4月16日WSLニュースより引用
The Inertia /Jérôme Chobeaux

WSL / Jérôme Chobeaux
フランスも多くの世界各国と同様に、ロックダウンが続いている。もちろんサーフィンは禁止され、波のことを伝える者は誰もいなかった。
波はずっとパーフェクトで、しばらくは良い波が続く予想も出ていたのだ。
なかなか見ることのできない最高のサーフシーズンになっていた。
ロックダウンが開始されたのは、3月17日のこと。
バー、各店舗、主要なフランスパンのチェーン店さえもそのドアを閉ざすことになった。
その後ビーチも閉鎖され、サーファーの姿も消えた。
誰もが家で過ごすことを余儀なくされている。
新型コロナウイルスによるロックダウンは、フランス南西部、沿岸のランドエリアまでに影響が及んだ。
例年、この地域の春は寒く雨が降るものの、今年は夏が早くも到来していた。
美しい天気にオフショアとオーバーヘッドの波、そして完全に無人のラインナップは、フレンチサーファーにとって復帰戦をかき立てる舞台となっている。
数少ないサーファーがリスクを冒し、夜明けごろや満月の夜にパドルアウトした。
彼らには警察の取り締まりや罰金というリスクがあった。
このような掟破りのサーファーを監視するため、警察がバイクで沿岸部をパトロールしている間、ヘリコプターが空からの追跡をする。
60マイルにも及ぶビーチは砂丘が拡がる。サーフィンによるウイルス拡散の可能性は諸説あるものの、法律によってそれが禁じられている。
もしも誰かが海に入れば、誰もが海に入るようになるからだ。このようなサーフィンに対しての厳しい規制があるものの、ランニングや街で歩くことは許可されている。
あるサーファーは完璧な波に対して我慢ができないが、そこには多数派がいる。
警察への恐怖とサーファーを海から遠ざけようとする住民の結束があり、これがこの悲しい危機を受け入れる理由でもあるのだ。

WSL / Jérôme Chobeaux