@ The Slab Western Australia 2019
今から6年前の2019年、まだリアルが16歳だった時、同冬ノースショアでのチャージが目立ち、
初めてリアルをワールドウェイブハントの旅に誘ってみた。
場所はウエスタンオーストラリアのマーガレットリバーエリア。
サーフバディは歳上のサトウガイ、そして俺と妻、4人のパーティーだった。
まず俺と妻はハワイからシドニー経由でWAのパース入りを果たし、
その2時間後にたった一人香港経由でパースに来るリアルを待った。
まだ16歳で英語もままならず、恐らく一人で初めてのフライトラインだったので、
来る前から無事に一人で来れるのかな〜?と心配していた。
もちろんオーストラリアのイミグレでも子供一人なので根掘り葉掘り聞かれるのでは、、、
ところがそんな心配をよそに何事もなくリアルは到着ゲートから出てきた。
既に夜遅く予めブックしていた空港近くの宿にチェックインし、
明日の朝シドニーからパース入りしてくるガイちゃんを待った。
翌朝ガイちゃんとも無事合流し300キロ弱南に下ったマーガレットリバーを目指した。
クィックシルバー合宿でゴールドコーストには何度も来ていたリアルだったが、
流石に大陸反対側のウエスタンは初めて、ガイとのトリップも初めて、
ましてやこういった手探りのウェイブハントの旅も初めてで、
見るもの聞くもの感じるもの全てが新鮮でおったまだったようだ。
まずはマーガレットリバーのお隣の村・グレースタウンに借りたお家にチェックイン〜
コワラマップベイの南寄りに位置し、3階からはあのノースポイントを望むことができた。
旅のルーティンでまずはマーガの街のスーパーで買い出し、早速初日から自炊体制に入った。
基本俺と妻で料理を担当してたが、ガイやリアルにも野菜カットなどは手伝ってもらった。
リアルにタマネギの切り方を教え恐る恐る切らすと
タマネギの渋汁が目に入り涙ポロポロになるのでサングラスをかけて切ったり、
薪を焚べても全然火を起せなかったり、
車のルーフにサーフボードをを積んでもうまく紐を通せなかったりと、
今では考えられないがまだまだお子ちゃまで何もできなかったことを思い出す。
でもそんなことも日々の修行でできるようになり2〜3週間の旅の中で取得していった。
運動神経もいいが学習能力も何気に高いボーイズだと感じれた笑
一方サーフィンの方は元気たっぷりで、WAの法則通りダウンパトロールから始まり、
波のサイズによってあちらこちら車をぶっ飛ばしてその日のポイントを決める。
場所によってはパーキングから30分以上歩くこともある。
もちろん海の中ではサメの脅威もある。
とにかくゴールディーにはないワイルドサーフィンライフがWAの真骨頂。
家前のノースポイントのライトスラブではバックハンドグラブレールを駆使してプルイン〜
レフトハンダーでは遊園地に来たかのように波と戯れ、
ボミーズのビッグウェイブでも短い板でアタックしローカルおじさん達を驚かせた。
ガイちゃんは比較的マイペースでオンとオフデイがあり、家に残ってノーサーフの日もあったが、
ヤングリアルはただひたすらサーフサーフ、
波が小さければまるで洞窟のようなスモールベイにあるハネコンの腰〜腹〜胸で飛びまくり、
美しいビーチブレイク・ブジダップやレッドゲートではプルインに次ぐプルイン〜
ストーミーになれば家前のサウスポイントのロングレフトでカービングを楽しみ、
WAの波をフルジョイしているようだった。
そんな中でも特別な2日間があった。
それはマーガレットリバーから少し南に下ったところにあるガスベイ。
ビーチと岩棚がミックスしたライト&レフトのスラブポイントで、
著名サーファーによる数々のセッションが行われてきたWAを代表するスポットで、
なんと俺たちはまさかのノーバディセッションを2日も堪能することができた。
ガスベイはシークレットでもなくパーキングから一望できるポイントなので、
昨今ではサーファーよりボディボーダーが多く、いつもBBで混んでるイメージがあった。
が、ある日サイズもガスにピッタリなので早朝からチェックに行くとビンゴ〜〜〜
ノーバディアウトゼア〜、3〜4〜のグリングリンバレルが右に左に〜〜〜
鬼(BB)の居ぬ間に〜とガイとリアルは猛ダッシュでサーフ。
俺と妻もすぐにカメラのセッティングに入った。
パッと見た目俺的にはライトがいいと感じ、ライト側に構えたが、
リアルは一発目からレフトへ、ガイもレフトへ、
え〜〜レフトはクローズじゃないの?岩が危なくないの?
