ISAワールドサーフィンゲームズ 団体はオーストラリアが優勝!

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Team Australia. Photo: ISA / Jersson Barboza

オーストラリアが2025年 サーフシティ・エルサルバドル ISAワールドサーフィンゲームズで団体世界チャンピオンに輝く

デイン・ヘンリー(オーストラリア)とハニレ・ゴンザレス=エチャバリ(スペイン)が歴史的な金メダルを獲得

ペルーが団体銀メダル、スペインが銅、フランスがカッパーメダルを確保

オーストラリアが2025年サーフシティ・エルサルバドル ISAワールドサーフィンゲームズ(WSG)で団体世界チャンピオンに輝きました。大会9日目も続いた力強いうねりの中、会場となったラ・ボカナでは、4〜6フィートのパワフルなピークが割れ、メダリストを決定しました。

男子はデイン・ヘンリー(オーストラリア)、女子はハニレ・ゴンザレス=エチャバリ(スペイン)がそれぞれ金メダルを獲得。ゴンザレス=エチャバリの勝利は、スペインにとって史上初のWSG金メダルとなりました。

ヘンリーの優勝に加え、モーガン・シビリック(オーストラリア)とサリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)の銅メダル獲得が、オーストラリアの団体優勝を決定づけました。さらに、エリー・ハリソン(オーストラリア)が5位、ミラ・ブラウン(オーストラリア)は怪我で途中棄権となるも11位、カラム・ロブソン(オーストラリア)が19位と健闘し、チームの強さを示しました。

すでにWSG史上最も成功を収めている国であるオーストラリアは、14年ぶりに団体金メダルを獲得し、通算6度目の栄冠を手にしました。これでWSG団体メダルは通算16個目となります。この間には6つの団体銀メダルのうち4つを積み重ねてきただけに、再び表彰台の頂点に立てたことにチームは大きな喜びを見せました。

さらに、現在ジュニアの団体世界チャンピオンでもあるオーストラリアにとって、今回の勝利は2024年に同じくサーフシティ・エルサルバドルで勝ち取ったジュニア優勝を裏付けるものとなりました。

Dane Henry, Team Australia / Photo: Sean Evans

Dane Henry, Team Australia / Photo: Sean Evans

デイン・ヘンリー(オーストラリア)は、ISAワールドジュニアチャンピオンとしてのタイトルを保持したままWSGを制した、現代では初の男子サーファーとなりました。19歳のヘンリーは、1980年にジュニア王者となり1982年のWSGを制したトム・カレン(アメリカ)の足跡をたどる存在となります。これまでに世界ジュニアサーフィン選手権(WJSC)とWSGの両方で金メダルを獲得したのは、ガブリエル・メディーナ(ブラジル)とジョーディ・スミス(南アフリカ)の2人だけです。

デイン・ヘンリー コメント

AUS - Dane Henry Credit: ISA /Pablo Franco

AUS – Dane Henry
Credit: ISA /Pablo Franco

「そのクラブの一員になれるなんて信じられないよ!ずっと自分を信じていたし、サーフィンの調子も完璧だった。ファイナルでは本当に輝きたかったし、そのチャンスをつかめて本当にうれしい。カウリ・ヴァーストやモーガン(シビリック)、ダグラス(シルバ)といった選手と戦うには、ベストを出し切らなきゃいけない。今はこの場所、この大会と特別なつながりを感じている。自分の居場所にいる感覚が力をくれて、勝利につながったと思う。」

2024年のWJSC(世界ジュニアサーフィン選手権)での勝利と同じ舞台で、ヘンリーは同様の戦術を駆使しました。ラ・ボカナのライトを攻め、メンズファイナルのオープニングで高さのあるフルローテーションをメイクし、8.67をスコア。続けてロングライトで多彩な技を見せ9.50を叩き出し、合計18.17という圧倒的なヒートスコアを築きました。この結果、モーガン・シビリック(オーストラリア)とダグラス・シルバ(ブラジル)は2本の高得点が必須の状況に追い込まれました。

30分間のヒートの中で、さらに4本のエクセレントスコアが記録され、そのうち3本はカウリ・ヴァースト(フランス)によるものでした。オリンピックチャンピオンのヴァーストは、鋭いバックハンドのアタックでヘンリーに迫り、ファイナル終盤にはバックハンドのフルローテーションも決めましたが、それでもヘンリーのリードには届きませんでした。

ヴァーストの銀メダルは、WSGに出場するたびに順位を上げ続けている軌跡をさらに伸ばす結果となりました。2023年は5位、2024年は銅、そして今回2025年に銀を獲得。シビリックとシルバはともにISAで初のメダルを手にし、それぞれ銅とカッパーを持ち帰りました。

Janire Gonzalez-Etxabarri, Team Spain / Photo: Pablo Franco

Janire Gonzalez-Etxabarri, Team Spain / Photo: Pablo Franco

ハニレ・ゴンザレス=エチャバリ(スペイン)がキャリア最大の勝利をつかみ、母国に歴史を刻みました。20歳の彼女は、昨年のWSGデビュー戦で15位となりパリ2024オリンピックの出場権を獲得。さらに同年、チームメイトであり五輪代表のナディア・エロスタルベ(スペイン)が獲得した歴史的カッパーメダルを上回る快挙を成し遂げました。今回は姉のアネット・ゴンザレス=エチャバリ(スペイン)と共に出場し、自身の金メダルはスペインチームにとっても2017年の銅メダルに並ぶ過去最高の団体成績に大きく貢献しました。

