Pictured: The newly crowned 2025 World Champions, Molly Picklum (AUS) and Yago Dora (BRA), celebrate their achievements after winning the Lexus WSL Finals Fiji Presented by Corona Cero. Credit: WSL / Cait Miers
フィジー・クラウドブレイク(2025年9月2日・火曜日)
オーストラリアのモリー・ピクラム(AUS)とブラジルのヤゴ・ドラ(BRA)が、コロナセロが冠スポンサーを務める「レクサスWSLファイナル フィジー」で優勝し、2025年のワールドサーフリーグ(WSL)チャンピオンシップツアー(CT)を締めくくると同時に、2025年のワールドチャンピオンの座に輝いた。両者はNo.1シードとしてこのタイトル決定戦に臨み、クラウドブレイクの4〜6フィートの波で圧巻のパフォーマンスを披露し、悲願の初ワールドタイトルを手にした。
モリー・ピクラム、初の世界タイトルをフィジーで獲得

オーストラリアのサーファー、モリー・ピクラム(AUS)は、CTでの圧倒的なシーズンを締めくくり、「レクサスWSLファイナル フィジー」で勝利し、自身初のワールドチャンピオンに輝きました。22歳のピクラムは、シーズンを通して5度のファイナル進出のうち2勝を挙げ、大半の期間でイエローリーダージャージを保持しました。本日、No.1シードとして臨んだピクラムは、2023年ワールドチャンピオンであり五輪金メダリストのキャロライン・マークス(USA)を相手に、クラウドブレイクで35分間の熱戦を3本繰り広げ、強烈なバックサイドでの演技を見せつけました。


「今は本当に言葉が出ません。これは、これまで自分のキャリアや人生で積み重ねてきたことの集大成であり、本当に大きな転機になったと感じています。世界チャンピオンになれたことは、一生消えることのない特別なものです。素晴らしいシーズンのあとにこの結果を得られたことは本当に特別で、一生忘れられない思い出になります。誰もが認めるチャンピオンになることは夢でしたし、その形で勝ち取れたことが心から嬉しいです。信じられない気持ちでいっぱいですが、自分の大好きなことをする機会を与えられたことに、ただただ感謝しています。」
マークスはタイトルマッチに臨むまでに、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、現ワールドチャンピオンのケイティ・シマーズ(USA)、そしてガブリエラ・ブライアン(HAW)を破り、3連勝で勝ち上がりました。その勢いのままピクラムに勝利し、勝負は3本勝負にもつれ込みました。
スロースタートとなり初戦を落としたピクラムでしたが、第2戦で巻き返し、ロングチューブライドで8.83点(10点満点中)を含む合計15.83点(20点満点中)をマークし、勝負を最終戦へと持ち込みました。さらにピクラムは勢いを止めず、再び8.83点を叩き出し、これは大会全体を通しての最高得点となりました。そして2本合計16.93点という大会最高スコアを記録し、マークスを突き放して2022年のステファニー・ギルモア(AUS)以来となるオーストラリア人ワールドチャンピオンとなりました。
「たくさんの疑念がありましたが、それこそがチャンピオンを育てるものだと思います。立ち上がって、それを乗り越えなければなりません。私は未知を信じ続け、それが形になったことに本当に感謝しています。最初のヒートを終えたとき、すべてを受け入れて、自分にできることをやり、自分の信念を大切にして突き進みました。」
2022年にCT出場資格を得たものの、ミッドシーズンカットで一度は姿を消したピクラムは、翌年再びエリートの舞台へ戻り、WSLファイナルへの出場権を獲得して5位に入賞しました。さらに2024年には、パイプラインやサンセットビーチでの革新的なパフォーマンスによって再びファイナル進出を果たし、将来のワールドチャンピオン候補として強烈な存在感を示しました。
「セントラルコーストで育った子どもとして、ステフ(ギルモア)やレイン(ビーチリー)、サリー(フィッツギボンズ)、タイラー(ライト)といった憧れの存在を見上げてきて、今こうしてそのリストに自分の名前が並ぶなんて、本当に光栄で感謝の気持ちでいっぱいです。これまで多くの素晴らしい女性サーファーたちが道を切り開いてくれたからこそ、私や他のみんなが自分の好きなことを追いかけられるようになりました。今その中に自分がいるなんて本当に不思議な気持ちです。“子どもを育てるには村が必要”という言葉の通り、セントラルコースト全体の応援と、1年を通して支えてくれるチーム、そして家族や友人が私を理解し、どれだけ努力しているかを知ってくれているからこそ、彼らの前でこの瞬間を迎えられたのは本当に特別です。」
マークスは2年連続でシーズンを2位で終える結果となりましたが、残り1戦でファイナル5圏外から巻き返し、再びワールドタイトル争いに加わったその実力に大きな自信を持ち、3年連続でタイトルコンテンダーとしてシーズンを締めくくりました。
ヤゴ・ドラ、10年で5人目のブラジル人王者に
ブラジルのヤゴ・ドラ(BRA)がクラウドブレイクで優勝し、「2025 レクサスWSLファイナル フィジー」の覇者、そしてワールドチャンピオンとなりました。ドラは今シーズンを通じて最も安定したサーファーの一人で、3度のファイナル進出で2勝を挙げ、イエローリーダージャージを着用。キャリアで初めてWSLファイナル5入りを果たしました。最終戦では、この日の2番目に高いヒートスコアを記録し、2014年以来で5人目となるブラジル人ワールドチャンピオンに輝きました。これで過去11年間の男子タイトルのうち7つをブラジル勢が獲得したことになります。

