ハンティントン・ビーチ、カリフォルニア/USA(2016年7月31日日曜日)カリフォルニアのハンティントン・ ビーチにおいて開催された、今夏最大のユースカルチャー・フェスティバル「VANS USオープン・オブ・サーフィン」が終了。
タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)とフリーペ・トリード(BRA)が、3~5フィートのコンディションで行われたファイナルで、それぞれ男女の全米タイトルを獲得した。
ウエストン-ウェッブは、マリア・マニュエル(HAW)をファイナルで破り、CTイベント初優勝。この勝利で、10,000ポインを獲得し、ジープ・リーダーボードで第4位から第2位へジャンプアップ。
「正直なところ、先週オーシャンサイドのQSイベントではラウンド1で負けて、タフな1週間を過ごしていたのです。」と、ウエストン-ウェッブが言った。
「自信を取り戻したかったんです。特にコートニー(コンローグ)とハンティントンで戦うのはハードだと思っていましたから。ここは彼女のホームブレイクで、素晴しいサーフィンをしていたので、コートニーを倒せて凄く自信が持てました。
タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)PHOTO: © WSL/ Rowland
ファイナルは、同じカウアイのマリア(マニュエル)と戦うことになりました。彼女も良いサーフィンをしていました。」
ファイナルは、ウエストン-ウェッブのプライオリティー下でマニュエルがチャージ。ヒート後半にウエストン-ウェッブが、エクセレントな7.33を5.63でバックアップ。最終的に14.26のコンバイン・スコアで勝利を手に入れた。
「ここからは調子を上げて行くつもりで、更にもう一勝したいですね。」と、ウエストン-ウェッブが続けた。「自分のファミリー、スポンサーとすべてのファンのサポートに感謝したいです。この勝利は、みんなのおかげです..」
今回、クオーターファイナルで破れた、カンレトリーダーのコートニー・コンローグ(USA)。セミファイナルまで勝ち上がったタイラー・ライト(AUS)がランキングトップとなり、イエロージャージを着て9月のトラッソルズでの試合に挑む。
トリードはUSオープン2勝目。
Vans US Open Champion Filipe Toledo. © WSL / Rowland
フリーペ・トリード(BRA)は、2016年のVANS USオープンで素晴しいパフォーマンスを見せ、ファイナルではイーサン・ユーイング(AUS)を下して、2度目の全米タイトルを手にした。
「最高なサーファー達と戦う素晴しい時間を持つことが出来て、自分にとって特別な時間となりました。」と、トリードが言った。
このコンディションでは最強のトリード。
「この場所で2つ目のタイトルを獲得できて最高です。ここのギャラリーは本当に 最高で、自分の家族や友人によるサポーに本当に感謝したいです。次のタヒチに向けて良い自信が持てました。基本的に波質がこことタヒチでは違いますけど、 コンテストで優勝出来た事は最高のフィーリングです。」
QSランク2位のユーイング。来季のクオリファイも夢ではない。
トリードは、クオーターファイナルでパワフルなミシェル・ボレーズ(PYF)、セミファイナルではホームタウン・ヒーローのカノア五十嵐(USA)を下して、ファイナル進出を果たした。
「生まれてから、ずっとビーチブレイクで育って来た自分にとって、ここの波は最高にリラックスッしてやれるんです。いまはカリフォルニアに住んで、ホームのような気分です。」
カノアの目には優勝の二文字しか見えていなかったはずだ。
カノアはQS10000のUSオープンで2戦連続3位。
カノア五十嵐はQFのヒート3でビノ・ロペス(BRA)と対戦。カノアはスタートからライトブレイクにチャージ。フォアハンドのブローテールリバースで6.17をスコアしてアドバンテージを取る。
レフトブレイクをつかんだカノアはヴァーティカルにサーフボードをクリティカル・セクションに当て込み、5.57をスコア。更に5.93にバックアップを塗り替えてリードを広げて行く。
残り時間10分を切り、バックハンドでテールリバースをメイク。トップスコアを6.87に塗り替え、リードを広げて行くカノア。ロペスもスコアを上げて行くも逆転ならず。カノア五十嵐がセミファイナル進出を決めた。
セミファイナルでは全く波とリズムが合わなかった
セミファイナルでは、同じCTサーファーで2014年のUSオープンチャンピオンであるフリーペ・トリードと対戦。ヒートはトリードがバックハンドで7.50をスコアしてスタート。
