4月18日WSLニュースより
Jake Howard
30年も前のこと。サーフィンは大きな進化を遂げた。
17歳から18歳の若者たちが巨匠テイラー・スティールのサンディエゴの実家に泊まり込み、夏の間にサーフムービーが制作された。
その映像は世界的なヒット作品となって一大ブームを巻き起こし、彼らのことをその名の通り「モーメンタム世代」と呼ぶまでにもなった。
シェーン・ドリアン、ロス・ウィリアムス、テイラー・ノックス、ロブ・マチャドそしてケリー・スレーターを中心とした登場人物で、シーズン前のノースショアではパイプライン前のベンジー・ウェザリーの母親宅に居座る。彼らはスティール監督がバンの上で寝ているのを見つけ、彼に映像を撮ってもらうように正式に申し出た。
「我々のモチベーションは、お互いを印象づけることでした。個々の能力が上がることで、良い映像を残すことにつながったのだと思います。」ウィリアムスは、当時を振り返った。
「雑誌に対しても良い写真を残すことができました。これらの映像と写真によってサーフィン界で大きな契約を結ぶことができたのです。唯一の問題は、いつも一緒に行動しなければいけなかったことですね。」
モーメンタム世代は、「ニュースクール」とも称され、海でも陸でも競いあっていた。
スティール作品の中でも最も脚光を浴びた自信作となった。
「僕らの戦いはテイラー監督や雑誌そしてスポンサーによってますます過熱させられました。さらにサーフィンに打ち込み、ベストなライドができるように仕向けられていたのです。そして僕らは大きな成長を遂げていました。」ウィリアムスは説明した。
「監督の良い所は、皆が何に対して優れているかを知っていたのです。彼にそれは何かを尋ねると、『最近は皆が多種多様ではなくなり、より特別なものになっている。君たちがあらゆる面で刺激しあっているからだと思う。スレーターは革新的で、シェーンはチャージとエアーに長けている。ロブはスピードとコンビネーション、ロスはスタイルとパワー、ノックスはコンビネーションとパワーが優れている』と話していました。」
(テイラー・スティール監督の代表作の一つである”Stranger Than Fiction”)
“The Surfers”とスティール作品は、ハイパフォーマンスの意味とサーフィン業界がどれだけ大きいものになるかを明確にした。スレーターによる11回のタイトル獲得、ノックスがビッグウェイブコンテストで50,000ドルを獲得したこと、ドリアンがビッグウェイブサーフィンに目覚めたことなど。
スポーツとして文化として進化を遂げた現代のサーフィンは、スティールだけがもたらしたものではないが、フィルムメーカーとして著しく実を結んだことは確かなことである。
ウィリアムスは振り返る。
「私の人生で一番最高な夏だったのでしょう。私たちには未来がありましたからね。もちろんそれがどれだけ大きなものになり、どれだけサーフィンで食べていけるかは分かっていませんでした。
でも、誰もが子どものころにプロサーファーになる夢を持ち、それを叶えることができたので、とても幸せに思います。」
「撮影、競技、友情は、私たちがサーファーであると自覚できるものでした。キャリアの幅を広げられたのは、必然だと思います。私たちの世代に一つの言葉でレッテルを貼るとすれば、”motivated”(やる気を与えられた)です。私たちはサーフィンへの情熱が強く、これで成功したいという思いが強かったです。もしも私が子どもたちに言葉を贈ることができるならば、それは『情熱』と『犠牲』です。」