついてパドルを持たずに座った姿勢で波に乗るサーファー。

Para Surfing Waveski(ウェーブスキー)

パドルを持って座った状態で波に乗り、パドリングや安全にボードに戻るためのサポートを必要としないサーファー。

Para Surfing Prone 1(プローン 1)

腹ばいの姿勢でパドリングして波に乗り、安全にボードに戻るのに助けを必要としないサーファー。

Para Surfing Prone 2(プローン 2)

腹ばいの姿勢で波に乗り、パドリングやボードへの安全な乗り込みに補助が必要なサーファー。

Para Surfing Vision Impairment 1(視覚障害 1)

IBSA分類B1レベルの立った状態で波に乗るサーファー。

Para Surfing Vision Impairment 2(視覚障害 2)

IBSA分類B2、B3レベルのスタンディングポジションで波に乗るサーファー。

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採点基準である①スピード②パワー③フローに加え、型にはまらない自由なサーフィンを楽しめる点は、サーフィンが持つ競技性の魅力でもある“Style”をより引き立たせるパラサーフィンの特色であり、面白さです。

さらに、パラサーフィンは、海やプールの中で行われるためサポートが必要なのですが、そのサポーターの方たちと一緒に2人3脚で行うスポーツであることも魅力のひとつです。

今大会でも、水中に入るまでのサポート、水陸両用の車椅子を使ったり、また、波が来た際にボードを押してあげたり、ライディング後のサポートなど、たくさんのボランティアサポーターが安心安全に務めておりました。

選手達のチャレンジ精神、困難を乗り越える創造的な工夫が垣間見れるところが、より観客の心を揺さぶること間違いなし!!!

JAPAN OPEN 初日は予選。2日目に決勝を実施。ISAが定めた国際ルールに則り試合が進められた。



KNEEL

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KNEELクラスファイナルヒートで絶対王者 マークMONOスチュワート選手(AUS)が決勝1本目のライドでチューブを決め、パーフェクト10を出し会場は熱狂した。
さらに、2本目もパーフェクトバレルで共にパーフェクト10ポイントをたたき出しトータル20ポイント獲得。サーフィン界に新たな歴史を刻んだ瞬間となった。

パーフェクト10ライドの動画は海外のメディアでも掲載された。
https://www.abc.net.au/news/2023-04-25/mark-mono-stewart-scores-perfect-10s-japan-open-adaptive-surfing/102264004?utm_source=abc_news_web&utm_medium=content_shared&utm_campaign=abc_news_web&utm_content=messenger

Mark Mono Steward選手インタビュー
「波の中にいるときに音が聞こえた。人々が叫んでいるのが聞こえ、ただひたすら気が狂いそうになった。
そして出てきたとき、最高に興奮して、素晴らしい気持ちを抑えきれなかった!選手やスタッフを含め日本のアダプティブ/パラサーフィンチームは本当に素晴らしい。来年もまた戻ってくるのが楽しみだ。」




STAND1

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加藤真吾選手は、バックハンドで連続ターンを狙った攻めのライディングを披露。スナップをいれた際どいクリティカルなトップアクションでレフト7.33、レフト7.07 トータルスコア14.4ポイントを獲得、見事優勝に輝いた。



STAND2

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右足が義足の伊藤建史郎選手はトップアクションから板を返し波にダイナミックにアプローチ。そのままターンでしっかりパワーゾーンに戻りカービング。巧みな連続マニューバーで観覧席からは歓声があがった。ライト7.33 レフト7.6でトータル14.93ポイント獲得しクラス優勝した。



STAND3

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世界選手権でメダルを獲得している実績を持つ勝倉直道選手は、綺麗なラインで滑らかにライディング。
体調不良によりレフトは辞退したものの、ライト6.17、ライト3 トータル9.17ポイントを決め、見事クラス優勝を果たした。



PRONE1

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アメリカからエントリーの Parker Olenick選手は、美しいライディングで会場を魅了した。
ライト6.83とライト5.67でトータル12.50をメイクしクラス優勝を果たした。



PRONE2

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世界選手権で何度も入賞経験がある藤原智貴選手。
ボトムからトップを上手に使い、安定のライディングでライト6.67、レフト6.8、トータル12.5ポイント獲得し、見事クラス優勝した。



SIT

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夏はカヌー、冬はスノボの自然派パラアスリート辰己博実選手は、SITクラスでエントリー。2刀流アスリートとして注目を集めた。見事なアクロバティックライドを披露し、レフト6.83 レフト7.33トータル14.16ポイントをマークしクラス優勝した。



Vision Impairment1

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視覚障害があるクラスは、サポーターにうねりの位置、距離、タイミング、ボードの向きを指示してもらいながらテイクオフする。
波の音とサポートの指示を頼りに体の感覚と微かな光の感覚のみで波に乗る。
VI1は葭原茲男選手のみエントリー。3本目までノーライドと苦戦していたものの、ファイナルヒートで波をキャッチしスタンディング。レフトの4ポイント獲得した。



Vision Impairment 2

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VI2は2名のエントリーがあった。藤崎しげる選手は、研ぎ澄まされた感覚で見事テイクオフからスタンドしライディング、ライト2.0、レフト7.83のトータル9.83をマークしクラス優勝を果たした。



解説MCはJPSAの放送でおなじみのNICO氏、水野亜彩子プロ。

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巧みなトークでアダプティブサーフィンの魅力を届けてくれた。

アダプティブサーフィンは、サーフィンが持つ競技性の魅力でもあるスタイルをより引き立たせるのが特色であり、面白さでもある。
「JAPAN OPEN」の採点基準はスピード、パワー、フローに加え、型にはまらない自由なサーフィン。
選手個々の身体機能に合わせて、キャッチ ザ ウェーブする姿から、学ぶことも多い。

上肢に障がいがあるStand 2クラス 近藤健太朗選手コメント
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「左手が使えないのでパドルの力が弱い。テイクオフ時のポジショニングとラインどりを工夫して、パドル力をカバーするトレーニングを日々実践している」 

絶対王者の歴史的瞬間をここ静波で世界に発信でき、今後日本のパラサーフィンに世界中が注目をすることであろう。



配信アーカイブはこちらからご視聴可能

4月23日(日)予選



4月24日(月)決勝





大会概要

名称 静波パラサーフィンフェスタ JAPAN OPEN 2nd Adaptive Surfing Championship
日程 2023年4月23日(日)~24日(月)
主催 一般社団法人UNIVA 、ジャパンアダプティブサーフチーム(JAST)
会場 静波サーフスタジアムPerfect SwellR(静岡県牧之原市静波2220)
来場者数 JAPAN OPEN2日間1853名(静波パラサーフィンフェスタ3日間では3,258名)
参加団体 一般社団法人ユニバ、牧之原市、
     JAST (Japan Adaptive Surf Team)、
     Nami-nications、NSA (Nippon Surfing Association)
     OnestepSELSEA、allallJAPAN、スイングビーチホテル
     榛原総合病院、日本福祉車両協会、宮崎メディカルサーフチーム、
     BLATworks
後援   NSA、静岡県牧之原市、サーフスタジアムジャパン(株)
特別協力 公益財団法人星いきいき社会福祉財団




リザルト表はこちらから

https://liveheats.com/events/108887

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