5/9 Review of 2020~2021 Hawaii Winter vol-1

Naoya Kimoto

Naoya Kimoto
サーフィンフォトグラフ界の巨匠、重厚なショットが魅力のKINこと木本直哉。 16才でサーフィンを覚え、20才からサーフィンフォトグラフィーの道を歩みだす。1981年から冬のハワイノースショアに通いだし、現在も最前線で活躍中。

A63I6509 (4)

@ Pipeline

 

5ヶ月に及ぶハワイ取材から帰国し、

コロナ禍の中での2020〜2021・ノースショアウインターを振り返ってみると、

まず波が良かった。

例年より遅れて、11月23日にハワイ入りをしたが

まだノースショアのビーチには砂がもっこりと溜まり、

10月に一度だけビッグノーススエルが来ただけだと聞かされた。

それでもパイプマスターズが行われることになったので、

すでに多くのCT選手はハワイ入りし、

砂の取れていないパイプエリアでプラクティクスを行なっていた。

初めの1週間はロッキーやボヨンボヨンのオフザとかでのスモールサーフだったが、

月が変わり、12月1日に待望のビッグウエストスエルが入ってきた。

パイプの砂は刻一刻と削れてきたが、

まだまだバックウォッシュがきつくアンサーファブル。

しかしサンセットは6〜8〜10〜でファイア〜〜

いきなりノースショアモードに変幻していった。

翌12月2日はワイメアがブローク、夕方にはマッシブパイプとなり、

いよいよノースのスイッチがオン!!

その後延々とパイプデイズが続き、少し下がったらオフザ、またパイプといった

サイクルでめまぐるしくノースショアでの撮影が続いた。

年が明けてもゴーインオフ状態は止まることなく、

連日何処かしらでスーパーセッションが展開されていた。

1月下旬にサンセットでのCT戦が予定されていたので(結局キャンセルされたが)、

今までになくCT選手が年を越してハワイに残っていたので、

役者が揃いまくっていたことで、カメラマン的には嬉しい悲鳴の2ヶ月(12〜1月)となった。

特に1月16日が今冬1番のビッグデイとなり、

ワイメア、ヒマラヤ、アウトサイドログキャビン等で伝説のビッグウエイブセッションとなった。

その後も大きく崩れることなく波は炸裂し続け、

特にヴァレンタインスエルではベストパイプデイとベストバックドアデイでシーズン後半が彩られた。

このヴァレンタインスエルが終わると、ウインディ・クラッピーコンディションに突入し、

2月一杯で多くのサーファーがノースから去っていった。

3月に入ってもエピックスエルは到来せず、

3月9日には前代未聞の集中豪雨によって洪水警報が発令され、

今まで見たこともない激流がカムハイウエイを襲い、川が決壊し、

海は恐ろしいほど真っ茶色となり、

ノースは見るも無残なチョコレートオーシャンに変幻してしまった。

ハワイに残った自分達はそれでもウエスト〜サウス〜イーストサイドへと

波を求めて走りまくっていた。

それによってまだ知らなかったポイントや波に遭遇したりして

フレッシュな気分になることができた。

洪水警報から1週間ほどたち、まだブラウン・グリーニーカラーのノースだったが、

オフザやログキャビン、ロックパイルでサーフィン再開。

4月にかけてミディアムノースウエストスエルが入ってきたが、

気がつけばまたすっかり砂が溜まり、パイプエリアはバックウォッシュが入り、

あのミッドシーズンの波は期待できなかった。

人もすっかり少なくなり、4月19日のロックパイルセッションを最後に、

オイラにとって40冬目のハワイ取材が終わった。

正直ハワイに行けるのか?ノースに戻れるのか?と不安だらけの昨年だったが、

ハワイ州がようやくPCR検査を受けてくれば

2週間の自主隔離を免除するという政策を取ったおかげで、

スムースにハワイへ行くことができ、ノースの現場はいつもと変わらない状態で、

海ではマスクもせずに過ごすことができた。

サーファー、カメラマンからも多くの陽性が出ていたようだが、

幸い感染することなく滞在中健康に暮らし、

いたっていつものようなビーチライフを送ることができた。

ハワイに行った頃はまだワイキキもゴーストタウンだったが、

今はメインランドからツーリストが戻り、

徐々に活気を戻してきているようだが、

ノースはずっと変わりなくサーファーで賑わっていたように思う。

仕事ができない人への補償もしっかりしているようで、

むしろローカルでサーフィンを始める人が増えたそうだ。

日本ではハワイに行かないほうがいい、日本人は嫌われている、

コロナがまん延している等などの噂が飛び交い、

ハワイ行きを考えた方も多かったと思う。

確かに何処で感染するかのリスクはあるし、行き帰りのPCR検査代もバカにならない、

更に前のように毎日何便も飛行機が飛んでいるわけではないし、

帰国しても2週間の自主隔離が待っているので、クィックトリップに無理があったと思う。

でも自分は2020〜2021ウインターという二度と帰ってこないこの時を、

ハワイで過ごせ、撮影し、記録できたことに感謝したい。

 

 

 

 

A63I4424@ Pipeline

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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