ゴンザレス=エチャバリ コメント

ESP - Janire Gonzalez Etxabarri Credit: ISA /Pablo Franco

ESP – Janire Gonzalez Etxabarri
Credit: ISA /Pablo Franco

「まるで夢を見ているみたいで、現実じゃないみたいです。本当に言葉が出ないくらい嬉しい。ファイナルを前に、ただここにいられること自体に感謝していました。金メダルを意識するというより、1本1本の波を楽しんで、自分のサーフィンを見せたいと思っていました。それをやり遂げて、この結果になったのは信じられません。とにかく最高に幸せです。」

男子ファイナルがほぼライトブレイクで展開されたのに対し、女子ファイナルはレフトが主戦場となりました。決勝進出6人の中で唯一のグーフィーフッターだったハニレ・ゴンザレス=エチャバリ(スペイン)は、フォアハンドでの力強い2ターンコンボを決め、7.50をマーク。続けざまに似たラインを見つけ、7.07を加点して合計14.57点を叩き出しました。これら2本がヒート中の最高得点となり、アリーナ・ロドリゲス(ペルー)、オリンピアンのヨランダ・ホプキンス(ポルトガル)、サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)の度重なるチャレンジを退けました。ホプキンスは大きなオープニングターンで高得点に迫りましたが、2発目でワイプアウト。フィッツギボンズは戦術を変え、ライトブレイクでの逆転を狙いましたが及ばず。序盤から主導権を握ったゴンザレス=エチャバリが勝利を固めました。

ホプキンスは2021年に同じ会場で獲得した銀メダルを再び手にしました。前回女王のフィッツギボンズは、通算6個目となるWSGメダルを獲得。4つの金に次ぐ2つ目の銅をコレクションに加える結果となりました。ロドリゲスはWSGでメダルを獲得した4人目のペルー人女性となり、銅メダリストとしてチームメイトのダニエラ・ロサスや、過去の金メダリストであるソフィア・ムラノビッチ、アナリ・ゴメスと肩を並べました。

Janire Gonzalez-Etxabarri, Team Spain / Photo: Sean Evans

Janire Gonzalez-Etxabarri, Team Spain / Photo: Sean Evans

ISA会長 フェルナンド・アギーレ氏 コメント:

Fernando Aguerre Credit: ISA /Pablo Franco

Fernando Aguerre
Credit: ISA /Pablo Franco

「今日、決勝を階段から見ていたとき、バヌアツの選手が私のところに来て、『人生で最高の2週間でした』と言ってくれました。今回がバヌアツにとって初めてのワールドサーフィンゲームズ出場でしたが、その思い出は一生残るでしょう。こうした瞬間こそ、私たちの活動に意味を与えてくれるものです。

エルサルバドルの未来にサーフィンを信じ、そしてISAを信じてくれたナジブ・ブケレ大統領に感謝します。過去6年間は、エルサルバドル、ISA、そしてオリンピックサーフィンにとって素晴らしいものとなりました。モレナ・バルデス氏、そして素晴らしいホスティングチームにも心から感謝します。

何年も前、デューク・カハナモクはいつかサーフィンがオリンピック競技になることを夢見ました。当時は『絶対に無理だ』と言われましたが、今日、その夢は現実となっています。今、私たちはサーフィンにとって3度目のオリンピックサイクルを迎え、デュークのビジョンを称えます。彼はサーフィンを信じ、アロハを信じました。そして私たち一人ひとりが、アロハの大使なのです。私たちは平和のうちにここへ集まり、2週間を平和に過ごし、平和のうちに帰っていきます。これこそがサーフィンの真の精神です。サーフィン万歳、そして世界の愛と平和に万歳。」

エルサルバドル観光大臣 モレナ・バルデス氏 コメント:

Morena Valdez Credit: ISA /Jersson Barboza

Morena Valdez
Credit: ISA /Jersson Barboza

「ここエルサルバドルに“サーフィンの国連”が集まってくれたことを、私たちは本当に誇りに思います。ISAワールドサーフィンゲームズで皆さんと共に過ごせることは大きな喜びであり、この大会は毎年、私たちに特別なものを残してくれます。私にとって最も大切なのは、各国の間に育まれる友情です。

エルサルバドルにとって、サーフィンは単なるスポーツではありません。ISAと共に、そしてブケレ大統領のビジョンのもとで、サーフィンは社会的・経済的・人間的な発展への道だと信じています。ワールドサーフィンゲームズを開催することは、競技そのものだけでなく、サーフィンを通じて新しい機会や友情、そしてより強い未来を築いていくことなのです。」

Closing Ceremony Credit: ISA /Jersson Barboza

Closing Ceremony
Credit: ISA /Jersson Barboza





リザルト


Team

Gold – Australia

Silver – Peru

Bronze – Spain

Copper – France

Men

Gold – Dane Henry (AUS)

Silver – Kauli Vaast (FRA)

Bronze – Morgan Cibilic (AUS)

Copper – Douglas Silva (BRA)

Women

Gold – Janire Gonzalez-Etxabarri (ESP)

Silver – Yolanda Hopkins (POR)

Bronze – Sally Fitzgibbons (AUS)

Copper – Arena Rodriguez (PER)

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