5/13 Review of 2020~2021 Hawaii Winter vol-2

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

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Joe Azuchi @ Waimea  2021/1/16  12:42 pm

 

この冬のハワイを振り返って強烈に思い起こされるライディングが、

2021年1月16日、今冬1番のXXLスエルで、

アズチジョーが捉えたこのワイメアのドロップだ。

前日まであまり乗り気では無かったジョーだったが、

マツナガダイキがやる、やろうと言ってくれたのでジョーも奮起し、

当日ダイキがステイしていたユキノさんがダイキとジョーをワイメアまで乗せてくれ、

丁度タウンから来たホリグチシンペイも同じタイミングとなり、

午前10時53分、意を決してパドルアウトしていった。

ジョーがまず最初にショアブレイクを乗り切り、ダイキと外人が後に続いた。

波打ち際まで進んでいたシンペイは少しためらってゴーしなかった。

二人の行方を見守りながら沖を見ると、

よりによって本日一番の超ド級のクローズアウトセットが来襲!!

ジョーもダイキはまだ半分も行かないゾーンをパドルしている。

まずい、これは完全に喰らう、やばい、しかし岸からは見守るしかない。

沖では25ft級のモンスターセットがブレイクし、ベイの中は真っ白なスープだらけ、

いや地獄の釜茹で状態となり、一番沖にいたジョー、手前にいたダイキと外人とも、

雪崩のようなホワイトウォーターの下敷きになった。

このゾーンはまだ深いのでなんとか耐えてくれ〜と祈っていたが、

絶大なパワーによって3人ともあっという間にインサイドまで引きずられてしまった。

特にジョーは更に左のビッグロック寄りのショアブレイクにまで持って行かれ、

ダイキと外人はまだ泡ぶくのインサイドで決死の脱出を試みていた。

やがてライフガードのジェットスキーが、ジョーよりも若干沖にいたダイキと外人を拾い、

セーフティーゾーンまで連れていってくれた。

一方、ジョーはあの強烈なワイメアショアブレイクのインパクトゾーンでダイブし続けている。

すでに相当体力を使っているので、まじ大丈夫かなと息を飲んだ。

あまりにインサイドにいたのでジェットレスキューが来れず、

岸からライフガードが真っ直ぐに上がって来いとスピーカーフォンで叫んでいた。

当のジョーはそんなの聞こえる訳なく、肉厚バカっ掘れのショアブレイクと戦い続けていた。

後でジョーに聞くと、腕が段々と上がらなくなり、水面に上がれなくなり、

気が遠くなってきたという。

そんな中、一瞬インパクトゾーンから外れたタイミングを見切って、

スープに掴まり、そのまま岸まで上がり着く事が出来た。

最後の力を振り絞って魔のショアブレイクから生還したジョー君、

流石に精も根も尽き果て、ビーチで座り込んでしまった。

そこにライフガードが来て、グッドジョブと一声かけに来てくれたという。

しばし放心状態だったジョーもやがて立ち上がり、

再びパドルアウトポジションに戻っていった。

いくらなんでもあれだけの揉まれ方をし、死の淵にまで立たされたので、

今日はもうやらないんじゃないかとさえ思った。

パドルアウトポジションのビーチにはトモシゲ一家が居て、

ジョー君もそこに座ってしばし雑談?していた。

事の全てを見守っていたカモユリは、ジョーが死んじゃうんじゃないか?

と、まじ涙が出てきたと語ってくれた。

沖には朝一からパドルアウトしていたワキタとタイチ親子、

ジョーとは裏腹に寸前でレスキューされたダイキ、

ジョー達が喰らったセットを察知し、タイミングずらしてパドルしたシンペイ達がいた。

やがて落ち着きを取り戻したのか、なんとジョーは再びパドルアウト。

今回はセットの合間でスムースに沖へ出る事ができた。

あれだけの目に遭ったので、あまりチャージしないんじゃないかなと思っていたが、

ジョーはウエストチャンネルから一気にノースピークのディープゾーンへとポジションを移した。

そしてジョーはこの日4本の波をとらえ、この2本目のボムセットには、

この日絶好調だったエミリーエリックソンがショルダーでパドル、

ジョーはウェイディーパーポジションからブレない素晴らしいテイクオフ、

これまたクリーンでブレないドロップ〜ダウンザラインでボトムへカッ飛んで行った。

エミリーは何故かテイクオフでズッコケまさかのワイプアウトで、

そのままサックドオーバー、波のトップから持って行かれてしまった。

一瞬ジョーに板か体がぶち当たるんじゃないかと思ったが、

かなりの距離・間隔があったのでそれは免れたが、

ボトムに到達すると背後から襲ってきた爆弾ホワイトウォーターに弾かれ、

ジョーは前というより宙に吹っ飛ばされ、

あの巨大な雪崩の中で揉みくちゃにされてしまった。

撮影した時は気がつかなかったが、後で動画を見てみると、

まるで風船かボールのようにスープの中に浮かび上がってくるジョーの姿が映し出されていた。

このようにゲティングアウトで死の一歩手前まで行きながらも再びパドルアウトするガッツ。

そしてこのエクストリームなワイメアデイの中でもボムセットをとらえるセンス。

長きに渡りジョーを見続けてきたオイラだが心底感動した。

おそるべしアヅチジョー、、、生きてて良かった〜〜〜笑

 

 

 

 

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_KK46938 _KK46952 _KK46959 _KK46965 _KK46967 (2)Joe Azuchi @ Waimea Bay  12:42 pm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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