「日本のために金メダルをとる」サーフィン日本代表五十嵐カノア選手記者会見

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いよいよ『第32回オリンピック競技大会(2020/東京)』が7月23日(金)より開幕する。
初めてオリンピックで開催されるサーフィン競技は、7月25日(日)から千葉県長生郡一宮町釣ヶ崎海岸(志田下)で開催される。
大会を目前に控えた7月18日(日)、サーフィン日本代表、五十嵐カノア選手がオンラインでの記者会見に応じた。
記者会見では、「誰にも負けないほどこれまで準備をしてきて自信を持っている。サーフィンも体も今までで一番調子が良い。プレッシャーを力に変えて、金メダルを日本のためにとる」、と自信にあふれる五十嵐カノア選手の様子が伺えた。

記者会見の全模様は以下より。




五十嵐カノア選手


オリンピック出場が決まった時の率直な感想は?

2年前に、CTのランキングでオリンピックに出られることが決まっていたので、今日の日までビルドアップできていました。
プレッシャーよりも楽しみが増していて、やっともうすぐ始まる!という気持ちです。
サーフィンがオリンピック種目になってから、出場することが夢だったので、2019年のCTシーズンに集中して挑むことができ、オリンピックに向けて良い準備ができました。
プレッシャーも感じていたが逆にそれが良い感じに強くなれました。




苦しかったり辛かったりしたことは?

アスリートの皆同じかと思うけれど、プレッシャーを感じることが良い場合も、悪い場合もあったこと、また自信がない日もあったことが辛かったです。
オリンピック出場が決まる前の日などは、CTで結果が出なかった場合のことを考えて、寝られない日もありました。
オリンピック選手に選ばれてからも、怪我をしないように、身体の調子を整えることへのプレッシャーを感じることもありました。
今はサーフィンも身体も板も調子が良いので、逆に近づいてきたほうがポジティブになっています。
今は、今までの中で一番サーフィンも体も調子が良いです。
大会近くにこんなに調子が良いのが意外とないほうなので、それが今回こんなに調子が良いのは嬉しいことです。
準備はできています。
リラックスして怪我をしないようにして挑みたいです。



オリンピックが決まる前は寝れなかったと言っていたが、どういう気持ちがあったのでしょうか?

日本代表としてみんなのために金メダルを取りたいというプレッシャーで、考えすぎてしまった時がありました。
アスリートは皆あるかもしれないけど、オリンピックの金メダルというのは、どんな大会よりも一番凄いことなので、スポーツ選手としてそのチャンスがあるということで、プレッシャーを感じることがありました。



2019年のCTでクオリファイしてプレッシャーがかかっていたと言っていたが、なぜそんなにオリンピックが特別なのか?

プレッシャーを感じているということは、それだけ大切にしているということです。もっとプレッシャーを感じるほうが自分の力が出ると思います。

プレッシャーが逆に面白いです、それが勝負なので。
初めてのサーフィン競技で、しかも日本で、日本代表で、一宮でやることに対して周りからのプレッシャーがありますが、それに逃げるのではなく、逆にそれを力に変えたいと思います。



勝つために戦略、ポイントはありますか?

波に合わせたボード選びが大切だと思います。
今回12本のボードを持ってきていますが、そのボードの中から金メダルを取りに行けるボードを探すことを今週の目標としています。
毎日波が変わるので、その日の朝波を見て、どういうサーフィンをしたいかで変わってくると思います。
どんなコンディションでもいいサーフィンを見せられることが大切だと思います。



いつもはどれぐらいの本数のサーフボードを持っていますか?

どの大会も12本のボードを持っていっています。
オリンピックの大会ということで違いはあるかもしれないけれど、CTのいつものルーティーンを変えないようにしています。
最初は19本持っていくつもりだったけど、ルーティーンを変えないようにしました。
同じバック、同じ洋服、すべてを同じにしました。
オリンピックだから!という感じにならないようにしました。



12本のボードを持ってくる理由は?

2〜3年前からいろいろ試しました。
最初は6本ぐらいでしたが、CTに入ってすぐは19本〜20本ぐらい持ち歩いていました。今は12本が最適なバランスだと思いました。
コンディションによってですが、絶対使う板は6本で、3本は試し用、残りの3本はバックアップです。



サイズは?

