【CT】2019年シーズンスタート。ケリー・スレーターの展望は?

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本日よりオーストラリアのスナッパーロックスで始まったQuiksilver Pro Gold Coastは、メンズのラウンド1が消化された。

日本のカノア五十嵐は、ラウンド1をトップ通過してラウンド3へとスキップした。
また、昨年中盤からケガでツアーを離れたジョンジョン・フローレンスも、ラウンド1を無事にスキップした。
その一方で、ケリー・スレーターは、ラウンド2へと進むことになり、生き残りをかけてオーウェン・ライト、ピーターソン・クリサントとヒート3で対戦する。

以下WSL公式サイト記事より。
(引用元http://www.worldsurfleague.com/posts/377557/can-slater-go-all-the-way)
ここに見逃すことのできない事実がある。キングスレーターは、ゴールドコーストでの戦いを歴史的に支配してきた男である。彼は、スナッパーで6回も優勝しており、この記録はホームタウンヒーローのステファニー・ギルモアにも並ぶ記録である。
彼は、1997年、1998年、2006年、2008年、2011年、2013年のイベントで優勝し、そのうちの5回はワールドタイトルへと繋がっている。

ツアーの歴史を見てみると、ルーキーのセス・モニーツ(ハワイ・22歳)が生まれる前からこのゴールドコーストにて彼がサーフィンをしていたことがわかる。
そして、スナッパーの初戦は、スレーターがタイトルレースに食い込むかを予想するための大きな指針となっている。

加えてスレーターは、どちらも2回のチャンピオンとなったミックとジョエルが引退したことにより、ツアー最年長の選手としてこれまでよりもさらにスポットライトが当たっているのだ。

<スレーターとパーコによる2013年のQuiksilver Pro Gold Coastのファイナル>

もしも、スレーターが7回目の優勝を飾るとすれば、ジョンジョンやガブリエルなどの若者たちと対等に戦っていけるのか。

確かにスレーターは1つの時代を築いた凄い人間で、昨年のケガからは完全に復帰している。ゴルフコースも回り、自らがデザインしたサーフランチではボードテストを行って質の高い時間を過ごしてきた。ところが、ウォームアップとして臨んだマンリービーチでの Vissla Syndey Surf Proでは、小波ではあったもののパワーレスなサーフィンを露呈することとなった。ワールドタイトルをつかむにはあらゆるコンディションに対応できないといけないのは確かなことである。

先月のマンリーでは多くのファンを失望させる結果となった/WSL / Matt Dunbar

先月のマンリーでは多くのファンを失望させる結果となった/WSL / Matt Dunbar

スレーターは、マンリーでの最初のヒートでは力強いスタートを切ったものの、ラウンド3ではジェシー・メンデス(ブラジル)を含むQSの強豪のエアー合戦に対してなす術がなく敗退した。

素早い判断が要求されるコンディションにおいて、スコアを稼ぐことに苦労しているようだった。「スコアできる波を全く見つけることができなかった。」とスレーターはヒート後のインタビューで話した。
「いくつか良い波は来ていたけれど、ジェシーやアレックス(リビエロ)に持っていかれた。とにかく苦しいヒートだった。」

しかし、スレーターに今の段階で失望するのは間違いである。彼の競争心に火がつくのは簡単なことではないものの、マンリーの後にいくつかの改善点を見つけたはず。
そして、2020年の東京オリンピックなど、勝つためのモチベーションを高める要素が他にも必要なのである・・・。

2020年のオリンピックを見据えるケリー・スレーター/WSL / Kelly Cestari

2020年のオリンピックを見据えるケリー・スレーター/WSL / Kelly Cestari

ニュージーランドヘラルド(ニュージーランドのメディア)によると、「私はこの年の終わりに引退する可能性がある。少なくとも全てのイベントに出場するつもりだが、オリンピックに出たい気持ちがあるんだ。来年に向けて挑戦するつもりだよ。」と話している。

スレーターは、栄誉あるナイトとしての勲章を受けるリストに入っている。最年少、そして最年長でのワールドタイトル獲得。27年間もツアーに参加し、他の誰よりもチャンピオンになっており、「People」誌では最も美しい50名に選出された。

サーフィンというスポーツにおける象徴といっても異議のない人間であり、この輝かしい経歴は、スレーター自身をアメリカのオリンピックチームに加入する機会を与えた。

また、小波の試合を克服するためのモチベーションにもなるだろう。

キング・スレーターは、たくさんの見えない敵と戦い続けている。

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