「シーズンすべてがたった1ヒートで決まるなんて本当にクレイジーです。でも自分にその結果が訪れて、本当に最高に嬉しいです。今は幸せで仕方ありません。今年の取り組み方にはとても満足しています。一人で挑むのは大きな責任ですが、やってよかったし、正しい決断をしたと思います。今年は自分の意志を強く感じることができましたし、まだこれからもっとやれると感じています。子どもの頃からブラジルの先輩たちが世界を支配してタイトルを獲得する姿を見てきました。そのリストに自分の名前を加えられるなんて、本当に光栄です。」
ティーンエイジャーの頃に華やかなフリーサーフィンのキャリアを積んだドラは、短期間のクオリファイ挑戦を経て2018年にチャンピオンシップツアー(CT)入りを果たしました。CT参戦後、スタイリッシュなグーフィーフッターである彼がトップ10に食い込むまでには4年を要し、2023年には7位、2024年には6位でシーズンを終えました。そして2025年、29歳となったドラはキャリア最高のシーズンを築き上げ、ワールドチャンピオンという完璧な形でその年を締めくくりました。

Pictured: Brazil’s Yago Dora takes in the emotion of his achievement after winning his maiden World Title at the Lexus WSL Finals Fiji Presented by Corona Cero. Credit: WSL / Ed Sloane
「自分のキャリアはフリーサーフィンから始まりましたが、本当に自分を突き動かしたのはコンペティションであり、それを追いかけたいと思ったんです。今年はこれまで以上に自信を持てました。ヒートの戦略やすべての面で、必ずしも完璧なサーフィンをしなくても結果を出せる状態にあったと思います。ときには高得点を出すよりも、小さなスコアでヒートを勝ち抜く方が難しいこともありますが、今年はそれをしっかりやり遂げられました。素晴らしいヒートを重ね、時には苦戦するヒートも勝ち上がりながら、すべてをまとめ上げられたことが本当に嬉しいです。こうしてこの場所にたどり着き、このパフォーマンスでシーズンを締めくくれたことは本当に特別です。」
最初のタイトルマッチでドラが対戦したのは、勢いに乗っていたグリフィン・コラピント(USA)でした。コラピントはこの日、イタロ・フェレイラ(BRA)を第2戦で、ジョーディ・スミス(RSA)を第3戦で下し、キャリア初となるタイトルマッチ進出を果たしていました。勢いに乗るコラピントを前に、ドラは冷静に構え、優先権を持ってスタート。タイミングを見極めて仕掛け、力強いカーヴィングからの垂直スナップを組み合わせた演技で7.33点を獲得しました。さらに続けて、3つの大きなバリエーション豊かなカーヴィングを決めて8.33点を記録。コラピントに高得点を求める状況を作り出しましたが、彼は最後まで十分なスコアを出せる波を見つけられず、ドラがワールドタイトルを手にしました。
「グリフィン(コラピント)は一日中とても危険な存在に見えていて、彼と対戦するのは本当に緊張しました。でも1ヒートで勝ち切れて、シードを活かせたのは良かったです。今日は彼を倒すことが最大の課題でした。最初のヒートからずっと調子が良く、昨年ここで優勝していることからもポテンシャルは十分分かっていましたし、今日は本当に素晴らしいサーフィンをしていました。だからこそ自分のサーフィンを信じ、良い波を掴めれば勝てると信じていました。今日こうして勝ち切れたことが本当に嬉しいです。」
コラピントは、歴史上2人目となるカリフォルニア出身の男子ワールドチャンピオンにあと一歩届きませんでしたが、シーズンを通して自己最高のパフォーマンスを見せ、年間ランキング2位という27歳にしてキャリアベストの成績でシーズンを締めくくりました。
「Lexus WSL Finals Fiji Presented by Corona Cero」の詳細やハイライトについては、WorldSurfLeague.comをご覧ください。
Photo by World Surf League