サイズは5’9が一番短く、長くても5’11です。幅は似たような感じですが、2インチだけでも板の感覚がすごく変わります。
種類は、エポキシだったりPUの板など、今回は種類を多く持ってきています。
今回持参の板の中で、8本ぐらいは前にも乗ったことある板です。
残りは新しい板で今週試します。



現在の体重は?

CTの時は79〜80kgぐらいですが、今回の波のコンディションに合わせて77kgに減らしました。
スピードが出るように体重を絞りました。



志田下の波に合わせた練習とは?

志田下の波に似ているような波を探して練習していました。
カリフォルニアも志田下の波に似ているので、なるべく近い波を探していました。
日本の波は自分のサーフィンにも合っていると思うので、いつも通りのサーフィンをするだけだと思います。




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CTとオリンピックの違いはありますか?

イベントの大きさはもちろん、特にメディアの盛り上がり方が違うのが一番感じます。
空港に到着してどこを見てもオリンピックの雰囲気になっていて、会場の盛り上がりも、全然違いますね。
また、世界のトップアスリートが東京に来ていることが、サーフィンの大会というのと違い、世界のスポーツのイベントということで比べられないぐらい違いますね。



オリンピックのために、ここはだれにも負けない、という特別に準備をしてきたことはありますか?

毎日朝起きてご飯を食べる前、携帯を触る前に、何をやれば金メダルが取れるかを考えてきたこと、メンタルが特別だったと思います。
毎日朝起きてから寝るまで、サーフィン、トレーニング、食事、全ての時間を金メダルを取るための準備をしてきました。
これ以上できることはないぐらいの準備をしてきたことが、自信につながっています。
早く大会が始まってもらいたいぐらいの気持ちで、すごく大会を楽しみにしています。



ランクが上の選手とどう戦っていきますか?

まだヒート表を見ていないです。ギリギリまでヒートを見ず、誰と戦ってもいいように自分の準備をします。
1本ずつ、1日ずつ集中していくことが今のゴールです。
良いパフォーマンスが出せれば、金メダルにつながるサーフィンができると思うので集中していきます。



日本とアメリカの国籍を持っていて、日本代表を選んだわけは?

日本人の血が流れていて、子供の時から日本の旗を振って育ちました。
その時はオリンピックというの考えはなかったけれど、日本人がCTに入るというだけで、ジュニアの世代にとってもモチベーションになると思いました。
ヒロト選手やマヒナ選手、アムロ選手も、日本のサーフィンのレベルがトップのレベルに近づいてきています。日本の血が流れる日本人として、オリンピックに出たいと思いました。



現在日本代表のウェアを着ているが、他の競技の選手と一緒に日の丸をつけて戦うという気持ちは?

サーフィンの選手だけでなく、他の競技の選手と一緒に、みんなで金メダルを取ろうという競技はオリンピックだけですね。
前までは、サーフィンはチームスポーツではなく個人競技だったけれど、日本代表としてISAのイベントに参加して、みんなで頑張ろうという気持ちになりました。
今は、他競技の選手たちを見て、同じチームとして日本のために金メダルを取りたいと思います。



オリンピックに拘るわけは?

自分の目標は、サーファーではなくスポーツ選手として「世界で一番のアスリートになりたい」という夢です。
サーフィンを知らない人でも「五十嵐カノア」を知ってもらいたい。
オリンピックがアスリートの一番のトップだと思います。
オリンピックの金メダリストとして一生名前を残すことが目標です。
金メダルを取って日本のためにメダルを1つ増やすということもとても大事なことだと思いますが、「五十嵐カノアが金メダルを日本のためにとった」ということを見せたいです。



会場が無観客になってしまったがどう受け止められましたか?

ファンがいることによってさらに力が出るので、観客がいないということは残念です。けれど、コロナの問題なのでみんなが安全にいることがとても大切だと思います。
SNSなどのメッセージではとても力をもらえるので、100%の力が出るように頑張ります。



大会でどんなサーフィンを見せたいですか?

パワーがある速いサーフィンで、誰が見ても「ちょっと違うな!」ってわかるサーフィンをしたいと思います。
できる技を全部オリンピックで見せたいと思います。



日本にいる家族にメッセージをお願いします。

おばあちゃんいつも見てくれてありがとう。
今回は会場まで来られないのでちょっと残念だけれど、近くにいるだけで力をもらえるので、応援をお願いします!
頑張るよ!




Go! NAMINORI JAPAN!!


ISA

https://isasurf.org/event/world-surfing-games/

NAMINORI JAPAN

https://www.nsa-surf.org/naminorijapan/

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