の疑問をよそに二人はガンガンレフトを攻め込み、凄いバレルをメイクしていく。
なので俺と妻も徐々にレフトへシフトし、初めは正面あたりまで移動、
いやもっと右からのほうがいいのではと岩場のギリギリの所まで動き続け、
ようやくここだと言うアングルを見つけ撮影を続行した。
やがて風がザワザワっと来だすとモードが変わり終焉が近づいた頃二人のBBが入ってきた。
彼らも初めはライトでやっていたがガイとリアルを見てレフトにやってきた。
なので二人は頃を見計らいライトに移動しそのまま上がってきた。
パーキングで着替えている間に風は強まりあっという間にグシャグシャに変化、
まさに早起きは三文の得、これによってガスベイが大好きになった二人は、
足繁くガスに通うようになったが、ここは何気にセンシティブなポイントで、
波があっても全く良くないことが多く、あれほどのコンディションに当たる方こそ稀と言えた。
そんな中帰るまでにワンモアデイ、前回よりももっと良く天気もエクセレントな日に遭遇、
更に再びノーバディアウトゼア〜〜
今度は二人がレフトにフォーカスしていることがわかっていたので、
俺も妻もまっすぐレフトのアングルに向かい、二人のスラブアタックをガッチリと記録できた。
こうして忙しくも楽しかったWAトリップも終焉を迎え、グレースタウンを後にパースに向かった。
フライトまでの時間があったのでパースの郊外にある港街・フリーマントルに寄って、
有名なフィッシュ&チップスを食べに行った。
カモメが屯する港にその店があり、オージーお気に入りのフィッシュ&チップスをオーダーし、
外のテーブルで食べようとするとカモメがグイグイ食べ物狙って飛んでくる。
ややカモメが散ったところでガイとリアルが食べるところを撮影しようと
カメラ片手に少しテーブルから離れた瞬間カモメがバサバサ〜と急降下してきて
オイラのフィッシュフライの半分を引きちぎって飛び去っていきよった〜
今度はコラ〜〜と言ってる隙にまた他のカモメが数匹飛んできてもうテーブルはメチャクチャ〜
その様子を目の当たりに隣のテーブルから見ていたガイとリアルは、
こっちからキンちゃんを撮っていた方が面白い映像が撮れましたね、とさ笑
話は横道に逸れてしまったが、
この2019年のWAトリップを機にリアルとの絆?(無理矢理?笑)が深まり、
後のメキシコ、クルイ、タヒチへと繋がっていき、
それら全てが映画”フリーバード”の血肉となっていくのだった。

Riaru Ito @ Western Australia 2019
Takashi Minami @ Bommies WA circa late 80′s
@ Bujidup
@ Honey Comb
@ Cobble Stones
@ Womb

@ Left Hander
Isao Okano @ Margaret River
@ Wild Western Australia circa late 80′s
当時ベール包まれていたウエスタンオーストラリアに初めて足を踏み入れたのは、
1980年代の後半だったと思う。
今の様にCT戦があるわけでもなくたいしたインフォもあても無く、
マーガレットリバーという地名に惹かれてWA/パースへ飛んだ。
とにかくどうやら完全キャンピングスタイルの様だぞ~との情報なんで、
パースでテントやシュラフ、自炊道具、食材を仕入れてマーガへ向かった。
地図を頼りにマーガまでのロングドライブはウキウキドキドキ清々しいものだった~
やがてこじんまりとした、ーガレットリバータウンに到着。
町近くのキャラバンパークにチェックインしまずは海へ~~
大自然の中をカントリーロードが海へと誘ってくれる。
オーストラリアらしく整備されたパーキングロットの目の前に広がる濃紺の海、、、
ついにオーストラリア大陸西の果てマーガレットリバーにやってきた~~~
と感動したいとこだが波は超スモール~~
結果的にファーストツアーではWAらしいビッグスエルに遭遇することなく、
あちこちをサーフチェック、観光、ドライブし、楽しいキャンピング生活を過ごした。
そしてその翌年新たなメンバー編成でリベンジトリップに出掛けた。
そして2度目のWAトリップは初日から大パンピング!!!
マーガに向かう途中に見たヤーリンガップのスーパーチューブもファイアー、、、
これはデカイぞ~~~と興奮したのを今も思い出すことができる。
案の定マーガは6~8~10フィート。
メインのレフト&ライト、左のサウスサイド、右のボックス、左沖のボミーズ,、、
全て大炸裂してるぜい~~
この時はマーガのポイント近くのキャラバンパーク(プレベリーパーク)に陣を張り、
目の前にあるマーガレットリバーのビッグウエイブに照準を絞った。
今ならマーガはチェックするだけでフォトセッションは
もっとコンパクトでチュービーな所を目指すが、
この頃そのエリアはまだまだ未開発でポイントもわからず、
ダートロードを四駆を駆使して探しまわらなければ、
とうてい辿り着かないワイルドなコーストラインだったのだ。
ましてどでかいキャンピングキャラバンなんかじゃすぐ砂に埋まってスタックしちゃう~~
しかし今回はあのサンセットを逆さまにした様な、
マーガのメインピークのビッグテイクオフを狙っちゃえ~~ってか~~
そしてその時のセッションで、
ウキモトカズヤがとらえたモンスターセットのレイトドロップショットは、
その翌年のサーファーマガジンのビッグウエイブ編・カレンダーに使われた程だった。
確か初日から3日連チャンでスエルは続き、
調子良くマーガでフォトセッションをしてたら、
ローカルサーファーが俺に近寄って来て、
”去年お前は2人(本当は3人)サーファーを連れて来た、そして今年は4人なのか、、、
トゥーイズオーケー、フォーイズトゥーマッチ”、と言われてしまった。
当時ゆったりとしたなごやかな雰囲気のマーガレットリバーにも、
やはりローカリズムはあり、俺達は所詮ビジターなのだ、、、と、
ハンマーで殴られた様なショックを覚えた、、、
しかしそれでも旅は続く、、、
俺達は当初の予定通り、ファイナルディスティネーションである、
1000キロアップコーストのレッドブラフ/ナールーを目指してマーガを後にしたのだった。
@ Gnaraloo North Western Australia
@ Red Bluff North Western Australia circa late 80′s