プライオリティを持たない状況で、次々と好スコアを出して、リードを広げるのが カノアの作戦だったが、今回はプライオリティを持たず、インサイド気味にポジションを取ったトリードが、フォアハンドのフルローテーション・エアをメイ ク。エクセレントの8.17をスコアして、カノアをコンビネーションに追い込んだ。
全く波に見放された感じでリズムを掴めないカノア。逆にエアーゲームでは一枚上手のトリードが完全にヒートをコントロール。
ヒート終盤にカノアは、6.00、7.40をスコアして、自分を取り戻したが時すでに遅し。今シーズンこそは、自分のバックヤードで行われるコンテストで名誉ある全米タイトルを獲得したかったカノア五十嵐だったが、その王冠は来年までお預けとなった。
1週間に渡って行われたUSオープンもこれで終了。今回の試合はQSの中でも一番グレードの高い10000だったため、今回の件を受けてランキングも大きく変動している。
今回ファイナルまで勝ち上がったオーストラリアのジュニアサーファーであるイーサン・ユーイングはランキング2位へアップ。CTルーキーのカノア五十嵐は、CTランクで現在21位。今回3位でQSランクは96位順位を上げて12位へ。大原洋人は45位へアップしている。これから後半戦へ突入するQSイベント。世界を目指すサムライたちの活躍に期待したい。
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オフィシャルサイト:http://www.vansusopenofsurfing.com/2016-surf/live
VANS USオープン ― ウイメンズのファイナル結果:
優勝:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)14.26
2位:マリア・マニュエル(HAW)10.96
VANS USオープン ― ウイメンズのセミファイナル結果:
SF 1:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)14.26 def.レイキー・ピーターソン(USA)10.96
SF 2:マリア・マニュエル(HAW)13.33 def.タイラー・ライト(AUS)10.83
VANS USオープン ― ウイメンズのクオーターファイナル結果:
ヒート1:レイキー・ピーターソン(USA)12.50 def.セージ・エリクソン(USA)11.17
ヒート2:タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)15.23 def.コートニー・コンローグ(USA)15.00
ヒート3:タイラー・ライト(AUS)14.10 def.キーリー・アンドリュー(AUS)11.17
ヒート4:マリア・マニュエル(HAW)10.50 def.ステファニー・ギルモア(AUS)9.74
2016年サムスン・ギャラクシーWSLトップ5(VANS USオープン後):
1. タイラー・ライト(AUS)43,450ポイント
2. コートニー・コンローグ(USA)42,900ポイント
3. カリッサ・ムーア(HAW)37,300ポイント
4. タティアナ・ウエストン-ウェッブ(HAW)35,150ポイント
5. サリー・フィッツギボンズ(AUS)31,450ポイント
VANS USオープン ― メンズQS10,000ファイナル結果:
優勝:フリーペ・トリード(BRA)14.90
2位:イーサン・ユーイング(AUS)10.46
VANS USオープン ― メンズQS10,000セミファイナル結果:
ヒート1:イーサン・ユーイング(AUS)14.60 def.エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)13.53
ヒート2:フリーペ・トリード(BRA)15.67 def.カノア五十嵐(USA)13.40
VANS USオープン ― メンズQS10,000クオーターファイナル結果:
ヒート1:イーサン・ユーイング(AUS)13.40 def.ライアン・キャリナン(AUS)12.40
ヒート2:エイドリアーノ・デ・スーザ(BRA)13.43 def.セバスチャン・ジーツ(HAW)3.63
ヒート3:カノア五十嵐(USA)13.04 def.ビノ・ロペス(BRA)11.83
ヒート4:フリーペ・トリード(BRA)14.20 def.ミシェル・ボレーズ(PYF)12.63